今まで、なんでも食べていた息子が、最近あまり食べなくなった。
というより、大人のものばかり食べるようになった。
怒られるのが分かっているのか、ちょっと油断したすきに、人のお皿から食べ物をつまむと、一目散に隣の部屋にかけこんで、隠れるようにして食べている。お前はリスか。
料理の途中で、あれ、今盛りつけている途中の煮物がない、と思ったら、テーブルの下から、手だけだして、次の獲物を狙っていることもあった。お前はネコか。
そして、味のあるものを覚えてしまい、味のない自分の離乳食を食べなくなった。
そこで、今更ながら、必死になって離乳食の本やネットで勉強して、トマト煮込みや、あんかけにするなど工夫をしたら、また食べるようになり、とても嬉しい。
大したものは作っていないが、料理嫌いの私にしては、がんばっている。
思えば、一人暮らしの頃は、料理をするくらいなら、空腹を紛らわす方法を身につけた方がよいと思っていた。
そして、納豆さえ食べておけば栄養もあるしいいだろうと、毎食納豆ご飯ばかり食べていた。
それにプラスして、きゅうり丸一本に、マヨネーズをかけて、ツナ缶を缶のままつまむのが、ご馳走だった。
こんな私が、結婚して、三食主人と自分のご飯をつくり、調理師免許をとって、お客様のお食事をつくり、離乳食も作っているのだから、人間やればできるものだ。
でも、なかなか料理が楽しいという境地にはいけないなあ。私にとっては、今でも納豆ご飯とツナマヨきゅうりが、最高のご馳走である。