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【1】自民党政権の挽歌が聞こえてくる。
【2】臨戦態勢を。
【3】マンデーレポート800回達成の所感。
【4】先週の主な活動。

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【1】 自民党政権の挽歌が聞こえてくる。

●大方の予想に反し、福田総理は7月31日に内閣改造を行った。
マスコミの多くもまた自民党の内部も、週あけの8月4日に行うと予想していた。
呼び込みに間に合わなかった大臣も出るほど。このへんに、福田総理自身が、
いかに改造「断行」をアピールしようとしたかが伺われる。

●しかし、率直に言えば、忍び寄る政権交代の切迫した危機感が感じられない。
さらには、危機に対処する積極果敢な決意も伝わってこない。
足元に迫る危機の認識を欠き、その結果として、危機に対処する処方箋の
中身も分からない、そんな事態に陥ってしまったようである。

●自民党長期政権の最終末期の姿が、具体的に現れてきたような感じだ。
50有余年続いた自民党政権の挽歌がいよいよ聞こえてきそうである。

● 今回の改造についての私の印象を以下に整理しておきたい。

(1) 国民とのズレ

● 国民が、政治にいまなにを期待しているか、いまなにを不安に思っているか。
政治において、もっとも大事な国民の切実な願いが、きちんと把握できていない。
忍び寄る転落の危機、年金・介護・医療・生活保護などの社会保障制度の劣化、
原油高、資源高、食糧高などの目前の生活不安、国民の深刻な危機感への
率直なメッセージが皆無である。

●今回の改造内閣を、総理は「安心実現」内閣と呼びたいそうだが、
06年の「骨太方針」で決めた、5年間で1兆1000億円社会保障費を削減する
方針を堅持しながら、「5つの安心プラン」など実現できるはずがないのは、
国民は良く知っている。

●社会保障削減の骨太方針を、そのまま維持しておいて、「安心実現」など
できっこない。だから、「安心実現」が、真実のない偽りのキャッチフレーズで
あることを国民はすでに見抜いている。


(2)「安心実現」よりも「アンシャンレジーム」

●アンシャン・レジームとは、直訳すると旧制度。フランス革命前の、絶対王政を
前提とした封建的な旧体制を指す言葉である。

●福田政権は、今回の改造人事で随所に「先祖がえり」をしている。それを
皮肉って旧体制復活と言わせていただいた。すなわち、かつての自民党政治の
本質といえば、「派閥均衡人事」であり「官僚依存体質」である。切羽詰った
福田総理は、最後の手段としての、恥も外聞もない「先祖がえり」を
計ったとしか言いようがない。

●派閥の領袖を各所に配置、さらに、大蔵省出身の伊吹財務大臣、大蔵省お墨付きの財
政再建派与謝野馨氏を経済財政大臣と、完全に財務省主導型の内閣である
ことが明らかとなった。

(3)消費税導入シフト

●伊吹、与謝野両氏が経済財政の中心閣僚になったことは、消費税導入シフトが
前面に出てきたことを意味する。国民の多くが願っているのは、まず行政の無駄の
徹底削減。消費税導入などの安易な歳入改革よりも、まずは徹底した歳出改革。
多くの国民の声を無視した改造ではないか。


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