早大本庄の魅力的な理科 | 中学受験の小箱 by 元私立中学教師 yamesen

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塾とは別の角度から学校選択のヒントを書いています。

 早稲田大学本庄高等学院の理科実験の内容が一冊の本になりました。サンプルを読んでこんな授業を受けてみたいと感じました。
 公立並みの学費というわけにはいきませんが、大学入試の問題練習ばかりではなく、このような理科の実験授業が受けられるのは魅力的です。実験はインターネットでは学習しにくいですし、設備を整えた塾は少ないでしょう。

 早稲田大や慶応大(ひとくくりにしてはいけないのですが)を目指す公立中学出身の男子生徒の進学先はたくさんあります。しかし、女子生徒の場合は選択肢がかなり限られてきます。
 公立の進学重点校を目指す場合が多数ですが、併願できる私立学校が少ないのです。
 その受け皿として早大本庄は好適です。上手に慶応女子と対になっています。とはいえ正直、通えるならどちらでもよいような気がしますが(失言か? )。

  公立中学出身の女子にとっての早大本庄のメリットを考えてみました。
1 共学である(中学が共学である場合、高校も共学の方が環境になじみやすい)。
2 全員高校から入学する(中学等が併設されている場合、多くは少数派としての微妙な立ち位置を経験する。全員同じ環境でスタートするなら教員も力を注ぎやすい)。
3 原則早稲田大学に進学できる(公立中高一貫高の進学実績が上がっているとはいえ、公立の過去の実績との比較なので、現実に早稲田大学に進学できる生徒が多いわけではない)。

 交通の便がよくありませんが、新幹線通学ができるようになりました。1時間目が9時10分からです。体力のついてきた高校生が3年間通うのはなんとかなりそうです。水曜と土曜の授業が4時間目までということですが、思い切って週休2日にすればもっと通いやすくなるように思います。

 早稲田本庄ができた頃は、自宅通学は意図せず、少人数の男子生徒が地元の家庭にホームスティしながら学ぶことをメインとしていました。イギリスのパブリックスクール風なところに土っぽい独自性を加えていると思っていました。初代校長の神沢惣一郎氏は早稲田大の倫理学の教授でしたが、「子どもの自尊心を大切にしよう」ということを強くおっしゃっていて感銘を受けました。個人的にはその方向性をすてきだと感じていましたが、だんだん早稲田大学そのものも変わってきた気がします。

 このくだりをホームページで調べようとしましたが、沿革には出てこなかったのです。ここは創立が1982年なのですが、1882年の早稲田大学の前身の東京専門学校の創立から始まって、東京の早大学院のこともずらずら書いているので、少々読みにくかったのです。

 創立当初と違って、地元の家庭も様変わりして寄宿をお願いし続けるの無理があったのでしょう。定員を増やしたり、女子生徒を受け入れたりすることは学校経営にとってもメリットが大きかったと思います。ただ、ちょっとだけ ICU高校のいいとこ取りみたいな感じは受けます(それにしてもICU高校がICUへ全員入学できればどんなに人気が出ることでしょう)。