先月末に完了検査を終え、その後は施主・あべまりえ先生ご夫妻によってDIY仕上工事が進められていた「スタジオ小屋」。室内の施工が一段落したため、今日は照明器具やスイッチ・コンセント類の取付がおこなわれました。

 

柱など木部は水性ペイント、そして白い壁はローラー漆喰塗りです。これをお施主様ご自身が施工されるのは大変だったと思いますが、でもその作業自体をじっくり楽しんでおられ、器具付けはしばし「待ち」だったんですね。

 

 

そして今日、写真のように器具設置が完了。不思議なもので、照明が付くと一気に「暮らし」が見えてくる感じがしますね。今回は器具選定でも、まりえ先生と共にそのセレクトをじっくりと楽しめたので、今日はそのことを。

 

まずはどこにどんな光が欲しいかを話し合い、そしてどの器具をどこで点灯・消灯するかスイッチ位置を決めました。それから器具を選びましたが、これもコイズミのショールームを訪問して実物の大きさ、質感などチェック。

 

その上で、コイズミ等大手メーカー品で採用するものと、ネット上にあるもう少し(レトロなどの)雰囲気あるタイプでいくものとを分け、私はメーカー品の発注をし、先生の方では「雰囲気照明」を物色していただきました。

 

ちなみに上の写真にある3つの器具では、右上の四角いのと右下のはメーカー品、左の器具はまりえ先生セレクトのモノ。でもこう書かないとわからないくらい、違和感ないですよね?その秘密が今日のお題「光の質感」です。

 

私が思うに、照明の「光の質感」には3つの要因があります。まずは「光の色」。電球色と言うオレンジ色から、蛍光色と呼ばれる青白い光まで、4種類ほど選べます。でも写真のようなポイントの器具は電球色がいいですね。

 

次に「光の位置」。ペンダントという吊り下げの器具なら床からどれくらいの高さが効果的か。ブラケットという壁付の器具なら天井や窓との位置関係はどうか。それによって光の効果や雰囲気はずいぶん違ってくるんですよ。

 

そして最後にランプ自体やシェード等の素材です。写真にある器具はすべてガラスシェードのタイプで、これがアクリル等の合成樹脂だとその質感は大きく損なわれてしまう。吊下げ線なども同様、モノによって違いが出ます。

 

上記はあくまで私の考えですが、今回の計画ではその「光の質感」の3原則についての考え方や選択肢について、施主であるまりえ先生との共感がしっかりと出来ている、そうずっと感じていたんです。それが今日具現化した。

 

なので私としても感慨深いものがあります。無垢材や漆喰、和紙などの自然素材をながく扱ってきた私には特に「素材の質感」のバランスが大事で、そこを理解し共感してもらえて形になった灯りは、まさに納得の出来栄え。

 

私は日中だけでしたが、お施主様は今夜、また昼間とは違う楽しみを満喫されることでしょう。一応プロですので夜の雰囲気も想像できますけれど、近い将来の竣工時には、私も光の質感を味わいにまたお伺いするつもりです。

 

via やまぐち空間計画
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