読了。





本作は成瀬シリーズの続編なのですが、

読みながらおもわず笑い、読んだ後に心が軽くなって「よし、私も頑張るか!」と思えるのは前作同様で、とても面白かったです。


今回は5章に分かれているのですが、私は「成瀬慶彦(よしひこ)の憂鬱」が1番お気に入りでした。みんなが気になっていた、成瀬のお父さん初登場!


そして「探さないでください」の章は、ストーリー展開がとっても面白かったです。

「なるほど、そことそこが繋がるのか」と、それが大きな事件が起こってハラハラする展開ではなく、

私とあなたの日常で起こり得る中での、まさかの展開なので、

文字を読んでいるだけなのに、立体的に画が浮かんでとても読みやすかったです。



私が思う成瀬シリーズの1番の魅力は「人物の視点」です。

それは成瀬に心酔する小学生、成瀬の幼馴染と親、成瀬のバイト先のお客さん、成瀬の観光大使仲間など、

色んな人の視点で成瀬を知ることが出来る楽しさが、前作と続編の2冊を読んで同様に感じた感想です(前作では成瀬自身の視点もありました)

もちろんそれは、成瀬が"周りを巻き込む魅力的なキャラクター"ということもありますが、

1人の人間でも、人と視点が変わると、また違ったように見える」ということに、あらためて気付かされました。


「十人十色」という言葉がありますが、

私としては、それは「1人の人間に対しても"十人十色"」だと感じます。




小説として二次元の世界で描かれている作品だけど、三次元のどこかに成瀬達が居る世界がありそうな、

そして、私の日常のどこかですれ違ったことがありそうな「成瀬あかり」に、

私も心惹かれて巻き込まれている1人です。