モテるまちづくりの続編です。

 

 

これも良書の当たり本です。

 

前作では公共財とコミュニティの関係でまちに資材を貯めるということを詳しく説明していました。

 

今回はまちづくりのモデルのを話が中心に説明されています。

 

まちづくりモデル

 

まちづくり1.0

1950−1970年代

中央集権的行政主導まちづくりの時代

例)鉄道、道路、水道、港湾

 

まちづくり2.0

1960−1970年代

国家や行政が上から大規模に行う硬質な国土開発に対するアンチテーゼとして「生活者が下から小規模に草の根的に行う」ものとして各地で出現した。

いわゆる、ひらがなの「まちづくり」

例)公害反対運動、生活者の権利擁護運動

 

まちづくり3.0

1990ー2000年代

行政施策の計画段階に住民が参加する、いわゆる「市民参加」時代のまちづくり

例)審議会制度、パブリックコメント

 

まちづくり4.0

行政事業の実施段階に参加する時代「協働とパートナーシップ」

市民提案支援事業補助金制度など「やりたいことやる型」

例)支援型ボランティア活動、しがらみのない有志活動家

 

まちづくり5.0

公共財の供給をビジネスの手法を用いて行う時代

まちづくりは税ベースで行うのではなく、一種のビジネスとして対価を得て成立していくべきという考え。

例)公共団体も地場産品を開発して外貨を稼ぐ→それでインフラを作る。

地方公税交付金、国の公共事業の減少が背景にある。

5.0モデルで供給される公共財は売れなければ、供給が止まる不安定さを含んでいる。

 

現在は1.0から5.0までが混在として公共財が存在しています。

 

まちづくり0.0とは?

 

まちづくりの原始の姿のこと。

 

人間がまちを作り出すために必要な要素は何か、です。

 

限界芸術(芸術と生活の境界があいまいな芸術)から着想を得て「限界まちづくり」という考え方を提案しています。

 

  「無意識的総合生産プロセス」によってまちの公共財を供給する営み。

   各人がやりたいことをやったら、総合的に他人ためになる関係性をいう。

 

です。

 

私たちが生活者としてする、何気ない身のこなし「ふるまい」が誰でも使える公共財としてまちに影響をもたらす。

あいさつや習慣などもふるまいに当たります。

また近年あるふるまいからの生まれた生産物として、スマホのGPSからの行動履歴があります。

 

限界まちづくサイクル

①まちの溜めの発生

 チームワーク、みんなの知恵

 

②心理的安心感

 

③集団アウトプットに正の影響

 

④アウトプット向上

 

①に戻る

 

ダニエル・キムさんが考えた「組織の成功循環モデルからの引用です。

結果が欲しいと強烈に望んでいる人はいっぱいいますよね。

 

①結果の質

 

②関係の質

 

③思考の質

 

④行動の質

 

①に戻る

 

結果の質ばっかりに目がいっていませんでしたか?

 

この本の結論

限界まちづくりというまちを形作る仕組みを理解して、まちに共有の公共財を作る。

自己犠牲に頼らない、自己実現主導の活動でコミュニティーを作り出す。