お寺の生活をしていて、何が変わるかといいますと、臭覚しゅうかく敏感になることです。

常にお香のかおりをかいでいますので、よいも悪いも、臭覚が敏感になるのは当然です。特に上等な沈香じんこう(写真)や伽羅きゃらといったお香を使用していますと、その魂までも清められ、わずかな異臭でもかぎ分けるようになります。

 

 

このことは、ものの本質に対しても同じです。お香によって魂が清められると、人の本質がわかるようになります。「うさんくさい」などと言うではありませんか。悪意をもって近づいて来る人は、それらしいにおいを放つものです。美術品の鑑定でも「本物の香りがしない」などというではありませんか。「なんでも鑑定団」の先生方も、最後の決め手は香りなのです。ものの本質は香りと臭いに現れると知りましょう。

お坊さんでも本尊さまを大切にして、高貴なお香を使用してお勤めをしている方は、どことなく高貴な香り(つまり、仏の香り)が漂うものです。教義だけを勉強しても、この心がけがないと、うさん臭くなるかも知れません(笑)。

最近は若い方にもお香が流行して、とてもよいことです。日頃のストレスを、お香によっていやしていただきたいものです。皆様もぜひ、お香の専門店を訪ねてみてください。魂までも清められますよ。