下の写真は駅裏の農村集落です。
未完成も含め、作ったストラクチャーを並べただけですから、公開するのはおこがましいのですが、思い切って公開します。
農家屋敷の中には色々な建物があるもので、工作の手が遅い私は、1軒分を揃えるのに膨大な時間を要します。
摂津鉄道の坂本衛さんが、「レイアウトモデリング」に収録された記事の中で、農家の建物配置に触れてありました。坂本さんの記事はご自身の観察による労作だと思いますが、近年はインターネットのおかげで居ながらにして多くの情報を得ることができます。
農家に限らず、屋敷内の建物配置を「屋敷構え」と呼ぶそうです。論文検索サイト(ciniiなど)で「屋敷構え」を検索すると多くの論文にヒットします。ciniiの場合、フリーの立場だと購入しないと読めないものも多いですが、少数ながら閲覧可能なものがあり、それを読むだけでも十分に参考になります。
私は九州在住であり、レイアウトの舞台設定も「九州の何処か」なのですが、九州地方の農家は他地方に比べ、機能ごとに建物を分ける傾向にあるそうです。例えば、東北地方の「南部曲り家」は主屋と厩の合築ですが、九州だと合築ではなく、主屋と厩の二棟が建築されるということだろうと解釈しています。
写真手前に見える農家は、左から、たい肥小屋、主屋、納屋と並んでいますが、これでは足りず、便所と風呂を作らなければなりません。
それから、奥に見える未完成の二階家は、江戸時代の村役人の家系という想定で、屋敷構えも立派になります。現在制作中の教会が完成したら、この屋敷の長屋門に着手しようと思っています。そのためには、論文検索サイトで、いわゆる「農家型長屋門」の文献を読まねばなりません。鉄道模型趣味のなんと奥深いことでしょうか。