秋の空の思い出…その2…



まだ、免許を取ったばかりの二十代半ば…

爽やかな秋晴れの午前中、母が花を育てるためのプランターや腐葉土などを買いに、母とホームセンターに出かけた。

父はお留守番


抜けるような青空…

二人で見上げて、ふと、ちょっとだけドライブしようか…お昼までまだ時間あるし


いきなり二人で意見がまとまり、あてもなく、ふらっとドライブした。プランターや腐葉土を積んで💦

なぜか、ひたすら北へ……


すぐに帰るつもりだった。

だけど、青空に吸い込まれるように、どんどん北へ北へと走ってしまい、

国道沿いのドライブインで、お昼食べようか…となった。


そこで、父に電話。適当に何か食べててくれる?

訳わからない父は、はい、わかったよ、と。


お昼を食べてなお、また北へ北へと走った。

途中の道端で果物を売っていて、洋梨を買ったり、意味もなく楽しいドライブで、仙台空港あたりまで行ってしまった。


そして、そこは、両親が若い頃、父がずっと入院していた病院があったという場所だった。

目指して向かったわけではなかったのに、あら?このあたり…と

…私は、ドライブを楽しんでいただけだけど、母は、父の身体を心配した若い頃、いつも死と隣り合わせだった父の命を心配していた頃い思いを馳せていたのだろう…

母が、その時の私と同じくらいの歳の時のこと…


母とドライブを楽しむ私

父の看病をしていた若い頃の母

時空を超えて、同じ位の歳の二人


抱える思いは、別のものだったけれど、この日は、穏やかな秋の光に包まれた秋を全身に感じて過ごした。道端に咲く、たくさんのコスモスが秋の光を柔らかに包んで、私達を包んでいるようだった。


帰りはすっかり夜になってしまい、訳わからず留守番していた父は

一体どうしたんだ??朝、プランター買いに行って、もうすっかり夜だよ、と、穏やかに聞いてきた。

たくさんのお土産と、果物を出して、いや、なんとなくね、ずーっと北へ向かっちゃったの。

入院していた病院のあたりまで行ったんだよ。

こんなに色々な秋のおいしいの、あちこちで売ってた…

それでね…

次から次へと話す私に、父は目を丸くして、ただ頷いて聞いていた