私は、MTFと診断を受けて13年が経ちます。
その間、人とあまり深くかかわらない。
人を避けるようになってきたんです。
バレたら嫌だ!と言う感情が先立ってしまい、
困ってる人がいても逃げるようになりました。
先日、処方箋で、処方を待っている時の事です。
おばあちゃんが処方箋に入ってきました。
見た目は、90歳以上かな?
処方箋に入ってくるな否や、
タバコ頂戴!
と言っています。
私は内心、
処方箋じゃ、タバコは処方してくれませんよぉ~
って突っ込んでました。
勿論、受付のお姉さんが取り扱ってないことを言うと、
むかしは売ってたのになぁ、、、
と言って、処方箋から出ようとするんですが、
自動ドアだと気が付かず、ガラスをドンドン叩いてます。
私はスマホを弄り、気が付かないふりをしました。
誰もが、そうするだろう。と思った瞬間、
私のすぐ近くに座って処方を待っていた、
作業服を怖そうなおじさんが、
スっと立ちました。
もしもし、あぁ、すいません。
いま処方箋です~
と言いながら入口に向かっていきました。
どうやら、電話が来たようでした。
その人が、外に出たお陰でおばあさんも出れました。
でも、違いました。
その人は、電話が来たふりをして出口に向かい、
おばあさんを出すためだけに席を立ったんです。
そして、外から会話が聞こえます。
おばあちゃん、タバコが欲しいのかい?
ここは、薬を売ってる所だから、
タバコは売ってないんだよ。
すぐそこに、コンビニがあるから一緒に行こうか?
と声をかけていました。
凄く温かい人でした。
同時に、自分が知らんぷりをしたことに対し、
強い罪悪感が生まれました。
私もMTFと診断される前はこんなじゃなかったんです。
なんで、こんな人間になってしまったんだろう?
単に、相手に声をかけることで、
自分が男性だとバレてしまうかも知れない?
その強迫観念めいた考えが、
人との接点から遠ざけてしまっただけ。
と、分かっているんです。
GIDの生き方って何だろう?
ひた隠しにして生きること?
まぁ、それもありだと思います。
けど、私が思うのは違います。。。
自分の心に噓をついてまで、
自分を偽る必要はないって事。
自分の心が揺さぶられ、
動かなきゃいけないと思ってる時は、
周囲から何を言われようとも動くべき!
という事。
もし、次に同じようなことが起きたら、
躊躇なく、困ってる人に声を掛けたい。
そして、人は決して見た目では判断できない!
という事も目の当たりにした一日でした。
でも、あれから数日が経ちますが、
未だに罪悪感として残ってますし、
その男性は、
私の中ではヒーローとして存在してます。
これだけ強く残っているなら、次こそは!