キ○ガイ村へいらっしゃい!イエッフー! 『マニアック2000』 | 蝦夷☆オブ・ザ・デッド

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蝦夷の片田舎より分析しない掘り下げない脱力バカレビューをお届け(ホラー多めほぼネタバレ)

2000人の狂人   
<写真をクリックするとamazonの奥地へ飛びます>

<あらすじ>
数組の旅行者たちが、アメリカ南部をドライブしていた。
ところが、道端に大きな木が倒れ、道は封鎖されており、「迂回せよ」の標識がある。
指示通りに車を走らせると、ある村に到着。
カントリー・ソングが流れる陽気なその村は、何かの記念祭の真っ最中のようで、お祭りムード一色。
しかも、旅行者たちは「このお祭りの主賓はあなたたちだ」と言われ、大歓迎される。
不審に思いながらも、手厚いもてなしに次第に気を良くする旅行者たち。
しかし、この村には驚くべき秘密があった・・・

<レビュー>
以前、amazonのレビュアーで「マニアック」の2000年版かと思うだろ!」と、怒ってる方がいらっしゃいました
(*マニアックは、ヒルズハブアイズのアジャ監督が脚本、ロードオブザリングのイライジャウッド主演で今年リメイクされたそうですヨ!)。
また、「題は『西暦2000年のマニアックな出来事』ではなく『2000人の狂人』の意味である」と、とても親切に解説して下さっている方もおりました。
この作品、なんでも「狂人」がNGワードに引っかかってしまったようで、題名が改定されちゃいました。
旧作を知る人も、題名だけ見たら別物と思ってしまうかも知れませんね。
「狂人日記」が映画化されたらなんて題名つけるんでしょう。
「マニアックダイアリーオブザデッド」とかですかね、自分以外の人間が全員カニバリズムだ!オレ食べられちゃう!と言う妄想日記ですから。
しかし、題名がなんであろうと、「2000人のマニアックな人たち」とか遠まわしなことは言いたくありません。
ダイレクトに、ダイナミックに、2000人全員キ○ガイです。

冒頭。
旅行者の車が道を行き交います。
それを不審な(ちょっとバカっぽい)若者2人が、コッソリ障害物を置いたり標識の向きを変えたりして、車をある場所へと誘導していきます。
(ここで、おまえら小学生か!と突っ込みたくなる彼らの行動に要注意)
そこは地図にも載っていない村、プリーザント・バレー。
村の入り口に「この村、人口2000人」とご丁寧に看板が。

さて、巧みに(?)村に誘い込まれたカップル3組。
村はなんだか浮かれた雰囲気です。

基地外村へようこそ!   

画像が小さいですが、恥ずかしくなるくらいものすごいオーバーアクションで車を誘導する村長。
踊るポリスメンも真っ青だよ。
テンション高いし、血圧も高そうです。
「さあさあこちらへ!」て・・・
前にしか行きようがありません。 
たまに
「イエッフーーーゥ!!」と神経を逆撫でする雄叫びの入る、明るいカントリーミュージックに乗せて、ストーリーは展開します。
そして、
どんなグロいシーンにもカントリーミュージック流れ続けてます。
村人たち笑顔には一点の曇りもありません。
真昼間の太陽の下で行われる殺戮シーンは、なんていうかその・・・
やっぱりキ○ガイです。

旅行者は手始めに、村のお祭り(生誕100年祭)のバーベキュー用のお肉としてさばかれてしまいます。
しかし、バーベキュー用として選ばれたのは女性1人。
村のマッチョメンに誘惑され、林の中でイヤーンバカーンな雰囲気になりますが、急にマッチョメンが
「おれ、いいナイフ持ってんだぜ。ちょっと切れ味見てくれよ」
と言い出します。
そして、どれどれ・・・と手を出した女性の指をいきなりスパッ

バーベキューさん   
「うわっコラ!なにしやがるテメー!」

串に刺され、焼かれるお肉。
その前に群がる2000人の村人。
どう考えても足りません・・・お肉・・・
その後も、「ゲームに参加してね☆」と言われ、釘を打ち付けられた樽に閉じ込められ、坂から転がされ血まみれになって絶命する旅行者や、岩の下敷きにされて息絶える旅行者や、相当ゴアなシーンが続きますが・・・
BGMは相も変わらずカントリー!イエッフーゥ!
村人たちも変わらず屈託のない満面の笑み。
グロよりも、狂人たちの底抜けの明るさに薄気味悪さを感じます。
が、基本的にみんなバカっぽいのであまり陰惨な感じがしませんよ。


イエッフー!殺れー!殺っちゃえー!

旅行者の中にはまともな人も一部混ざっていて、そのうち不信感を募らせて村を調べ始めます。
電話は通じても、どうも外部に連絡がきちんと取れていないようだし(実は電話はすべて、宿泊している村のホテルのフロントに繋がる仕組みになっている)他の旅行者とのコンタクトも何故か取れなくなってきている(それもそのはず、全員死亡)。
そしてある時、村にある記念碑発見!
記念碑には、

「100年前の南北戦争の怨み、ぜってー忘れない。コロス☆北部の人間」

という意味合いの文句が刻まれています。
それを見て震撼する旅行者。
そう言えば、旅行者は全員、北部出身でしたよ。
マトモじゃない雰囲気をうすうす感じはじめていたが、やっぱり村人たちは(略
そして他の旅行者たちはもうとっくに(略
お約束ですが、気付くのが遅いです。
最後に残ったのは旅行者2名。
果たして、彼らはこの呪われた村を生きて脱出できるのでしょうか。

H・Gルイス監督が南北戦争から100周年を記念して撮った作品。
100周年と言うよりも100執念ですけどね、内容が。
当初、H・Gルイスと聞いて、「ああ、タイムマシンとか宇宙戦争の・・・」と思った私ですが、思い違いに気付きました。
そりゃ、H.Gウェルズ
ですね(恥
ちなみに、村人たちはノーギャラのエキストラだそうですが、みんな適度によそ見しているのもポイント。
でも、利益が発生しないからいい加減にやってると言う投げやり感よりも、むしろ映画出演を心から楽しんでいる雰囲気。
そんな自由な空気も、この作品の持ち味のひとつでしょう。
まさに、愛すべき低予算映画って感じです。

<超主観的評価>
ストーリー★★ スリル★★ テンポ★★★ バカ★★★ グロ★★★
総合★★★


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