リアリズムの宿 | 死因:恥のかきすぎ

死因:恥のかきすぎ

鍵盤講釈屋・闇色鍵盤が、数週間前のことを思い出しながら記す思い出し日記。時折り映画の感想も。

2004/07/10

ヴァーチャル居心地の悪さ・気まずさ。
これでもかと押し寄せるアイタタタ。

 

自主映画界の監督のキノシタと脚本家ツボイ。二人は共通の友人フナキに3人旅行に誘われる。しかしそのフナキは仕事都合で当日突然来れなくなり、ほぼ初対面の二人で旅行せざるを得なくなってしまった。
シャイ同士でギクシャクしながら旅を続けると、海辺でトップレスの女の子と遭遇。真冬なのに「泳いでた」と言うが、どうも入水自殺チック。この子も加えて3人旅。

 

と思いきや女の子がやはり失踪。気まずい二人で今夜は一泊!

 

そして最後に辿り着いたのは究極の宿!ただの民家!これサービス業?!客なのに!オレ客なのに!

ホントにこの居心地の悪さ・気まずさ連発が可笑しくて可笑しくて。そして二人のやりとり。いい大人なのにトホホなところの焦りを、映画人のプライドっつーか哲学で取り繕い合う様が可笑しくも悲しくて身につまされて。気まずい~

 

つげ義春の漫画が原作ではあるが、設定は全く違う。「原作の面白いシチュエーション」を上手に抜き出しつつ、しかし映画は独自のスタイルで展開。 そのおかげで「極上へなちょこ青春ロードムービ」に。

 

最後に芽生えてるこの二人の絆みたいなもの。照れるよ。観客にとっては居心地悪いよ。恥ずかしいよ。でもなんて気持ちいい居心地の悪さ。