観てきました。
5月ぐらいに映画館で予告を観てから楽しみにしていた『首』。
観ながらまず思った感想が「時代劇版アウトレイジ」。そしてスケールが凄すぎる…!
私が観た劇場では、お客さんの8.5割はKK世代のキャップをかぶったおじさんで、なんかそれが嬉しかった!
ここからは本編を観て印象的だったシーンを、箇条書きで。
☆
・タイトルのカッコよさ
『首』の字がスクリーンから飛び出て来そうな演出に、ワクワクドキドキ。
・映画全体のSEのこだわりを強く感じた。IMAX上映もあるからかもしれないけど、合戦と腹を切る内臓のSEがとてもリアル。
・刀に刺した饅頭を食べさせて、口の中を血だらけにしてからの接吻。そこに感じる愛情表現。
・時代劇で禿げのカツラを付けても漂う、西島秀俊さんの爽やかさ。
・思ってもいなかったBL要素、そしてそのシーンが多いのに驚き。
・回想などの構成が北野武監督ならでは。
・マヌケそうなヤツの名前が「そろり新左衛門」。
・特殊メイクなんか要らないぐらい、たけしさんの貫禄が凄すぎる。
・光源坊の圧倒的存在感。
・懐に入れた草履を投げて池に浮くシーンが、1番場内の笑い声が大きかった。囲炉裏の火を間違えて触って「熱っつ」とか、分かりやすい笑いが出来るのはやっぱりすごいし、面白かった。
・ザビエルらしき登場人物。
・どの時代でも芸人が使い回し、使い捨てされる悲しさ。
・信頼と裏切りと騙し合いの連続。
・六平直政さんの和尚らしくない和尚の場面に、少し癒される。
・武士のゆっくりした切腹に対して「まだやってんのかよ」(私はここが1番面白かった)。
・絶対に乗りたくない見た目の神輿(らしきもの)で川を渡る。
・エンドロールで見た、アマレス兄弟にアル北郷、そしてお宮の松。「えっ、劇団ひとり出てた?!」っていう驚きもありました。
【印象に残った台詞】
・「人間生まれた時から全て遊び」
・「詫びるなら芸をやれ」
・「どうせおまえも死ぬけどな」
・「家康はブス好き」
・「この世界、血祭りにして全員首を落としたら、すっきりするだろうな」
☆
観終わって数時間経ちましたが、最後の「オレは首が欲しいんじゃなくて、明智光秀が死んだかどうか分かればいいんだよ」と言って、明智の首を蹴飛ばすシーンを何度も思い返していて、
「結局は『人間って、まぬけでバカだよなぁ』ってことなんだろうなぁ…」と、
マフラーで擦れて赤くなった"首"を掻きながら、ぼんやりと思う11月最後の日曜日でした。
【余談写真館】