このエピソードのラスト3分間、Lubyファンとしては外せない。

Luka: ...Mad about something?
Abby: (angrily) What do you think?
Luka: Yes. But I didn't need to go to the debriefing-
Abby: Yeah, I don't care about that!
Luka: What are you talking about?
Abby: I'm talking about you and Clemente! And... whatever is going on between the two of you! If you want to get into a pissing match with him, that's fine, just leave me out of it!
Luka: He was wrong!
Abby:...And that's the most important thing, isn't it? He was wrong, and you were right. (pause, tearfully) And while you were arguing about it, the little girl died. As if she hadn't suffered enough. (pause, Luka stares at her) God, she was ten years old, Luka! And he had her for months! And, I just... I just cant-stop-thinking about what she must have gone through, and how afraid she must have been... and I can't stop thinking about why we couldn't save her! I just...

[She breaks off. Luka watches for a moment, then approaches, takes Abby's face in his hands, and kisses her.]


Luka: ...怒ってる?
Abby: (angrily) どう思う?
Luka: 報告会には行きたくなかったんだ
Abby: そんなことじゃない!
Luka: 何の話?
Abby: あなたとクラメンテ、何がどうなってるのか知らないけど、 下らない喧嘩がしたいんだったら勝手にどうぞ、私を巻き込まないで!
Luka: あいつが間違ってたんだ!
Abby:...そこがあなたにとって重要なのね。彼が間違ってて、あなたが正しかったことが。(pause, tearfully) それを主張してる間に少女は死んだ。散々辛い目にあってきただろうに。 (pause, Luka stares at her) たった10歳だったのよ、ルカ。何ヶ月も捕らえられて。ずっと考えるのよ、彼女はどんな仕打ちを受けたんだろう、どんなに怖い思いをしたんだろうって、そしてなんで私たちは彼女を助けられなかったんだろう…



https://youtu.be/HACY0ihH1Uk
彼女の別の監督エピソード、Be Still My Heartのラスト、カーターとルーシーのシーンにも共通して思ったこと、役者の表情、視線に物語りを任せるのが上手。
役者ならではの演出か。インタビューでBe Still My Heartのあのシーンは念入りに相談して、かなりこだわって撮影したという話をNoahがしてた。きっとこのシーンもこだわりがあったはず。

アビーが感極まって涙を流してしまう。Mauraのインタビューで、アビーを演じる時は意識的に人の前で泣く演技は控えているという話があった。子供時代から苦労してきた人は強がりで、弱いところを見せても助けてもらえないという諦めがあるから、人前で簡単に泣く人は少ないとか。
そんなアビーが、心が折れて泣いてしまう。何ヶ月も誘拐犯に連れ回され、乱暴された少女がHuman Shieldにされ運び込まれた。その横でルカとクラメンテは治療方針の違いで大喧嘩、あげく少女は死亡。
ルカに対して怒る気持ちも事実。こんな行動してガッカリだと。でも信頼できる友人として、感情をぶつけに彼のアパートに来たんだろう。証拠に、喧嘩相手のクラメンテには少女の死後、感情的にならず逆に彼を慰めている。クラメンテには、落ち込んだところを見せるほど心を許していないのだ。
ルカとアビーは3年前恋人同士だったけど、当時はお互い惹かれあっていたものの心の距離は開いていた。ルカは戦死した家族のトラウマが、アビーは家族問題と離婚問題が壁を作っていたのだ。Dance We Do のラストで、アビーはルカに隠れてトイレで泣いていた。
友人としてこの3年間で築いた信頼関係があって初めて成立したシーン。
何年も2人の復縁を望んでいた視聴者的には、泣きたくなるくらい胸にくるシーンなのだ。
かたやルカは司教との出来事以降はアビーときちんと向き合い、支えていきたいという気持ちが芽生えたようだったけど、彼女は心を許してくれなかった。
そんな彼女が目の前で泣いている。
慰めたくてルカはアビーに近寄り、思わずキスをしたんだろう。やっと。
MauraとGoranの演技が、いつも通り素晴らしい。20秒間、セリフもない、BGMもない、吐息と視線と表情だけで2人の心を見せてくれた。こんなにもロマンチックなシーン、他にないんじゃないかと思う。


別れている間の3年間でお互い別の恋人を作り、2人は仲の良い友達になった。「別れたらハイおしまい」な他の作品内のカップル達と違って、常にお互いを思い合うシーンが随所に散りばめられていた。
突然のように見えて、長い間見守ってきた視聴者としては全然納得できる展開だ。