誰も知らない夏の空 | 死因:恥のかきすぎ

死因:恥のかきすぎ

鍵盤講釈屋・闇色鍵盤が、数週間前のことを思い出しながら記す思い出し日記。時折り映画の感想も。

「作為のあるドキュメンタリー」という雰囲気をもつ本作品。 そういう意味では「ブレアウィッチプロジェクト」 に通じるものがあるのか!?

 

島暮らしの高校生いしのだなつよ。姉はギター片手にクルマで全国を歌いまわるポッポちゃん。ラジオから聴こえてきた姉の曲に、私も歌いたいと思い立ち、夏休みにフライングしてギターと共に家を飛び出す。机には置き手紙。宛先は船乗りの父である。

 

大阪道頓堀などで弾き語り、そこそこ好評を得るも、酔っ払いに抱き着かれたり警官に追い払われたりと 前途は多難。そこで知り合う売れない若い絵描きの兄弟(描くのは弟だけだが)。ヒッチハイクなどしつつ共に旅を続ける。

 

一方、姉のポッポちゃん。奇妙な紙芝居のおっちゃんと「ストリート紙芝居+ギター」。しかしおっちゃん、突然別れを告げどこぞへ旅立つ。やがてとある港町で偶然出逢う姉と妹。こうして奇妙な出逢いの4人は、和歌山を舞台にチョッとした、ホントーにチョッとした冒険を繰り広げる。

 

「センチメンタルイナカアドベンチャー映画」
といおうか。起承転結の波は実に穏やか。「歌を歌いたい!」という思いで突っ走る妹と、歌で生計を立てるための心得・身の振り方を憶えた姉。この2人の葛藤や衝突を切なく痛く描く・・・という訳ではなく、 話は姉妹のイチャイチャとか、兄弟と紙芝居おっちゃんの意外なつながりとか、ヒッチハイクで拾ってくれたアンちゃんの思い出などとかをほのかにからめつつ、淡々と流れていく。

 

その淡々とした流れがなんとも心地よくて。 個性的なヤツラを集めて日常タッチ描けば映画になっちまう、という例かもしれないが。
ある程度齢を重ねないと「いいなあ」と思えないかも。 だからレイトショーなのか?


むぅなんと言えばいいのだろう。とにかくストーブやエアコンじゃなく、ホッカイロ、という感じ。

まあなんか、アッちゅう間に終わるあたり、 「ELECTORIC DRAGON 80000V」 に通じるものがあるのか!?(と、無理矢理ジャンル違いの映画と共通項でくくる試み2連発)

 

ルックス的には妹が上なのに、姉のポッポちゃんの方が「ピクミン愛の歌」でブレイクしてるとこがグー。