タイトルの通り、愛車であるMT-01の次期タイヤが決定しました。

この記事では備忘録も兼ねて、私のMT-01のタイヤ遍歴を振り返った上で次期タイヤの事を書こうと思います。




最初のタイヤはメッツラーのMEZ4。

MT-01の純正装着タイヤですね。とは言っても、私がこのタイヤで走った事は一切ありません。購入した店舗で装着されていたタイヤなのですが、納車整備で交換してしまったのですよね。




走っていないタイヤを鮮明に覚えている理由は、このタイヤが購入の決め手の一つになったから。

私がMT-01のオーナーになったのは2020年で、走行距離2,650kmの個体でした。普通に考えて14年前のバイクが3千kmも走っていないのは怪しさ満点です。私も当初は「実走行では無いのでは?」と疑っていました。




その疑念を晴らしてくれたのがこのタイヤです。

タイヤに刻印された製造年月は2005年の第6週。つまり新車製造時のタイヤがそのまま装着されていました。




新車装着タイヤがバリ山だった事から「この個体は実走行である」と判断し、結果的に購入に至りました。

このタイヤがもしリプレイスされていたならば、私は購入に踏み切らなかったかも知れません。そういった意味では走りこそしなかったものの、とても印象に残るタイヤでした。




次のタイヤはブリヂストンのBATTLAX TS100。

ツーリングタイヤとスポーツタイヤの中間のような性格のタイヤとなります。前述の通り納車整備時に交換したので、コレが私がMT-01で初めて走ったタイヤですね。




こちらの写真はMT-01で初めてワインディングを走った時のもの。

重量級の車体と鬼トルクにビビり、あまりバンクさせる事が出来なかったのを覚えています。前愛車のXSR900より重心が高く感じ、最初の頃は大人しく走っていました。




TS100の総評としては、「オールラウンダーながらライフが短めなタイヤ」となります。

半年も経つ頃にはワインディングを楽しめるくらいになっていました。ツーリングにもワインディングにもある程度の適性を示し、圧倒的なグリップとまではいきませんが楽しめるレベルを確保しています。




そんなTS100ですが距離にして8千km、期間にして1年と3ヶ月で次のタイヤへバトンタッチとなりました。

個人的に、このタイヤはキャラクターから想像するよりライフが短かったですね。MT-01が重いのもあるとは思いますが、不慣れで大人しい運転をしていたにも関わらず8千kmの寿命はちょっと短い気がしました。




次のタイヤは今も履いているダンロップのロードスマートⅣです。

ライフを重視してスポーツタイヤからツーリングタイヤへの変更となりました。




銘柄に拘りは無く、単純に当時セールで安くなっていたので選んだと記憶しています。

費用は工賃込みで57,029円でした。



ツーリングタイヤらしく多めに溝が刻まれており、ウェット路面で怖い思いをした事は今に至るまで一度もありません。

今も履いているロードスマートⅣですが、実は前後とも1度ずつ交換しています。交換タイミングの都合で同銘柄を選んだ感じですね。




先に交換したのはリア。

クギがブッ刺さりました。交換から5千kmも走っていなかったのですが、泣く泣く交換…




フロントは去年、北海道旅行の直前に交換しました。

スリップサインまであと少し残っていたのですが、不安要素が残ったまま北海道に行きたくなかったので少し早いタイミングでの交換となっています。




ロードスマートⅣの総評ですが、「良くも悪くも寡黙なタイヤ」となります。

インフォメーションが薄めで、バンクさせた際もタイヤが潰れる感覚が希薄。最初はこのフィーリングが少し怖いと感じました。タイヤと対話が出来ない、とでも表すような感覚ですね。




ただ、距離を重ねた今はそれがメリットにもなり得ると感じています。

「インフォメーションが薄い」では無く「限界付近に至るまでライダーにタイヤを意識させない」という意図があるような気がします。




ツーリングタイヤの長所はロングライフ、耐候性、疲労低減の3つだと思います。

この中の「疲労低減」を実現する為に、ダンロップは意図的にインフォメーションが薄くなるよう設計したのでは無いのかな?実際に殆どの場面でこのタイヤは黒子に徹し、安定したグリップを淡々と発揮し続ける印象でした。




ワインディングを走ると手応えこそ薄いものの、ツーリングタイヤとしては過不足の無いグリップを発揮するのでそれほど不安感はありません。

タイヤから「ホントにヤバくなったら警告はするから、それまでは楽しんで走ってね〜」と言われているような感じですかね。ツーリングタイヤの中でも、特に疲れ難いタイヤだと思います。




そんなロードスマートⅣですが、2セットで2万km以上を走破し、次期タイヤへのバトンタッチとなります。ここまで来てようやく次期タイヤの話ですね。




前述の通りロードスマートⅣは良いタイヤなのですが、その前提には「ライフ最優先で走りの楽しさは二の次」という考えがありました。

グリップはツーリングタイヤの範疇に収まるもので、前述した手応えの面からもワインディングをヒラヒラと走る楽しさは薄いものとなっています。




以前は都心で暮らしていた事もありバイク以外の移動手段に乏しく(私は電車が嫌い…)、買い物や帰省にもMT-01が活躍していました。

必然的に走行距離が伸びがちで、この事からライフの長いツーリングタイヤを選択していましたが今は状況が変わっています。




今はアリオンが手元にあります。

引っ越しから4ヶ月以上が経過しましたが、その間に野尻湖釣行2回と帰省4回をこなしました。




他にも細々と活躍しているので、MT-01の走行距離はこの4ヶ月で2千km以上セーブされています。

単純計算ながら年間で考えると6千km以上、MT-01は走行距離が減る計算になります。




まだ未実施ですがキャンプや旅行も天候や距離、積載物に応じてアリオンで対応可能です。

つまりMT-01は今後、大幅に活躍の機会を減らしていきます。前向きに考えれば、つまらない用事にMT-01を繰り出して消耗してしまうのを避けられる訳です。




「消耗」の中には当然タイヤも含まれます。これまでは激しい消耗に備えてライフの長いツーリングタイヤを選んでいましたが、今後その必要はありません。

ならばライフよりもグリップが欲しい。というわけで次期タイヤの選定です。


公道用のバイクのタイヤはグリップの強い順に

①セミレーシング

②ハイグリップ

③スポーツ

④ツーリング

に分かれます。今は最もグリップが弱いツーリングタイヤなので、狙うのは必然的にスポーツ以上のカテゴリーとなります。



「出典:Pirelli ホームページより引用」

セミレーシングはサーキットが主戦場のタイヤ。圧倒的なドライグリップと引き換えに、それ以外の性能は最低限となるクセの強いタイヤでもあります。




留意すべきなのは、温度依存性が非常に高い(タイヤが冷えていると全然グリップしない)事。冬は走行自体に一定のリスクが伴います。溝も申し訳程度にしか入っていないのでウェット性能はお察し…

ライフもサーキット使用で500〜1,500km、公道使用で5,000km保てば御の字と言ったところ。コスパという面では最悪レベルです。それらの全てを飲み込んだ先に圧倒的な走行性能があるのは分かっていますが…




以前ピレリのスパコルでワインディングを走った事があるのですが、そのグリップは圧倒的の一言。旋回力がツーリングタイヤの比ではありません。路面に張り付く感覚とは良く言ったものです。

しかし雨が降った次の日というシチュエーションだったので一部にウェット路面があり、浅い水たまりで極端にグリップが失われるのも体感しました。




借り物のバイクという事もありペースはかなり控えめに走っていたのですが、まさかあんなに滑るとは…トラコンが無かったら転倒していたかもと考えると、私にはピーキー過ぎるタイヤです。

もう少しユーザーフレンドリーなタイヤが望ましいですね。




「出典:DUNLOP ホームページより引用」

次に検討するのはハイグリップ。こちらは俄然興味があります。温度依存性は依然高いですが、セミレーシングよりはマシなレベル。

ワインディングを気持ち良く流すくらいなら過剰なほどのグリップ力を備えますし、サーキット走行でもその性能を存分に味わえるでしょう。




私がハイグリップを味わったのは、北海道でレンタルしたカワサキのH2です。

H2の純正装着タイヤはブリヂストンのセミレーシングなのですが、レンタルした個体はダンロップのハイグリップに変更されていました。




コイツは6時間かけて走り回ったので、今でも鮮明に覚えています。

現時点までの私のバイク人生で、最も刺激的な時間だったと言い切れます。加速もさることながらコーナリングも鋭く、運転が上手くなったような気分になりました。




先日富士の2りんかんで見かけたダンロップのα-14もハイグリップタイヤ。

工賃込み6.5円弱は予算オーバーですが、手が出ない価格帯ではありません。




「出典:Pirelli ホームページより引用」

スポーツも興味のあるカテゴリー。最もメーカーや銘柄による差が出易いカテゴリーでハイグリップ寄りなスポーツタイヤや、ツーリング寄りなスポーツタイヤもあります。

公道を主眼に置いた設計がされるので温度依存性やウェットグリップもある程度考慮されており、ツーリング適性も確保されています。




前愛車であるXSR900の純正タイヤがスポーツタイヤでした。ブリヂストンのS20ですね。

初めての大型二輪ともあり当時は比較対象がありませんでしたが、今思うと私が所有したバイクで最速となる組み合わせはXSR900とS20です。




特に印象に残っているのが日本一周の前半、高知県から愛媛県に抜けるワインディングです。

一般道で1時間半くらい一度も足をつけず、ひたすらに続く川沿いのワインディングを走りました。




こちらがその日の走り終わった直後。

不鮮明ですが、アマリングが1〜2mmしかありません。今はここまでタイヤの端を使う事は無いのですが、「大型二輪免許を取得して1年経っていない素人」が、「納車されてから1年経っていないバイク」で走ってもここまで自在に扱えています。




今年は私が大型二輪免許を取得してから7年目。私の技術もタイヤの技術もその間で進歩しました。今ならツーリングタイヤでもそこそこの走りが出来ていると思います。

今MT-01にスポーツタイヤを履いたらどんな楽しみ方が出来るか、試してみたい…




そんな訳でカテゴリーとしてはハイグリップかスポーツに決定。予算を加味してある程度の候補を絞ってから近くのお店に相談しました。

このお店、当ブログにコメント頂いた方から教えて頂きました。竜一さん、ありがとうございます。




メールをメインに電話も織り交ぜつつ、私の理想のタイヤをコーディネートして頂きました。

店長さん、とても気さく且つタイヤの知識が豊富です。交換時にお会いできるかは分かりませんが、楽しみ。


そんな訳で決定した次期タイヤは…




「出典:MICHELIN ホームページより引用」

こちら。ミシュランのスポーツタイヤであるパワー5です。今年発売となったパワー6の前モデルですね。元々「今買うならコレがベスト」と考えていたのですが、お店の方も同意してくれました。

ピレリのロッソ4もお勧め頂いたのですが、価格がかなり違った為にミシュランを選んでいます。またハイグリップタイヤはセミレーシングと比較すればマシなものの温度依存性が高く、ツーリング用途としてはお勧めしづらいとの事でした。




元々私はミシュランが好き。XSR900で日本一周の後半を走ったタイヤはミシュランのロード5というツーリングタイヤでした。

このタイヤは非常に良かったと記憶しています。インフォメーションがツーリングタイヤながら豊富で、バンクさせた時の安定感はスポーツタイヤ顔負けでした。



「出典:MICHELIN ホームページより引用」

ツーリングタイヤであるロード5と比較して溝が減っていますね。ドライグリップは間違い無くロード5を超えるでしょう。




またパワー5はスポーツタイヤながら、公道に特化した作りになっています。ミシュランのスポーツタイヤはサーキット向けと公道向けの2つがラインナップされているのですが、私の使用環境では公道向けの方が適するという判断です。

ウェットグリップとドライグリップはトレードオフの関係なのですが、サーキットと違い公道は晴れの日でもドライ路面の保証はありません。




そんなパワー5ですが、事前調査では6.5万円ほどの予算と見積もっていました。

パワー5に決定した理由には価格も含まれています。高いパフォーマンスをなるべく安く手に入れたいのは皆様も同様かと。




相談したお店の価格は工賃と廃タイヤ処分料込みで58,400円。量販店と比較して5千円以上安価なのはインパクト大です。




最新のパワー6比では1.8万円ほど安価。赤帯の価格に4,950円の工賃がプラスされます。

1.8万円も違うなら、個人的に悩む必要はありません。最新タイヤも相応に魅力的ですが、私のお財布は薄っぺらいので…




作業の予約は9月の末頃としました。9月には3連休が2回あるので、現タイヤでの最後のツーリングを行ってから交換する予定です。

走りのフィーリングがどう変わるか、今から楽しみ。