宮島のお土産物屋さん

やまむら商店

店主の山村ゆう子です。

 

 

 

今日は音楽レクの話

 

 

音楽レクリエーションでは 一つの曲とじっくり向き合い歌う時間をとっています。

 

 

歌詞の意味を考えたり、情景をイメージしやすいよう伝えたり、曲の出来た経緯などをお伝えしてから、感じたことをそのまま歌にのせるようにお伝えします。そうやって歌っていただくと

 

 

年齢を重ねたからこそ浮かび上がる参加者様の表現力にいつも感動してしまいます。

 

 

 

今回の曲は「荒城の月」

(滝廉太郎作曲 土井晩翠作詞)

中学の音楽の授業で歌われた方も多いでしょう。

 

 

 

春高楼の花の宴~ は有名ですが、実は4番まであるんですよね(覚えてる?)

 

 

 

二番は秋の名月、十三夜に関連した歌詞なので、

秋の音楽レクリエーションでは2番だけを歌います。

情景を思い浮かべながら歌うように促しますが、もう少し掘り下げていくと

 

 

 

2番の歌詞は 上杉謙信が詠んだ詩が元になっています。

 

 

 

上杉謙信が七尾城(石川県)を苦労して攻め落とした時、空には十三夜の月が上り謙信は感慨深くその風景の美しさを漢詩によみます。

 

 

 

「陣営に霜が降り秋の澄んだ空気が清々しい。

雁が列をなし、月は冴えわたる。

越中越後の山々の連なる景色がとても美しい。

家族は私の身を案じているだろうがこの景色を今は楽しみたい」

 

 

ザックリ訳すとこんな意味かと思います。

作詞者の土井晩翠は

この詩を思い浮かべながら荒城の月の二番を書いたと思われます。(土井晩翠は仙台出身なので、お城のイメージは七尾城ではなく青葉城だったかもしれませんが)

 

 

 

秋陣営の霜の月

鳴きゆく雁の 数見せて

植うる剣に照り沿いし

昔の光いまいずこ

 

 

「植うる剣」

戦が終わり刀を地面に立てたとか、

折れた刀が地面に刺さるとか、

霜を落ちている刀に見立てたとか

色々解釈があるようですね。

 

 

 

単に風景を思い浮かべるだけでなく、

戦がそこであったこと、戦が終わった情景や

また大将である謙信の気持ちをなども思い浮かべると

さらに情景がくっきり浮かぶのではないでしょうか。

 

 

 

「昔の光いまいずこ」は単に栄枯盛衰の意味だけでなく、

自分自身のご先祖様、おじいちゃんの そのまたおじいちゃんの~ひ・ひ・ひ爺さんがもしかしたら戦にでていたかもしれない、

そして生き残った子孫が私たちで、戦を含めて人間の営みがずっと続いている~

 

そんな気持ちを受けて「昔の光いまいずこ」と思うと、歌詞がよりリアルな感覚として感じられるのではないでしょうか

と、説明して歌って頂きました。

 

 

本当に素晴らしい歌声が響き、

場の空気が秋冷に満ちたように感じて 

感動して涙ぐみそうになった私です。

 

 

 

今回も荒城の月 の歌声のあと「情景が浮かぶような素晴らしい歌声だったこと」「ご先祖様を思い浮かべる気持ちが伝わってきたこと」を参加者様にお伝えしましたよ。

 

 

そしてぜひ お家に帰られた仏壇に手を合わせてご先祖様と向き合ってみましょう。そして「まだ 迎えに来んでいいで~」と忘れずに言いましょうね!と締めました。

 


この日のプログラムはこちらから

https://ameblo.jp/yammer-uta/entry-12630561254.html




 

10月1日の中秋の名月

私は城より酒!