結構前の話。
友人Aから「自社製品の話を聞いて欲しい」と電話があった。
Aの仕事での昇格の条件として、規定人数の顧客に1万円分の購入をしてもらわねばならないらしい。
あと2人で達成できるんだけど、期日が迫っていると。
当時私も営業の仕事をしていたので、購入した場合こちらにも協力してもらうという事で了承を得た。
こちらは購入というより契約に近い性質で、無料でできる。
不要だったら契約後いつでも解約できるので、悪い交換条件ではなかったと思う。
当日、Aは私が行きやすいところまで出向いてくれた。
無事に1万円分購入。
明日会う約束しているあと1人の顧客(予定者)も購入してくれるといいね…と話していたところ、その人から明日都合が悪くなったとキャンセルの連絡が入った。
ショックを受けるA。平日だったのもあり、期日までにあと1人探すのは厳しい。
昇格まであと一歩のところに立ち会った私としても、ここで諦めるのは辛い。
何か良い方法はないか…
前日の夜、夫が「足りなかったら俺の物を買ってもいいよ」と言ったのを思い出した。
夫名義であと1万円分購入すれば、2人分クリアできる。
Aはとても喜んでくれた。
しかし2人分の購入をした為、予定よりかなり時間が経っていた。
Aは自宅から少し離れた所まで来てくれていた。
帰宅したら、当時幼児だったお子さんの夕食を作らなければならない。
これ以上遅くなるのも申し訳ないな。
今日書いてもらう予定だった契約書類を返信用封筒と共にAに渡し、その日は別れた。
【続く】