食卓に、メモのようなものが無造作に置いてあったので、もういらないものなら捨てようと、内容を確認したところ…


次男あてのお手紙だったようで、『いつもやさしくしてくれてありがとう。またいっしょにあそんでね』と、幼い文字で書かれており、最後に❤好き❤と書かれていた!



キャー!!!


これは、正真正銘のラブレターではないか!

差出人は、隣のクラスの女の子で、そういえば、バレンタインに、その子からチョコレートをもらったと言っていた。

おそらく、それに添えられていた手紙なのだろう。

彼女からは、去年もバレンタインにチョコレートをもらってきていた。


こんなとき、母の心情としては、どういったものが正解なのだろうか。かわいい息子をとられそうで、ジェラシーを感じるものなのだろうか。

私は、我が子を好きになってくれてありがとうと、とても嬉しい気持ちになったのだが。


クラスが違うにもかかわらず、毎年チョコレートをくれる一途さと、ストレートな『好き』の表現がいじらしいと思う。


さらに、あんなに鈍そうな息子に告白するなんて、勇気 がいっただろうな、おそらく、何ら気の利いた返事もしていないだろうな、せめて、無碍な扱いだけはしないでほしいなという、明らかな、相手の女の子目線の感情に満たされているのだが、いいのだろうか。


次男は、これも含めて三つチョコレートをもらってきたのだが、一方で、長男は一つももらえなかったと、おちこんでいた。

そこで、来年は一つでももらえるようにと、長男に、スポーツや楽器をすすめたり、男の子のモテ髪を研究したり、ニキビの薬を買ってきたりして、本人以上に闘志を激しく燃やしている私の方向性は、やはり間違っているかもしれない。


母心は、とても複雑なのである!!