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僕が今、洋楽で一番好きなアーティストは?ときかれたら、「ブライアン・アダムス」と答えます。今から約13年ほど前、僕はブライアン・アダムスの音楽を好きになりました。初めて買ったアルバムはベスト盤「SO FAR SO GOOD」。その単純明快でわかりやすいロックナンバーと、メロディアスなバラードに僕は惹かれました。

だいたい僕はマニアックなロックより、ブライアン・アダムスやボン・ジョヴィのようなわかりやすいロックを車に流す方が好きでした。洋楽好きな人にたまに「健康的すぎる」とか「幼稚なロック」と言われたりするけれど、少なくとも洋楽をあまり聴かないような女の子などを横に乗せた時は、概して評判がいい(笑)。きっと聴きやすいからだと思います。
まあ、ヒップホップ等の今時のはやりの音楽からすればずれているのかもしれないけれど、別に僕はそんな事は気にしない。好きなものは好きなのです。

とはいうものの、そんなブライアン・アダムスに全くといっていいほど興味がなかった時期があります。ちょうど「on a day like today」が発売され、それを買った時くらい。僕はそのアルバムをひと聴きして、全然いいと思わなかった。それ以降、このアルバムはずっと押入れの中にしまってあったような気がします。

それからしばらくして、2000年のおわりぐらいだったろうか、NHKの衛星放送でブライアン・アダムスの武道館公演が放送されました。ほとんど興味はなかったけれど、一応録っておいた。そしてその中の「(Everything I Do) I Do It For You」を観た時、妙に感動してしまいました。この曲のオリジナルは壮大なラブソング、といった感じなのだけれど、このライブでのアレンジは、ギターでの引き語りスタイルで、それはまるで『想いの届かぬ相手をなおも想い続ける、自分自身への鎮魂歌』のように僕には映りました。ギター1本でこの曲を切々と唄うブライアンの姿が、妙に哀愁があり、たまらなく心に染み入ったのです。それはたぶん、当時僕が大きな失恋をしていた真っ只中だったせいもあるかもしれません。
とにかくそれ以来、僕はこの曲がたまらなく好きになりました。この武道館バージョンを録音したものをいつも持ち歩いていました。

そして再び「on a day like today」 を聴いた時、いい曲が一杯あるのに気づきました。それから、ブライアン・アダムスの音楽を再び好きになりはじめました。でも、決定的に好きになったのはその後。その瞬間は今でもはっきり憶えています。
それは、ブライアン・アダムスが手がけたアニメ映画のサントラ「SPIRIT」が発売された時です。実のところ、このアルバムには僕はそんなに期待していませんでした。というのは、このアルバムはほとんどがブライアンの楽曲だったとはいえ、彼の正式なオリジナルアルバムではなかったから。まあ、1曲くらい良いのがあればいいな、くらいの気持ちでそのアルバムを聴き始めました。
それが、、、一曲目から背筋に電流が走った(ような気がする)。このアルバムこそ僕が待ち望んでいたもの・・・。すべての楽曲を聴き終わったとき、僕はそう感じました。ロッカーとしてのブライアンを愛聴している往年のファンの方々にとっては、物足りなかったかもしれません。何故ならこのアルバムは全体的に暗い雰囲気に包まれていて、彼の真骨頂といえる『解放的で元気なロック』は期待できないから。
 

でも僕はそもそも、根暗な性格。暗いアルバムでも大歓迎だ。雰囲気だけでなく、歌詞も内省的ではあるけれど、これまでのような単調なラブソングが並んでるわけではない。この映画の主人公に気持ちを重ねた部分もあるでしょうが、彼自身の苦悩を詠っている部分もあるような気がします。そう、今までになく「哀愁」がある。編曲もシンプルで、メロディラインの美しさがより際立ってます。そして何より、ブライアンの哀愁漂う歌唱が素晴らしい。
とにかく僕は、このアルバムを聴かない日はないというくらい、その後もこのアルバムを愛聴したものです。

その翌年、前述の武道館公演映像がDVD化されました。なんでもブライアン側がその映像をえらく気に入り、NHKからその映像を買い取ったそう。なんにしても僕にとってはこの上なく嬉しいニュースでした。なぜなら僕のそのビデオ映像には、「(Everything I Do) I Do It For You」の間奏部分から、手違いで映画『エイリアン』が被さってしまっていたから(笑)。取り返しのつかないことをしてしまったと半ば諦めていた所だっただけに、このニュースを知った時は、空に向かって叫びたいほど嬉しかった!(オーバーじゃなく、です。)

そのまた翌年の2004年、ついにブライアン・アダムスの待望のオリジナル・ニューアルバムが発売されました。「Room Service」です。トータル40分ほどですが、こちらはうって変わって彼らしいロックアルバムとなりました。僕は「SPIRIT」で満足しきっていたため、今度も過度に期待はしていませんでしたが、一曲目でまた背中に“電流が走った”。(そればっか。)
全部聴き終わったとき、「やっぱブライアンはロックもいいなぁ」って思いました。そして翌年、僕にとっては初めての彼の生ライブを、やっと観ることができたのです。

そして、、、今に至る。
 

 

 

長文失礼しました。