リーダーは、半歩前を歩け
最近一番好きな学者さん 東大教授の姜 尚中(Kang Sang-Jung)の
「リーダーは、半歩前を歩けー金大中というヒント」(集英社新書)を読んで感銘を受けました。
まさに、この「半歩前」と言うのがポイント。
時代は、「情報化とソフトパワーの時代」
それは一言で言うと、リーダーシップが発揮しにくい社会。リーダーがフォロワーを動員して、共同の目標を達成する事が成り立ちにくい社会。
情報化が進んで「個人」が成熟してくると、アイデンティティーが多元化し、分散していく。アイデンティティーが分散すると、人々は、共同幻想を抱きにくくなる。
共同幻想が抱きにくい状態とは、国民国家や企業組織といったものへの帰属意識が希薄になった状態、阻止に対する忠誠心とか求心力といったものが揺らいだ状態。
アイデンティティーが分散している以上、一つの目標に向けてすべての人を動員するのは難しい。
だからこそ、微妙に行きつ戻りつし、人々の文脈を読みながら、柔軟にリーダーシップを発揮していくのがベストだと言う事になる。
半歩前である事で、現実的、ある意味庶民的、急進的に進んで行こうとしない「保守的な」ところも併せ持つことで、「持続する可能性」を求める。
今求められているのは、「カリスマ」ではない。10歩前をいく人ではなく、「半歩前」、必要なのは、超人的なパワーではなく、周囲とわずかに前後しながら、人々を引っ張っていくようなリーダーであると実感します。
優秀な革命家が成功しないのは、、先に行き過ぎるから。先に行き過ぎてもダメだし、みんなと横並びでもダメ。
そんな金 大中さんの考え方がすごく勉強になりました。
その本の最後に書いてあった。
スケールの大小を問わず、「リーダーは、歴史と勝負しなければいけない」
「半歩前」と言う言葉と同じぐらい胸にしみました。
リーダーとして、歴史に勝負を仕掛けてみたいと思います。