今日も14キロ歩いたようなので足が悲鳴をあげていますが『逆転裁判4』について語っていくよ。前回の続きなので当然ながらネタバレはしっかりあります。ご容赦をば。

 

 

⑤コーヒーが届き、口をつける頃切手に塗られていた遅効性の毒によりどぶろくが死亡。

 

 切手の糊の面に付着したアトロキニーネが7年越しに計画通り作用したあと、投函の済んだどぶろくは葉見垣をアトリエ内に迎え入れます。私の見解では葉見垣と同時に成歩堂もアトリエに来ていたというのは以前より語っていた通り。それにより変わる前提があります。

 葉見垣はスキャンダルのすっぱ抜きを目的に取材としてアトリエに訪れましたが、どぶろくは正直取材に応じるよりも成歩堂の来訪の目的に注意を向けざるをえない状況である、この前提になります。

 作中描写では葉見垣が取材を始める直前にコーヒーを出されたということですが、遅効性の毒物アトロキニーネはどうも架空のものなようなので詳しく遅効性の効果時間が分かりません。ですが、多少なり効果待ちの時間を要するという点から、前回書いたコーヒー準備時間は投函までの時間稼ぎに使われていたという点を踏まえると、投函→招き入れ→雑談→コーヒー到着、この一連の流れの所要時間は遅効性の成分の都合上、その所要時間がどの程度なのか不透明です。ただ取材前の雑談が成歩堂の関与により比較的長目になったため取材にたどり着く頃、毒が牙をむいた。もし来たのが葉見垣だけだったなら、彼の性格設定を踏まえても招き入れて早速本題といった流れが容易に想像できるため、どぶろくの贋作家業のこと、その制作は娘のまことによるものであること、また贋作として作れるのは絵画その他芸術品に限ったものではないこと、これら情報について何かしら確証を得る質問からどぶろくがボロを出してもおかしくない気がしますが、それも葉見垣の法廷での証言を考えるになさそうです。

 要は、葉見垣はむしろどぶろくを追い詰め自害に追いやったとみられても不思議ではない性格設定をされており、それがなかったのはまこと以外にどぶろくの死の状況を葉見垣にも疑いが向くことなく説明できる誰かがいたことを指している、だから成歩堂の関与があったと私は考えているわけです。

 もし、現場に成歩堂がいない状態であれば、葉見垣とまことでは警察への状況説明に関してイマイチ要領をえないことは明白な上、なんだったら警察を呼ばずに逃げるぐらい葉見垣は平気でやりそうなため、事件の発覚がまことの要領をえないであろう通報が元になったら現場から逃げるであろう葉見垣が被告人になっていても全くおかしくないです。

 だから、葉見垣は証人として法廷に立っていることそのものが成歩堂の関与の範疇にある、そう結論付けていい気がしますがどうでしょう?少なくとも前述したとおり、葉見垣とまことしかいない状況下では間違いなく葉見垣は現場から逃亡するであろう性格設定を与えられていると私には見えています。

 

 

 

⑥現場状況から警察はまことを逮捕。

 

 まことの逮捕・起訴ですが前々回ぐらいに書いた通りですが、遅効性の毒である点が引っ掛かりそうなものの、アトロキニーネの摂取経路を外部からの来訪者が用意できそうにないただ一点を軸にどぶろくとの同居の事実からそれに至ったのだと考えています。そして、その殺害根拠・動機の薄さが裁判員裁判のモデル裁判として稀有な適性を持っていたため、かねてより企画の走っていた中、成歩堂の関与のもとこの事件で採択されたのでしょう。

 また、裁判員裁判の性質上、何かしら証拠や動機の不十分さを抱えているため被告人の印象をその言動や人格をもとに判断することになるので、感情表現含むコミュニケーション能力に問題があると言えるまことが被告人であることも、モデル裁判としてうってつけです。

 こう書くと、以前の記事で触れた通り、やっぱり成歩堂はどぶろくを間接的に殺してるじゃないかと思われる方は多いかと思います。牙琉霧人からの不自然なコンタクトを察知して成歩堂もまたどぶろくにコンタクトを取っているから。ただ、どぶろくが死んだのはあくまでも牙琉霧人からのコンタクトが原因になっていますし、牙琉霧人が成歩堂の目的のためにどぶろくに連絡を取ることを強いられたのなら成歩堂の計算通りと言って間違いないでしょうが、脅迫することで成そうとしたことは、

 

①或真敷一座の興行権相続の時期が近いのでザックのスキャンダルを掘り起こす

②興行権を相続者から外れたまま復活公演を企画したバランを法で裁く場を作る

③成歩堂のスキャンダルも掘り起こしみぬきも巻き込んだ社会問題を作る

④①②③を駆使して或真敷一座を滅ぼす

 

といったところなので、成歩堂にどぶろくの脅迫を強いられたわけではありません。

 あくまでも、成歩堂の社会的抹殺と、1話で殺したザックとは別に或真敷一座という範囲まで広げて社会的抹殺することを目的として牙琉霧人が勝手に独自で行った、これが事実です。

 なので、成歩堂はこの裁判を裁判員裁判のモデルにすることを目的に諸々計画したのではなく、事件関係者の人となりや事件の状況、そして牙琉の動向など総合的に判断しまことの逮捕で一旦妥協したということです。

 

 

 ということで、終始成歩堂関与の状況証拠を語った感じになってしまい書こうとしたことから若干ズレた可能性を感じており若干不完全燃焼です。まあ、でも日付変わるので今日はここまで。

 明日もいい日でありますように。