「夢空間20周年記念 秋の特選落語名人会」へ行ってきました。





開口一番は、三遊亭美よしさんの『寄合酒』。
若い声が今ならではだなぁと、聴いていてこちらも瑞々しい気持ちになりました。

続いては、桂宮治師匠。
開口一番のお客さんの反応を見て、とにかく客を軽くさせようとする宮治師匠。
なんといっても今日は、9月1日で雨で昨日との気温差も10度近くあって週の真ん中でという、
お客さんの空気が重くても致し方ない条件が揃いすぎ。
なので宮治師匠はマクラで、
「みなさんここは中野と思ってはいけません。〇〇とおもってください」
と、タイムリーな話題で会場を大爆笑させていました。
宮治師匠の明るくて軽い落語で、会場の雰囲気も和やかになりました。
演目は『たらちね』



お次はロケット団。
個人的には笑点の観覧で見た以来だったのですが、テンポがあって「そうだよなぁ」というところを突いた漫才には、相変わらず大爆笑でした。


そして釈台が出てきて、神田伯山先生の登場。
後ろの照明が今までは、オレンジ色や緑などの明るい色だったのに急に真っ黒になって、なんとなく重鎮な雰囲気。
「何するのかな?」と思っていたら「怪談噺をやります」とのことで、客席も真っ暗に。
講談で初めて怪談噺を聴いたのですが、
読み物に合わせた照明が、かっこよかった。
また伯山先生の女性の台詞が艶っぽくて「これはいい女だ」と、自然に引き込まれたのには感動でした。
そしてなにより、初代市川團十郎を舞台で刺した生島半六の妻が主人公なのは、講談ならではの着目点だなぁと思いました。



〜仲入り〜


仲入りからの登場は、
津軽三味線の山口ひろしさんと大江戸太鼓の糸原昌史さん。
太鼓の重低音が、田舎のヤンキーが乗ってる改造車みたいで(バカみたいな例えですみません)、
津軽三味線との演奏は和の迫力が万点!!!

余談ですが、私は少し前から津軽三味線を習っていて、今はじょんがら節を練習しているので、
プロの舞台を観れてとっても勉強になりました。
また最後に演奏していた横山大観をイメージして作った『緋の荒野』は繊細な曲に感じました。


お次は、柳亭小痴楽師匠。
小痴楽師匠は喋り方がこざっぱりしていてマクラの入りがすごく自然なので、聴きやすかったです。
師匠の落語を生で聴いたのは『大工調べ』以来だったので、
啖呵とはまたちょっと違った、まぬけな所作が聴きどころの『あくび指南』を聴けて、
個人的に、これまた貴重な体験でした。



そしてトリは、待ってました!👏
立川談笑師匠!!!✨
マクラからの「私が1番思い出がある冬の噺を」と言ったところで、
談笑師匠マニア達の微かな笑い声が聞こえ、
私も頭の中で「あっ、シャブだシャブ!談笑師匠、この会のトリでそれ選ぶのは中々攻めるなぁ〜」と思っていました。
が、
勘の悪い私は中々気付けず、
「吉原で娘が…」って辺りで、私の脳内からシャブの文字が泡となる。
そして少しずつ、あのこよりの紐が頭の中を巡る…。
ってことで、
『文七元結』は初めて生で聴いた演目なので、個人的にはすごく貴重な体験でした。
オチも談笑師匠ならでは!


そして緞帳が閉まるのを談笑師匠がジェスチャーで開けて、
夢空間が20年前の今日、初めて興行をしたのが、立川談志独演会だったとのお話をされました。
それを聞いて、文七元結がぴったりな話だなと感慨深かったです。

最後の最後は、会場全員で三本締め!!!👏👏👏



☆☆☆☆☆

ということで、
仲入りや換気を含めて約3時間弱の夢空間20周年記念公演でした。
プログラムを見て感じて思ったけど、これは夢空間が席亭の寄席でしたね。
落語とともに時代を感じることが出来て愉しかったです。

また久しぶりに生の落語をたっぷり聴けて、
すごくいい気分で帰宅して晩酌でもしたいところですが、
あの空間が夢になるといけないから、
今日の晩酌はよそう。