春 その棘の先についた真っ赤な血 僕はまっすぐに見つめることが出来ない 少女が手にしていた玩具を放り投げた 波がそれをさらっていく前に 君がそっと少女を抱きしめてやれ 風はいつのまにか 晩春の気だるさをふくんでいる