次期ヘッドホンを購入し、2週間ほど使ってみたのでレビューを書いてみようと思います。

購入したのはBowers & Wilkins(以下B&W) のPx7 S2 という機種。価格はAmazonで55,000円となっており、ミドルハイエンドクラスのヘッドホンとなります。

「出典:Bowers & Wilkins ホームページより引用」

B&Wはイギリスのメーカーで、ヘッドホンに限らずオーディオ機器全般を製造しています。

特に有名なのは、上のノーチラスというスピーカー。価格はペアで15,400,000円(桁は間違っていません…)、受注生産で納期はおよそ24ヶ月と、贅の限りを尽くしたスピーカーです。

コレの恐ろしいところは音楽イベント用途では無く、あくまで個人宅向けだという事。

リスニングルームに一部屋使える前提ならば、8畳もあれば違和感無く設置出来るくらいのサイズ感です。

B&Wはこの世に存在する、究極のスピーカーの一つを製造しているメーカーと言えます。

そんなメーカーが作ったヘッドホン。否が応にも期待が高まります。

①質感とデザイン

厳重な梱包を解くと、本体がハードケースに収まった状態で入っています。

この価格帯でハードケースなのは嬉しいですね。B&Oの H9 3rd GENは布袋だったので、この時点で感動しました。

しかもこのハードケース、律儀にも本体カラーによって色が変わります。このカラーのハードケースはブラックにしか付属しません。芸が細かい…

ケースを開けると、内装は清潔感のあるホワイトでした。きっちりと本体が収まっています。

ケース内は起毛仕上げ。保護性能はもちろん、質感も高いです。

出っ張っている部分は収納になっています。充電用と有線接続用のケーブルが収まっていました。

この蓋はマグネット式で、パカパカ開いてしまう事はありません。付属品ながらクオリティに妥協はありませんね。

他の付属品は保証書と簡易的な説明書。上質な紙が使われており、こちらも申し分ありません。

そして、いよいよ本体ですね。

カラーは希望通りのブラック。良い感じです。

使用する前に、細部の質感を見てみます。

メーカーロゴがプリントされた楕円形のパーツはメタル製。その外側はファブリックが貼られています。

ファブリックは防汚のコーティングが施されており、耐久性は高そうです。

ヘッドバンドは外側がファブリック、内側がレザーとなっています。

レザーは合皮っぽい質感ですが、詳細は分かりません。

イヤーパッドも合皮っぽい質感。使用開始からしばらく科学的な匂いが出ていたので、間違い無いと思います。

B&Oが本革を採用していたのと対照的ですが、触感としての質感は大差ありませんでした。お手入れがラクと考えれば、合皮も悪い選択ではありません。

一つ残念だと思ったのが、アーム部分。

樹脂に塗装の仕上げとなっており質感自体は高いのですが、経年劣化で軋み音が出ないか少し心配です。

全体的に質感は必要にして十分と言った印象で、この上を知らなければ非常に満足出来る仕上がりとなっています。

「出典:Bowers & Wilkins ホームページより引用」

「この上」とはB&WのフラッグシップヘッドホンであるPx8の事。

パッと見はPx7 S2とほとんど同じですが、こちらの外装はメタルとレザーが殆どで、勿論アーム部分もメタル。恐ろしく質感が高いです。

まぁ倍近いお値段なので、当然と言えば当然ですが…いつか手に入れたい。

B&Wのヘッドホンは「アングル」をコンセプトの一つとしているみたいです。ヘッドバンドとドライブ部に角度が付いていました。おそらく人間工学面でコレがベストという判断をしたのでしょう。

楕円形の形状と併せて、このデザインが非常に良い…私がヘッドホンを楽しむのは、休日の場合ベッドの上が多いです。頭を枕に横たえてもヘッドホンと枕が接触し難いので、使っていて非常に快適です。

B&Oは角度ナシで、真っ直ぐ繋がっています。

オーソドックスな形状ですが、今思えばゴロ寝しながら使うには最適とは言えません。

イヤーパッド内のドライブ部にもアングルが設けられています。

先代型であるPx7の12°から15.4°に増やされたこのアングルは、ボディ幅の拡大よりも音質を優先した設計です。

私が購入したPx7 S2は先代型があるPx7のマイナーチェンジ版と思われていまいがちですが、このたった3.4°の為に大部分が再設計されたそうです。

動画の方が分かり易いですかね。

Px7を視聴した事はありませんが、メーカーは「大部分が再設計になっても、この3.4°にはそれだけの価値がある」と判断したのでしょう。

デザインと質感はこのくらいですね。次は操作系に移ります。

②操作系

Px7 S2は操作系が全て物理ボタンになっています。

左側がノイキャンのオンオフと外音取り込みの切り替え。右側が上から電源、音量アップ、再生停止、音量ダウンでした。再生停止のボタンは押す回数でトラック送りとトラック戻しも行えます。

今回の更新で、「全ての操作が物理スイッチ」というのが決め手の一つになりました。

B&Oは右側にタッチ式スイッチが採用されており、この部分をなぞったり押したりする事で再生停止、音量調整、トラック送りとトラック戻し、ノイキャンのオンオフを操作出来ます。

B&Wだと4つの物理スイッチで行う操作がタッチ式に集約され一見スマートなのですが、前述の通りベッドで使う時に枕がスイッチに触れてしまい、勝手に停止してしまう事が多かったのですよね…

B&Wの専用アプリを使う事で、操作系は若干のカスタマイズが可能です。

B&Oに無かった機能としては「装着センサー」が挙げられます。ヘッドホンを外すと自動的に再生を停止する機能ですね。

工場出荷状態ではオフになっている機能なので、購入された方は是非試してみて下さい。

イコライザーも簡易的ながらアプリから調整可能です。

私のオススメは低音はフラットで高音が＋1.0。これだけで全体的な華やかさが増します。

ヘッドホン内部のOSアップデートもこのアプリから行えます。

とうとうヘッドホンもここまで来たか…購入後に機能が拡張されるのは地味に凄い事です。

操作系は以上ですね。次はいよいよ音質についてとなります。

③音質

いよいよ音質について。

やはりB&Oと比較して、低音の伸びが全然違います。

このヘッドホンの真価が発揮され易いのは、オーケストラやジャズですかね。

コントラバスやファゴット、チューバ等の低音系が前面に出て、B&Oではスポイルされていた音域を楽しめます。

バスが元気に鳴ると、HIP HOPも俄然活きてきます。

男性ボーカルの力強さが増し、かと言って刺さるような雑音が少ないので聴き心地は良好です。

ただ、女性ボーカル＋ギターの楽曲だとやはりB&Oに軍配が上がりますね。ボーカルがやや掠れたような印象です。

現状でほぼ新品の状態なのでエイジングでどこまで良くなるか、使用しながら確かめてみようと思います。

ピアノソロは、やはり低音の深みが出た事で素晴らしい音質になっています。高音域もそれほどアラが目立つ印象はありません。

極高音が刺さり気味な印象はありますが、比較対象がB&Oなので多くの方は違和感を感じないと思います。

レビューは以上となります。

総括として、特定の音域に強い拘りが無くミドルハイエンドのワイヤレスヘッドホンを探している方になら、「もう黙ってコレ買っとけ！絶対損しないから！」と言い切れるクオリティですね。

似た価格帯のヘッドホンを9機種、全て20分くらいかけて試聴した私の意見です。私の好みが多分に含まれていますが、自信を持ってオススメ出来ます。

バウワースアンドウィルキンス Bowers & Wilkins オーバーイヤーノイズキャンセリングワイヤレスヘッドホンブルー B&W Px7S2/BU

Amazon（アマゾン）

最後に私の太鼓判、アフィリエイト広告を貼らせて頂きます。

高価な買い物かつ好みが人によってハッキリ出る商品なので、可能なら購入前に試聴される事をオススメします。しかし、私の意見は前述の通りですね。きっと損はしません。

逆に「同価格帯の〇〇の方が良かったぞ！」という方がいらっしゃったら、是非教えて欲しいです。4年後くらいにその〇〇の後継機種、候補に入れたいので…

Bowers & Wilkins Px7 S2