思わぬところにエルム街 『ダンス・オブ・ザ・デッド』 | 蝦夷☆オブ・ザ・デッド

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蝦夷の片田舎より分析しない掘り下げない脱力バカレビューをお届け(ホラー多めほぼネタバレ)

一応、ゾンビ   マスターズ・オブ・ホラー収録   マスターズ・オブ・ホラー  
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<あらすじ>
ある日、ラジオから流れる声はこう報じていた。
「第三次世界大戦によって、核によるテロ攻撃が横行し、米国内の死者は900万人を突破しました。NYやロスを含む7大都市はこれにより壊滅。地元の街マスキートでは、殺人事件が著しく増加しています・・・」
夫を亡くし厳格なモラリストになったケイトはダイナーを経営、17歳の娘ペギーと共に働いていた。
そこへ、マスキートからやってきた青年ジャックとボックスがやってきた。
ペギーはジャックに好意を抱くものの、母親のケイトは彼らが気に入らず店から強引に追い出してしまう。
その夜、ペギーはジャックに誘われて一緒にマスキートまでドライブを楽しむことに。
彼らが向かう先には、MCが牛耳るクラブ「破滅の館」があり、そこでは「ルーピー・ダンス」と呼ばれる饗宴が毎晩催されていた。
一方、母親のケイトは娘のペギーが彼らに連れ出されたと知り激怒、車でマスキートに向かう。
そして、今や犯罪の街と化したマスキートにて、恐ろしい事実が明らかになる・・・

「悪魔のいけにえ」のトビー・フーパーが、怪奇幻想作家リチャード・マシスンの短編小説「死者のダンス」に現代的アレンジを加えて映像化。
リチャード・マシスンは「地球最後の男」である意味すごく有名。

<レビュー>
オブザデッドという裸電球に吸い寄せられるように作品を手に取ってしまう私。
もう、オブザデッドに群がる蛾です。
ワケのわからない殺人鬼が執拗に追い掛けてくるパワフルホラーを撮らせたら、その分野では世界屈指と言っても過言ではない監督さんが撮っているということで、少なからず期待して観ていました。
冒頭のノスタルジックなガーデンパティーのシーンで、更に期待が高まります。

ガーデンパーティーをしている幸せいっぱいのキラキラした回想シーンに、突如不穏な影が。
そして空から、得体の知れない何かが降ってきた!
見るとそれは「灰のようなもの」。
最初は「近くに工場でも?公害?」とスットコドッコイなことを考えていた私ですが、この灰のようなものはそんな類のもんじゃなかった!

死の灰!  
「キャァァァ!!!早く家の中へ!」
「おかーさーん!鼻の穴に入っちゃったぁぁぁ!!!」


灰にあたるとこんな状態に  
「キャァァァ!!!娘が・・・焦げてるぅぅぅ!!!」

これは、核による大量虐殺だったのでした。
そして、数年後。
この一件から難を逃れた母と娘は、2人で小さなレストランを切り盛りしていました。
たまに近所に現れる、顔の爛れたおばさん。
この人も多分、あの死の灰で被爆した人なのでしょう。
かつての知り合いのようなのですが、母親はあからさまに嫌悪感を表します。
ラジオから流れるのは、物騒なニュースばかり。
どうやら、平穏な舞台ではなさそうです。

ある日、レストランにいかにも脳みその容積が小さそうな若者4人組が入って来ます(ホラー要素として欠かせない若者=バカ者)。
娘は普通に接客しますが、母親が「あんなバカどもにやる飯はない!」とばかりに追い返してしまいます。
しかし、若者の中の1人がどうやら娘に興味を持ったようで、その夜、閉店後のレストランに訪ねてきます。
寝ている母に「散歩に行ってくる」と書置きをし、若者とドライブへ出かける娘。
しかし、行き先はラジオでも報道していた犯罪が横行する治安の悪い街でした。
到着し、なにやら怪しげなクラブへ入る2人。
クラブの名は「破滅の館」
ネーミングセンスが破滅しています。
怪しげなクラブには同じくらい怪しげなオーナーが。

クラブのオーナー、いい味出してるよ   
あっ・・・この人は・・・フレディさん!!!

ロバート・イングランド
さんではないですか。
さすが大御所、怪しさ大爆発のオーナー役をやっぱり怪演。
フレディさんいるんならここエルム街じゃんとニヤニヤしながら観ていた私です。

このクラブでは目玉の催し物がありました。
それは「ルーピー・ダンス」と呼ばれるもの。
てっきり、よく映画に出てくる、鉄棒に裸のおねえさんが巻きついているようなダンスかと思ったんですが、全然違いました。
そのダンスとは、死人を薬で蘇らせゾンビにし踊らせるというもの。
何やら鉄のビリビリ棒でゾンビをけしかけ、右へ左へとフラフラ踊りをさせています。

ビリビリ!!!  
「ソイヤッ!」
ビシィッ!ビリビリ!!!

このダンスシーンですが、そりゃもう迫力がなくて・・・
フレディさんのMCと共に、割とまったりほっこり鑑賞できます。
多分、このあたりはゾンビ映画でもありがちな「生き残った人間のモラル崩壊」を描きたかったのではと思いましたが・・・フレディさんが気になってしまって仕方ありませんでした。

死人のダンスを目撃し、ショックを受けた娘。
しかも更に、死んだ筈の自分の姉がダンスを踊らされていることに気づきます。
自分の姉を救出しようと若者の力を借りて行動に出る娘ですが、そこで驚くべき事実を知ることになり・・・

最後は物凄いどんでん返しではありませんが、とにかくブラックで良かったと思います。
理由を言うと完璧なネタバレになってしまうので、ちょっとだけヒント画像を載せてレビューを終了します。

娘の母親、なんとゾンビ化させられる。
 
「何見てんのよ!!!」

シャー!!!   
「もうお年玉なんてやんないからね!!!」

ルーピーダンスをさせられるゾンビ達、薄物をまとっただけで身体の線が丸見えです。
若いお姉さんゾンビは見られたのですが、この母親ゾンビのシースルーはかなり熟しておりました。
ある意味、一番衝撃的!
「テキサス・チェーンソー」に出演している
ジョナサン・タッカーがチョイ役で出ていてニヤリ。

<超主観的評価>
ストーリー★★ スリル★ テンポ★★ バカ★★ グロ★
総合★★