やなせ進の国会通信 816号              2009/2/23 
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【1】麻生内閣の危機管理能力
【2】世襲政治家の共通点は「お友達」感覚か?
【3】三大臣兼務もおかしいぞ。
【4】先週の定例記者会見から。(民主党hpから再掲。加筆訂正あり。)
【5】先週の主な活動。
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【1】麻生内閣の危機管理能力

●中川財務大臣のローマでの記者会見は「醜態」だった。
国際会議後の記者会見は、日本のメッセージを世界に発信する重要な場所。
そんな重要な舞台で、世界に醜態をさらしたのである。世界の経済危機に
対し重要な役割を担うべき諸外国の期待を大きく裏切った。国際政治に
おけるわが国のステータスを著しく低下させた。中川大臣の失態は明らか
であり、即刻財務大臣を辞任すべきであることは誰の目にも明らかだった。

●しかし、そんな中川大臣を麻生総理は慰留した。翌日になって、中川
大臣は、「予算案が衆議院を通過してから辞任する」と態度を変えたが、
これは「衆議院を通過するまで大臣をやめない」ということを意味する。
これで事態が収拾できると考えたのであろうが、こんな判断しかできない
ところに自民党政権の末期的症状が現れている。

●財務大臣は麻生政権の中核。しかも、重大な経済危機に対処するための
責任大臣でもある。さらに世界注視のG7。前後不覚、もうろう状況での
記者会見が、日本の国際的信頼をいかに破壊したか想像すべきである。

●麻生総理の今回の対応は、ことの重大さを全く自覚せず、瞬時に的確な
対応を選択することが出来ない、すなわち重大な危機を認識し、ただちに
果敢な対処をすべき危機管理能力が欠如していることを明らかにした。

【2】世襲政治家の共通点は「お友達」感覚か?

●「泣いて馬謖を斬る」。国益の前では、どんな盟友であろうと瞬時の
判断が必要になる。直ちに辞任し、直ちに辞任させる。麻生・中川両氏に
共通してみられるのは、公人としての緊張感の欠如である。政治家としての
責任よりも、個人としての友情を先行させる。こんな公私混同が当たり前。

●小泉・安部・福田・麻生・そして中川、この5人の共通点は、親父の
選挙区をそのまま継承した世襲政治家。世襲政治家の共通の欠陥は、
公私混同の「お友達政治」に簡単に堕落すること。麻生・中川両氏の
関係を見ていると、どうしてもそんな感想を持ってしまう。

【3】三大臣兼務もおかしいぞ。

●中川辞任後、麻生総理は、与謝野大臣に財務、金融、経済の三大臣を兼務させる
こととしたが、これも対処策としては下策のような気がする。

●与謝野さんの健康問題を論じる気持ちはないが、重要な国際会議が目白押しの
3つの省の大臣を兼務することは不可能に近い。当然 かなり重要度の高い
国際会議も副大臣以下の代理ですませるか、欠席となる。中川もうろう会見で
信用がた落ちに引き続き、ドタキャン常習日本の汚名を被ることになりかねない。

●さらに、たとえば「財務・金融 一体化」の護送船団方式の弊害をさけるために
旧大蔵省から金融部門を分けたはず。それを今回ふたたび一体化するのは問題であるし
、大蔵省支配をさけるために企画部門を分離した流れにも逆行する。


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