新しい派遣先は職場が狭く、エアコンの風が顔に直撃していた。
先週は5月なのに寒かったせいもあったのか、木曜日から咳が出始めた。
金曜日には首のリンパが若干腫れている感じがして、咳は益々酷くなった。
エアコンの風が自分の顔に当たるから、と、真向いの社員に話し、風向きを変えるのを許可してもらったけれど、今度は左側にいた社員から「寒い。手が冷たい」とクレームが来て、風向きを戻すこと…
マスクをしても、カーディガンのフードを被ってみても、今更、だったと思う。
結局、土曜日には早朝から高熱が出てしまい、土日のバイトは休まざるを得なかった。
そして月曜日の今日。
なんとか微熱程度に下がったものの、派遣の仕事は休んだ。
39℃越えの高熱が2日間。
コロナかも?と不安になりながら、具合の悪さに耐えるしかなかった。
そこで私は思った。
というか、気づいたのだ。
土日のバイトは田舎スーパーでレジ打ちをしているが、GWはとにかく忙しくてキツかった。
ずっと喋りっぱなしだから、すでにその時から喉が痛かった。
でも、他のメンバーから「GWはいつもこんな感じ」だとか「夏はもっと忙しくなるよ」とか言われると、この程度で弱音を吐くことを自分に許せなかった。
「休みたい」
この言葉を言う事ができなかった。
すでにシフトは前月に決められていて、それを変更するのはみんなに迷惑を掛けることになる。
大変な思いをしてシフト決めしているレジ主任のことを考えると、絶対に休めなかった。
そして、全く休みを取らずに、そのまま派遣の仕事がスタート。
それも、就業条件が変更されるという予定外のことに、心も体もついてこなかったのだろうな。
私はまた、「いい人」になっていた。
「文句を言わず、ガマンして一生懸命に頑張る人」という、「いい人」だ。
その結果がこれだ。
土曜日の朝にバイト仲間のグループLINEで「今日は体調不良で休む」と伝え、スーパーにも欠勤の電話を入れた。
何度も何度も「申し訳ありません」と謝罪した。
私はこうして人に謝ることも嫌だし、自分が休んでみんなの負担が増すことではなく、休んだことを陰口言われるのが嫌だったのだ。
しかし、グループLINEした後、考えた。
人間は生身なのだもの、急に熱が出て仕事に行けない時だってあるよね?って。
よく、「子供が熱を出して」などと言って仕事を休むママがいる。
その時の周囲の反応は?
女性が多い職場では「うんうん、分かるよ~。大変だね~」という好意的な感じだけれど、男性が多い職場では冷たい批判が飛び交うだけ。
さらに私が思ったのは、スーパーのレジ打ちの仕事なんて、体力がある人でなきゃやらないでしょ?ってこと。
私のように、立ってるだけでも精一杯だなんて人間、フルタイムでバイトしないよね?
シフトを入れるのをセーブすべきだった。
私が甘かったのだ。
言いたいことを言わず、「人にどう思われるか?」だけを軸にして、結果的に今日を含めて3日間も働けないことに。
「あいつが具合悪いなんて言って急に休むから」と、スーパーのみんなに恨まれようと、陰口叩かれようと、高熱で苦しむよりマシじゃなかったのか?
先日、祖母が亡くなったと言って急にシフトに穴を空けた若い子がいたが、それは許されて私は許されないのもおかしな話だろうし。
そこの田舎スーパーのバイトを始めた時、私は無責任で安易に考えていた。
「土日は出られます」と言ったことが、「土日すべて出る」ということになるとは思わなかったのだ。
それにシフトの時間帯も「早番でも遅番でもいい」とは言ったけれど、遅番の次の日に早番を入れられると寝る時間さえ確保できない。
当時も平日昼間の仕事をしていたため、これはマズいと思った私は、隔週で1日づつ週1のシフトにしてもらった。
ところがこれも「土日ぜんぶ出るって契約だから、休むと有給休暇がもらえないよ」という店長からの一言で、「はい。そうですよね~、あはは」と笑って受け入れることになっていた。
まさか、こんなことになるとは。
というのがホンネ。
こういうことを、身バレしないように気をつけてこういう場所でしか言えないのも情けないが。
こういう場所でしか言えない、のではなく、きちんと言わなきゃいけないんだろうな。
という気づき。