今週もお疲れ様でございました。今日も今日とていっぱい歩いたので足の裏が随分と熱くて、膝裏の関節がキリキリしていますが逆転裁判4、語っていきますよ♪ネタバレガンガンなので嫌な人は注意です。

 

 

 さて、もともと3話についてということで考えてはいたんだけど、若干広げてこの作品における宝月茜についての話題に触れていくよ。

 

 宝月茜は初登場が逆転裁判1のアップグレード版である『蘇る逆転』で、その時はエピソード内の被告人・宝月巴の妹で弁護の依頼人。当時は16歳の高校2年生で、本作登場は25歳。『蘇る逆転』は当初GBAで発売していた1~3をDSにリファインするにあたってエピソードを追加したというもの。宝月姉妹以外にも登場人物たちが犯人含めてとても魅力的な上、2と3を経ての追加エピソードということもあり難易度もシナリオ完成度も現行最高峰といっても過言ではない出来なので、未プレイの人はこちらも遊んでみたらどうでしょう。

 …と本題前に軽く宣伝したところで、本題に入ります。本エピソードの茜さん、死体発見時に王泥喜くんと一緒にいたということもあり捜査状況はおおよそ王泥喜くんと共有しており見せ場もしっかりあるかといえばあんまりない。

 プレイ済みの人たちは本作全体を見渡しても、宝月茜は話を聞かずにかりんとうをさくさくさくさく食べながらヤサグレているイメージが強いと思う。どうしてこうなった…って思うことうけあいな変化が初登場作品から仕込まれている。

 意図的にこうしているのだろうと見受けられ、その理由は何なのかの考察をば。結論から言えば、今作における糸鋸圭介枠のキャラクターを彼女にしたかったからと思われます。

 

 糸鋸圭介というキャラクターは、逆転裁判1~3に登場した(4にも4話で出てくるけど)いわゆる憎めないズッコケ刑事といった感じ。なるほどくんには協力的だけど警察という立場上素直になれなかったり、御剣に全幅の信頼を寄せているし御剣も信頼はしているけれどそのズッコケ部分には目を瞑り切れない思いを抱えているようなとても親しみやすく面白いキャラクター。

 …ここまで言えばわかると思うけど、『蘇る逆転』登場時の宝月茜はやや天然ボケな部分はあるけど女性なのでイトノコさんほど汚れキャラにできないというか、コミカル要素をバカに描く方向性に振り切れなかった背景があるかと思う。だから逆転裁判4ではかりんとうをさくさくするといった若干無理やりながらも女性らしいコミカル要素を入れ、科学捜査官じゃなく普通の警官として配属された不満からヤサグレているという設定を引っ付けられちゃったわけです。

 でもね、本来イトノコ枠として見た目的にもっとぴったりかつ適任と思しき男性キャラクターが3話に登場しますよね。…そう、真犯人の眉月大庵です。

 茜さんを本作のイトノコ枠に設定せざるをえなかったのは、眉月大庵に見た目と表向きの性格と逆転した要素を持たせかつ、牙琉響也からの信頼とは逆転した感情を持っているキャラクターと設定した方が3話の結末がより面白くなるからと思われます。刑事キャラクターに見た目も性格もコミカルな新たなキャラクターを新たに設定するとして、大庵以上の見た目のインパクトを出すのが当時の開発期間や納期的な事情で実現できなかったので、あらかじめ登場自体は決めていた宝月茜に白羽の矢が立った、…ということではないかと私は感じました。

 そうでないと、天然ボケでコミカルな描写はあれどどちらかというと見目麗しい女性キャラクターにイトノコ枠の役回りは与えそうにない、そう思います。もともと科学捜査が好きで科学捜査官になるのが夢のキャラクター付けはされていたので、事前に登場自体を決めて制作していたと思うので警察関係者として登場もまた決まっていたんでしょう。そう考えれば王泥喜くんがツッコミやすい捜査情報の穴を突きやすいズッコケを刑事を設定しないと公判の展開が組みにくいだろうから、やっぱり茜さんにその役回りを振り分けざるをえなかった。そういうことなんでしょう。

 

 3話の結末がそのまま作中全体における宝月茜の運命を決めてしまっているのはなかなかに切ない感じですが、汚れ部分をヤサグレに、コミカルさを甘いものを食べるという女性らしさを生かして不躾にかりんとうさくさくで表現しているのは地味ながらジワジワ来る笑いで良かった気もします。

 …いやアンタ、性別を今までと逆転したんだろう逆転裁判新章開廷なんだからさ!って思われる方もいるでしょう。ただ、結果論で悪いんですが、そうだったと仮定しても不評なのかはたまた制作上の不本意だったのか、次回作はきちんと男性キャラクターが汚れ役をやっています。…まあ彼は彼で結構な爪痕を残す衝撃を引っ張ってくるキャラクターにもなっていたんですが。

 

 

 ということで、今日はこの辺りで。帰宅時にカメムシが紛れ込んだのかLED照明を飛び回っており、珍しく起きてドーナツを食べている妻が恐怖を示しているので書き終わり次第処理してあげなきゃです。

 

 明日もいい日でありますように。