『路上のX』を読み終えた。

内容は重かったけれど、トー横キッズの実情が生々しく描かれていて、目を背けたくなるような現実をまっすぐに突きつけられた気がした。


読んでいて一番感じたのは、自分よりずっと深刻な家庭環境に置かれている人たちもいるということ。

それを知って初めて、自分がどれほど恵まれた環境にいるのかに気づいた。

もし自分が登場人物の立場だったら、居場所のなさに耐えられなかったと思う。

きっと犯罪に手を染める前に、児相に行っていたかもしれない。


この本に登場する子たちは、ある意味とても賢く生きているように見えた。

けれど「生きていくためには仕方がない」と嫌なことを受け入れてしまった時点で、精神が少しずつ壊れていくような気がする。

だからこそ、絶望的な状況でも「他の選択肢を知った上で行動できる賢さ」が大切なのだと思った。

そして、家族の形はいつまでも当たり前にあるものではないということも、改めて感じた。


私はときどき「アットホームチャンネル」というYouTubeを観る。

ホームレスや東横キッズを取材しているチャンネルで、『路上のX』と重なる部分が多い。

不幸な境遇の人たちを通して、学校と家の往復だけでは見えてこない現実を知ることができる。


そういう人たちを街で見かけても、私たちはつい目を逸らしてしまう。

助けようともしない。

でも、このチャンネルを観ていると、どんな人の人生にもちゃんとドラマがあるのだと気づかされる。

取材される多くの人は、知的障害があったり、見た目にコンプレックスを抱えていたりする。

子どもの頃はそうした人たちを悪く思うことなんてなかったのに、大人になるにつれて「関わっちゃいけない」という偏見が生まれている気がする。

社会から静かに排除されているようで、胸が痛くなる。


そして、結局のところ、「買う側」「買われる側」という構図が存在してしまう社会の冷たさにも気づかされた。


終わりに


『路上のX』を通して、自分とは違う世界で生きる人たちの現実を少しだけ覗いた気がした。

人は環境によって大きく変わる。

「かわいそう」で終わらせず、その背景にある理由を知ろうとすることが、社会を知る第一歩なのかもしれない。