観てきました。





原作の漫画を読む前に映画を観たので、

おもわず「えっ」と声が出てしまいそうなストーリーにびっくりしながら観ていました。


ここからは印象に残った場面と、感想を箇条書きで。





・山に囲まれた自然豊かな場所が舞台なので、山の移り変わりの描写だけで時間経過が分かる。


・歩が書いた4コマ漫画がアニメーションで見える嬉しさ(カラーの配色が可愛かった)


・京本が着ていた半纏にサインをした後、雨が降る田んぼの中を藤野が帰っていく場面。「嬉しさ」「悔しさ」「自己嫌悪」など、色んな感情を感じるシーン。個人的には、水溜りをおもいっきり蹴るのがお気に入り。


・ドアの向こうで、藤野の"もしも"の世界が展開されている。"もしも"の世界でも、2人は漫画で繋がってしまう。そして春風に乗り、4コマの紙が藤野の元にやって来て、不思議に思いドアを開けたら、そこは冷たい冬の風が強く吹く現実だった。

部屋の中は北風が吹く現実でも、その中に藤野はこれから生きる希望を見つけた。


・創作の原動力と自分のやりたいことへの熱量、姿勢がとても心に響いた。

「4コマ漫画」を軸に使った展開に心惹かれる。


・セリフはなくても、画だけで「歩が漫画を描く理由」がわかる。


・藤野が漫画を描いている机の目の前に広がる景色の変化で、藤野歩の"歩み"が分かる。




58分の尺を感じさせない濃密な人物描写と究極に引き算された台詞、そして画力が素晴らしかったです。


そして観終わった後に『ルックバック』の意味を考えていたのですが、

①あの事件と関係して「過去を見る」ということ

②漫画を描いている「背中の後ろを見て」


という、2つの意味が込められているのかなと思いました。

作家の創作は、1人で孤独な作業だけど、でも背中の後ろには、あなたが描いた創作を見ている人がいっぱい居るから。


そう考えると、映画館の客席で多くの人と藤野の創作の背中を観ていたのには、グッときます。




ということで、『ルックバック』のタイトルには、こられの意味があるのかなと感じながら、これから原作の漫画を読みます。

漫画ではどんな描かれ方をしていたのか、ドキドキワクワク。