執念の一滴。 | ✟✟✟蠢く手記✟✟✟

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地下都市DTMの沼に溺れてしまった漢の成れの果て



YouTubeやテレビ、アニメ、ゲーム、本、映画、それらに触れて心が踊る。感動を覚える。



素敵なことだよ。



ただ、こんなことも考えてみたりする。



その快楽って、どこかの誰かが何年もかけて、いや、もう何十年も構想を練って練って、ようやく積み上げてきた夢の果てにおれたちは一喜一憂し、そして感動しているということ。



何が言いたいのかというと、、、






「誰かから与えられた楽しさ」






だということ。



これこそが大衆を幸せにするというエンタメの基本なのかもしれないけど、それが無性に虚しく感じる時があるんだ。



自分自身で行動して、己の情熱で得た感動を体験していないと、あまりにもつまらない人間になってしまうんじゃないかって。



そんなことをずっと考えているんです。



バンドがなくなり、去年の夏に-儚くも散る-で新しいお歌を復活させたおれが、同時に「蠢く柳」名義でずーーーーーーっと着手してきたリードトラックがありました。



まさに自分の情熱を滾らせて向き合った執念の一滴。



完成しそうでしない、完成したのにそこからさらに何度も頓挫して…



人が一人で生み出す情熱ってここが限界なのか?とか、何度も何度も自分に問いた。



正直、この曲のプロジェクトに触れることも嫌になってしまって、それでも呪縛のように頭によぎる。




「ここまでやってきたなら、最後まで一人でやり切れよ。」




と。



やりたくてもやれないのか、やれるのにやらないのか。



誰かのせいにするのは簡単で、



言い訳を頭で連呼しそうになる自分の弱さも沢山知って、



それでも最後は自分から逃げられないことを知る。



おれは一体どんな音楽人で在りたいのか。



この曲と向き合いながら、心に宿した芯とは何かってことを探究していた感覚なんです。



毎回毎回口にしてしまうけど、これからも曲は作るだろう。



ただ、、、



もうこんなに時間のかけた作曲は二度と、二度と、金輪際二度ーーーとしないだろうし、もうしたくない(笑)




どんなにネット社会になろうと、人間はフリックで進む文字にはまだまだついていけない。



ゆっくりでも地道に確実に、自分の触れた感覚を信じて、自分の信じた道と向き合ってどこに向かい続ける。



たった一人でこんなに時間をかけて…おれは一体何をやってるんだろうなって、そんな空虚を感じる時もあるけれど、それでもおれにはこれしかないから。



何度も挫折して、苦悩して、それでも神様は微笑んでくれない。



微笑むのは、自分が自分を一歩でも超えられた瞬間しかないんだ。



自分の行く末は、己が舵を取り、最期を迎える時にほんの少しだけ笑えていたらいいなぁ。



時は短い、何かに集中している時ほど冷酷に残酷に過ぎ去る。



ようやく完成した蠢くリードトラック。



過去があったからこそ、そこを超えたかった。



自分自身が心の底からカッコ良いと思えるまで追い求めた究極。



いつかこの曲をライブでやると妄想すると、何だか泣きそうになっちゃうな。



おれの生き様が音と言葉になり、この一曲に全て詰まっています。



6月12日(土)に生歌配信で公開するよ。



こんな音楽人がいるってこと、キミに知ってほしい。



そしてキミに広めてもらえたなら、これ以上の幸せはない。



ここから始めよう。



ここからまた始めよう。