知人(アイヤー・ダイ氏以下ダイさん)に呼ばれ、手伝って欲しいというので、東京中野区にある古民家を訪ねた。
ダイさんは、自分でプロデュースしてこしらえた映像を複数のメディアに配信するのを生業としている。


突然ですが…

大林宣彦監督がその豊かな才能が評価される前の1977年に制作した映画「ハウス」はいわゆるB級ものなのだが、今でもどこかの映画館で上映され、海外にも多くのコアなファンをもつマニアックな作品である。

ダイさんは幼少期にそれを観てショックを受けたという。

私もダイさんにDVDを借りて鑑賞してみた。

CG技術が一般的でないその当時にして、様々な映像表現を監督自身が楽しんでいるかのように感じられた。

南田洋子、檀ふみ、池上季実子、大場久美子、笹沢左保、小林亜星、尾崎紀世彦、ゴダイゴなどなど、俳優、音楽人、文化人が入り乱れるごった煮的バラエティ、ホラーコメディ作品だというのが私的評価であった。

しかし、これだけロングランが続き、近年は外国を中心にして再評価されてきているという話を初めて聞き、単なるお遊び的映画に留まらない、大林宣彦監督の大林宣彦たる理由が何かあるのだろうと最近になって思い直すようになった。

少女たちを食べる化け物屋敷に訪れる少女役を演じた女優にスポットを当て、当時の撮影秘話などを語り尽くしてもらい、「ハウス」が再評価される所以をあぶり出そうとするのが知人のねらいで、何度か続いたその企画のひとつが古民家での撮影だった。
旧い屋敷が舞台の中心だったから

そこにメディア関係には全くの素人で、映画内容も完全に把握していない私が参加したわけである。

ダイさんは「ハウス対談」企画は今回で最後にすると話しているのを聴いたが、完璧完成の高みを目指すべく更なる企画を検討中のこと。
内容充実につき乞うご期待と話していた。

今回は「愛と誠」で有名な歌手兼女優の松原愛さん(映画の役どころは愛称ガリ)と女優の神保美喜さん(同クンフー役)、サプライズゲストとして女優の鰐淵晴子さんが出演された。
※池上季実子と大場久美子さんは他の仕事の都合で来られなかった。

※中央が名監督兼プロデューサーのアイヤー・ダイ氏

それで私は何をしたかというとお茶出ししたり接待したりなどのいわゆる小間使い。

一日がかりのお手伝いだった(大したことはやってはいない)。


その対談番組については、後日ユーチューブなどで配信される予定。


その後、反省会(打ち上げというのか)を吉祥寺の聘珍樓でやるというので、せっかくの機会、それこそ一期一会なので同席させていただくことにした。
神保さんは残念ながら欠席

松原愛さんはとても気さくな方で、会ってすぐに親近感が持てた。
日本製のスポーツタイプの車をご自身で運転して来られ、元気溌剌とした印象だった。
私と同年代なので文化カルチャーなどで話が合い、楽しくお話をすることができた。
北海道生まれで旭川の親善大使を務められていたり、ご自身の作品をご自分で販売運営に乗り出すなどますます盛んにご活躍されている様子であった。
その活力を見習いたいと思った。

鰐淵さんとは隣席で親しくお話をすることができた。
会う前から大女優のオーラを感じていたので、緊張気味に接見したが、物腰が柔らかな方で優しさと気品とが同居しているような感じの人でいっぺんに好きになった。
穏やかな口調で話すのも親しみをもって受け入れられた。
女優業の話などを根掘り葉掘り聞こうとは全く考えていなくて、普通の世間話ができればいいなあと思っていた。
実際、今話題になっていることをネタに意見交換、情報交換が自然にできてすごく楽しかった。
それでも、悩みや心苦しく思っていることがあることを吐露され、意外性を感じた。

話をしていて、女優であれ、会社員であれ、何であれ人が生きていくのは簡単なことではないことを再認識した。
それぞれが一生懸命生きてきて今に至っているのは共通していて、だから、銀幕に生きてきた人と土いじりをやってやっと生きている者でも共通した話ができたのだろうと思った。

そう話したら鰐淵さんにも納得していただいた。


人と直に会い、直接言葉が交わせるというのは貴重なことなんだと改めて思った。
それが一期一会ということか。



今月は旧人、新人と様々出会いがあった。

どんな立場の人であれ、一期一会を大事にしていきたい。


追記:

松原愛さんは当ブログをままで開設しています。
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