DVDジャケットの女は誰だ!!! 『人喰いトンネル』 | 蝦夷☆オブ・ザ・デッド

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蝦夷の片田舎より分析しない掘り下げない脱力バカレビューをお届け(ホラー多めほぼネタバレ)


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<あらすじ>
各地を点々として暮らすキャリーは、姉、トリシアの家を久しぶりに訪れる。
その日は、7年前に失踪したトリシアの夫、ダニーの死亡証明書が発行される日であり、姉のことが気になって訪ねて来たのだ。
姉トリシアの最近の悩みは、夜になると自分の周りにダニーの姿が浮かぶことであった。
そんなトリシアは、ダニーの行方不明捜査を担当した刑事と恋仲になっており、刑事との間に子供を身篭っていた。
消息が不明なうちの「裏切り行為」に対して夫ダニーが恨みを持ち、罪の意識に訴えかけるために姿を現しに来たのでないかと彼女は思っていた。
一方、元ジャンキーだったキャリーの身にも奇妙な出来事が起こっていた。
彼女がランニング中に通る近所のトンネルで、痩せ細った傷だらけの男が倒れており、不可解な言葉を発しながら彼女に追い縋る・・・。

<レビュー>
すっごい気合の入った激熱タイトル画面です。

 
ズババババーン!!!

引き摺り込まれているであろう、登場人物の表情にもかなり気合が入っています。
原題は「ABSENTIA」、欠損とか欠乏とか言う意味のようです。
そして邦題に転じて・・・・・・「人喰いトンネル」
なんとダイレクトに、観賞意欲をそそる題名なのでしょうか。
もうアッパレとしか言いようが御座いません。

ストーリーは都市伝説と絵本がモチーフになっております。


モチーフとなる絵本「三びきのやぎのがらがらどん」

参考までに、絵本の内容。

「がらがらどん」という名前のヤギ3匹(スモール、ミディアム、ラージのそれぞれ3サイズのヤギ)が太りたくなって、食べ物を求めて山を目指す。
途中にかかる橋の下には醜いトロルがいて、大声で「おまえを飲み込んでやる」と威嚇する。
トップバッターのスモールサイズヤギは「後からオレよりもっと大きなヤギが来るからねー」と、なんとも適当にうまいこと言ってトロルに見逃してもらい橋を渡る。
続いて来たミディアムサイズヤギも同じようなことを言ってトロルを丸め込み、橋を渡る。
しかし最後に来たラージサイズヤギは、恫喝するトロルに堂々と立ち向かいやっつけてしまう。
無事に山へ到着したヤギたちは、その後、丸々と太って帰って来た。

この絵本をはじめて読んだ時、「ヤギ3匹でよってたかってトロル喰ったんかい!」と思ったバカな私は無視して下さい。
モチーフとして使われる部分は「後からオレよりもっと大きなヤギが来るから」のくだりです。
都市伝説は、舞台となる町で昔から伝わる「地下の住人」の伝説。
トンネルのある場所、なんだか禍々しい場所だった模様です。

さて、肝心の「人喰い」トンネルなんですが、トンネルの向こうがすぐ見えるし住宅街のド真ん中にあるし、全く迫力がありません。
しかし、行方不明になりそうもない小規模トンネルの中で人が忽然と消えていると言うシチュエーションが逆に怖いのかも知れないと思いました・・・と半ば強引に自分に言い聞かせてみる!


走って数秒で抜けられるトンネル

お話は、ある姉妹2人を中心に繰り広げられます。
お姉さんのほうは、夫が7年前に失踪。
今まで熱心に尋ね人の張り紙を取り替え続け、夫の帰宅をけなげに願っています・・・
と思いきや、腹、デカッ!妊婦です。
なんでも、夫の失踪事件担当の刑事さんと恋仲になってしまわれた模様で。
おなかのお子さんの父親は刑事さんのようです。

 
心を落ち着けるために医者から勧められた瞑想をする姉(妊婦)
腹も谷間もすごいですが、何故かセクシーさは微塵も感じません!

一方、妹のほうはジャンキーで治療を受けた過去があります。
再会早々、姉妹の会話は、
妹「この尻軽!」
姉「アンタこそヤク中!」
お互い、なんとも歯に衣着せぬ物言い。
なんでも言い合える仲良しさんの模様です・・・。

さて、姉は、夫が消息不明の状態のまま刑事さんのお子さんを身ごもったことに、少なからず罪悪感を抱いている模様です。
彼女は7年の間、夫が置かれている状況を色々想像しています。
その中で特に秀逸だったのは、夫が国家機密に関わるエージェントで家族を巻き込みたくがないために失踪(注*時々様子は見に来てる)、と言うものでした。
夫のビジュアルはとてもエージェントには程遠いものですが、7年は長いですから悶々と考えてしまうのは仕方のないことです。
そして遂に彼女は、子どもが生まれることも考慮してか、夫の死亡証明書を申請します。
ですが、やはり、夫が生きてるか死んでるかわからない状況で別の人の子どもを妊娠してしまったことがすごく引っかかっています。
その罪の意識が見せるのかも知れませんが、夫の影が神出鬼没で現れて、彼女の耳元で「オレをないがしろにしやがってバカヤローコンニャローめ」的なことをささやいて行きます。


せっかく瞑想して落ち着こうとしてるのにー!

カウンセリングに通う彼女ですが、その間、死亡証明申請は受理され、手元に夫の死亡証明が郵送されて来るのでした。
妹は、姉の新たな門出に力を貸すため姉の家にしばし滞在、引越しのための荷物整理などを手伝うことに。

姉の家で生活をはじめた妹ですが、ジョギングが日課です。
その日も、早朝からジョギングに出かけました・・・例のトンネルを抜けて。
しかし、帰り道、トンネルで倒れてる痩せた傷だらけの男に遭遇しましたよ。

 
お嬢さん!オレが見えるの?

男は意味不明なことばかり口走っています。
妹は普通に行き倒れの人かホームレスの人かと思い、「今食べるものないから!後で持ってくるから!ごめんねごめんねー!!!」と言い、そそくさと去って行きます。
待ってよーーーー!!!と追い縋る男。
その後、妹はなんと律儀にトンネルに食べ物が入ったタッパーを届けにいきます。
これが「餌付け乙!」になるとも知らずに。
トンネルには誰もいませんでしたが、入り口にタッパーを置いて再び去る妹。

その後、カラスの収集品のようなチープなアクセが届くようになりましたよ。
玄関先に。ベッドの布団の下に。
そして、姉が恋人の刑事と新生活を始めようと動き出した矢先・・・

 
「まいど!」

夫がズタボロ状態で戻ってきちまいましたよ。
死亡証明書出てるのに!

夫ご帰還後、それまではヒューマンドラマ調だったお話が一気にホラー路線に。
しかし、クリーチャーみたいな影がゴソゴソしてるのに全部
ソフトフォ~カス。
トンネル内の惨殺死体も
ソフトフォ~カス。
中学生にも優しいホラーといった感じでした。

おまけ☆

火!水!
すごいクローゼットだな姉よ・・・。


妹さん。
アンジーを庶民的にした感じでなかなかカワイイ。
今後もホラー作品出演を期待しています!

ところで・・・
DVDジャケットの女性・・・・・誰???

 

劇中にこんな気合の入った人いないんですけど!!!

<超主観的評価>
ストーリー★★ スリル★★ テンポ★ バカ★ グロ★
総合★★


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