邦題をつけるなら・・・「野次馬~YAJIUMA~」 『ギャザリング』 | 蝦夷☆オブ・ザ・デッド

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蝦夷の片田舎より分析しない掘り下げない脱力バカレビューをお届け(ホラー多めほぼネタバレ)

「ウェンズディ」主演   
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<あらすじ>
舞台は、イングランド南西部サマセット州グラストンベリー。
ここは、アーサー王の伝説とロック・フェスティバルが開催される場所として有名である。
あるロックフェスティバルの夜、より眺めの良い場所でライブを堪能しようと丘陵に登ったカップル2名が惨死する。
それは、丘陵の裂け目から地下の古代教会跡に転落するという悲惨な事故であった。
男性は転落時に地下彫刻の一部に突き刺さり即死、女性は転落した直後は生存していたものの、男性の惨死体と共に1週間過ごした後ようやく発見され、その後すぐに死亡した。
司祭ルークは、美術専門家サイモンに地中から現れた古代教会の修復及び分析を依頼する。
サイモンがそこで見たものは、通常とは逆に教会に背を向ける形で設置されたキリストの処刑像と、壁に彫られた幾つもの奇妙な顔だった。
この教会は紀元1世紀に創設された後、中世のペスト流行時に人の手により埋められたものらしいことが、土の成分などから判明した。
教会の遺跡調査が更に進められている頃、サイモンの妻マリオンが、アメリカからの旅行者とみられる若い女性キャシー・グラントを自家用車ではねてしまう。
即死しても不思議のない状況下、キャシーは奇跡的にかすり傷程度の軽症だった。しかし、事故のショックからか、自分の名前を除いた一切の記憶を失ってしまっていた。
責任を感じたマリオンは、しばらくキャシーを自分の家に滞在させることにした。
サイモンの前妻(病死)の子供である長女エマ、長男マイケルとすぐに打ち解けるキャシー。
キャシーは事故以来、度々リアルな幻覚を見るようになっていた。
最初は事故のショックからと思われたが、それは口にするのもおぞましい、異様な幻覚だった。
目の前の医師や、時にはマイケルが血塗れになっている姿が見えるのだ。
その幻覚は予知なのだろうか。
これから彼らに訪れる不幸な未来なのだろうか。
彼女は更に、自分にしつこく付きまとう、グレーの洋服を着た奇妙な「人々」の姿にも気が付いていた・・・

<レビュー>
しょっぱなから、ドカーン!と車に吹っ飛ばされるヒロインの顔がなんかウェンズディ顔だなぁ・・・(*注 アダムスファミリー)と思ってたら、まんまウェンズディでした。

 

日焼けしてて茶パツだったのでわからんかったです。
キャシー役の彼女は
クリスティーナ・リッチ嬢
本格的な演技の勉強をしたことがないにも関わらず、若手実力派女優として独特の地位を築かれた方です。
そういえば、「スリーピー・ホロウ」に出てたウェンズディ・・・じゃなかった、クリスティーナ・リッチ嬢も中盤まで誰かわからんかったです。
マユゲと瞼の距離でやっとわかったというか、出世しそうなデコの広さと反射率で判明したというか。
個性派女優さんですが、ホラーにコンスタントに出演していて私も大好きな女優さんです。

物語はホラーというよりサスペンス調で進んでいきます。
そして、「ギャザリング」の正体はなにを隠そう・・・
野次馬です。
そもそも彼らは、キリストの処刑現場を見ていた人々。
それも、キリストに対する敬意もなし、処刑に対して糾弾する意思もなし、つまり「好奇心でただぼへーんと見ていただけの連中」なのです。
もう、
邦題「野次馬~YAJIUMA~」にしたら良かったんじゃないかね。
また、野次馬さん達の表情が空虚で、暗澹としていて、見るものの背筋を凍りつかせる・・・
ハズだと思うんですが、私はギャザリングの一員にバイク乗りがいることが気になって気になって仕方ありませんでした。
キリストの処刑現場にバイクで乗りつけたのでしょうか。
きっと当時は馬か大八車かなんかだったのを現代風にアレンジしたに違いない、と言い聞かせること数分。
考えている間もストーリーはどんどん進行。
しかし、キャシーをストーキングするその姿、どうみても
珍走団の一員。
とにもかくにもギャザリングご一行様は、「キリストの処刑をただ単に見ていた」がために「歴史のどんな不幸な場面にもホイホイ出かけて行き、のほほんと野次馬しなければならない」という、とてつもない罰を与えられた方々なのです。

この物語で自然に見えて実は一番胡散臭かったのはキャシーと恋仲になる「ダン」です。
キャシーの幻覚の原因を共に解明しようとしたり、アーガイル(後に殺人鬼)の自宅まで一緒に出向いてくれる等、とにかく一生懸命動いてくれるんですが、それもこれもキャシーに己の実体を自覚させるための伏線だったと判明した時点で、ハンサム顔も一気にペテン顔に見えるんですからあーら不思議。

 

実にかまってちゃんの多い映画でした。
ですが、宗教を題材としたものはむずかしいのに、あまり説教臭くならずにまとまった作品だと思いました。

(*本日、9.11の被害者の方々に、心から黙祷を捧げます。)

<超主観的評価>
ストーリー★★★ スリル★★ テンポ★★★ バカ★ グロ★
総合★★★


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