やなせ進の国会通信 No.795         

                        2008/6/30
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【1】06年骨太方針の呪縛。
【2】第1の呪縛は「医療費亡国論
【3】政権交代の必要性
【4】先週の主な活動。

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【1】 06年骨太方針の呪縛。

●福田政権になって初めての「08年骨太方針」が27日(金)に閣議
決定された。しかし、やはり予想通り、06年の骨太の呪縛からは、脱却
できなかった。福田政権では、小泉政治の政策転換は所詮無理なのである。

●私が一番注目していたのは、社会保障費についての方向性であった。

●後期高齢者医療制度についての圧倒的な国民的批判。これを受けて、
削減方針を決めた06年の方針が大胆に見直されるかどうか。ここをまずは
注目したが、結果は「06年の抑制方針は堅持」となった。

●国民の空気をまったく読めないKY総理の福田首相らしい「顔の見えない」、
骨太方針である。また、同時に06年の骨太方針を決めた小泉政治の亡霊に
いまもって取り付かれているようだ。

●29日のNHKテレビでも額賀大臣は、「社会保障費の伸びを5年間で1.1兆円抑制す
る方針(06年骨太)は、09年度の予算編成でも堅持すると明言した。

●5年間で1.1兆だから1年にすると2200億円。来年度も2200億円カットするぞと
財務大臣は宣言したのである。そのうえで、「始まって3年目で挫折しては世界の信任
を得られない」などと述べ、具体策として後発医薬品の使用促進や雇用保険の国庫負担
縮減を挙げた。医療費削減と「世界の信任」がどう結びつくのか、理解不能。きわめて
的外れの発言である。

【2】 第1の呪縛は「医療費亡国論

● そもそも発端は今から25年前の1983年に登場した「医療費亡国論」。
当時の厚生省保険局長の吉村仁氏が論文の中で以下のような考え方を発表。
そして、それを自ら「医療費亡国論」と名づけた。

1)医療費亡国論:このまま租税・社会保障負担が増大すれば、日本社会の活力が失わ
れる。したがって、医療費については当然抑制していかなければならない。

2)医療費効率逓減論:治療中心の医療より予防・健康管理・生活指導などに重点を置
いたほうが効率的である。

3)医療費需給過剰論:医師の供給は、「一県一大学政策」もあって近い将来かならず
、供給過剰になる。病床数も世界一、高額医療機器導入数も世界的に高い。これらの供
給過剰を是正する必要がある。

● 23年前の医療費亡国論は、歳出削減本能に過剰にとらわれた大蔵省を狂喜させたこ
とは言うまでもない。以来、日本の医療政策はこのロジックに金縛りにあってきた。最
近の後期高齢者医療制度も、また予防医療費大幅なシフト変更をしようとするメタボ医
療政策も、基準を緩めた安いジェネリック医薬品の容認も、すべて25年前の医療費棒国
論に端を発している。医療政策を捻じ曲げている第1の亡霊は23年前の医療費亡国論で
ある。

【3】 政権交代の必要性


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