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<あらすじ>
もういい歳なのに、イマイチ大人になり切れない主人公ショーン。電気屋の店員として働いているが、仕事への情熱はほとんど皆無、幼馴染でニートのエドと同居しながら、いきつけのパブ「ウィンチェスター」へ入り浸り、単調でダレた毎日を送っていた。
ショーンにはリズという恋人がいる。
しかし、彼の生気のない生活や、やる気のなさが祟って、ついにある日愛想を尽かされてしまう。
傷心のショーンは同居人のエドとヤケ酒を呑んで乱痴気騒ぎ。
しかし、飲んで騒いで目覚めた朝、平穏な街は一変してゾンビだらけになっていた!
彼はクリケット・ラケットを武器にヒーローとなり立ち上がる。
愛する恋人、友人、家族を守るために!
<レビュー>
観賞当時、笑い死にするところでした。真面目に危なかった。
もともと笑い上戸なのに、真剣に生命の危機を感じました。
腹筋を鍛えるには笑いが一番です。
ゾンビ映画の有名どころを一通り観ている人は、まずはじめに題名で噴出します。
「ドーン・オブ・ザ・デッド」→「ショーン・オブ・ザ・デッド」
「ショーン」は主人公の青年の名前です。
日本風にしたら、「みのる・オブ・ザ・デッド」とか「よしお・オブ・ザ・デッド」とかそんな感じなんでしょうか。
私事ですが、古典的なスローゾンビが好きです。
ズルズルダラダラ歩いて、悲壮感漂う表情で、単独行動よりも集団行動で。
気持ち悪いんだけど、哀れでどこか憎めない。
この作品のゾンビ達も、ご他聞に漏れずそのタイプです。
音楽も劇中の小ネタと絡んで絶妙です。
こちらはサントラ
元祖ゾンビの「ショッピングセンターのテーマ」がクラブっぽいアレンジで入っておりますよ。
この作品、決して原作を揶揄したものではなく、尊敬しまくり、崇めたたえまくって出来上がった作品だと思います。
ゾンビ映画、そしてゾンビそのものに対するゾンビ愛が十二分に感じられる作品です。
「ドリフか?」と思えるシーンも満載。
日本人のツボにもかなりクリティカルヒッツだと思われます。
元祖ゾンビの「ゾンビにパイ投げ」には負けますけど(あれを超えたら神です)。
さて、先ほどドリフと言いましたが、どの辺がドリフかと言いますと・・・
ゾンビだらけなのに全く気づかず、普段どおり生活する主人公。
街の中めちゃくちゃなのに普通にコンビニ行ってます。
歩く主人公の後ろ、ゾンビだらけ。
まさに「志村!うしろうしろ!」です。
庭に女ゾンビが出現した時、只の酔っ払いの女子と勘違いする主人公。
「えっ?ヨッパライじゃねぇの?」
ゾンビだとわかった時点での応戦ぶりも抱腹絶倒もんです。
コレクションしているドーナツ版(レコード)をフリスビーの要領で投げる。
しかも、
「これ投げていい?」「レアもんだからだめ!」
「じゃこれ投げていい?」「うーん・・・これはよし!」
そんな場合じゃないのにそんな会話。
主人公を取り巻く仲間の天然ぶりも最高でした。
天然最強。
サバイバルに生き残るには天然です。
その天然な愉快な仲間の一人が、生き残る策を提案。
「ゾンビに気付かれないようにするには、私たちもゾンビのフリをすればいいのよ☆」
背筋が凍りつくほど能天気なサバイバル方法です。
てっきり、「こんな時に冗談言ってんじゃねー!」と誰かが突っ込むと思いきや、全く反論しない仲間達。
そして早速、「ゾンビ演技」の練習&実践。
「う゛~・・・・・・あ゛~・・・・・・」
ゾンビ演技の臨時講習会。
練習の成果か、持ち前の才能なのか、ほんとにゾンビ(ホンモノ)、気付きません。
清々しいほど素通り!
この時点で私は瀕死状態でしたが、この後もこれでもかとネタが投下されます。
行きつけのパブ「ウィンチェスター」(←このネーミングセンスにも死にそうになりました)の中に立て篭もり、徘徊する無数のゾンビたちと全面対決する場面。
パブのジュークボックスからクイーンの「ドント・ストップ・ミー・ナウ」が大音量でかかり、曲に合わせてゾンビをビリヤードのキュー(棒)とクリケットラケットでバチコンバチコン殴りまくります。
「バッチコイ!!!」
主人公の恋人役も消火器を持ち出してゾンビの頭を殴るんですが、殴るタイミングが曲のリズムにぴったりで抱腹絶倒。
ところで、この作品のゾンビ、「灯りに寄ってきちゃう性質」を持ってます(蛾?)。
他のゾンビ作品を観てもそのような性質を持っている場合があるので、光や温度(生体反応?)を感知するようになってるのかも知れません。
詳細は不明ですが、このパブにも例の如く蛾の如く、寄ってきちゃうんですね。
「やばい!集まって来てる!灯りを消せ!」
ショーンが友だちの一人に叫ぶと彼は懸命に照明を消そうとするんですが、彼、すっかりブルっちゃって、配電盤のところのスイッチをやみくもにガッチャガッチャいじります。
そんな適当な作業で電気が落とせるわけはなく、表の看板のところの照明はチカチカチカチカ激しく点滅。
ゾンビ達の顔もチカチカチカチカ照らされとります。
バックにかかるは大音量のクイーン。
ライブ会場(観客ゾンビ)、満員御礼!!!
最後はハッピーエンドなのかそうじゃないのかもよくわかりません。
観る人の判断に委ねられると思いますが、エンディングテーマが流れた時に不覚にも感動!
ゾンビ化しても友情は永遠です!
何度観ても、観る度に面白い作品です。
観返す度に小さい笑いを見つけたりして、そんな「ひとつぶで二度も三度もおいしい」作品。
色々と事情はあるんでしょうが、「なんでこんなステキ作品が日本で劇場未公開なんじゃあ!!」と誰かに迫りたくなる作品。
コメディータッチですが、シッカリ、キッチリ、ゴアシーンもあります。
私にしては、永久保存版。
WOWOWの「ゾンビ特集」という素敵企画の時放映されて、嬉しかったなぁ。
そうそう、ショーンの義理の父親役が、パイレーツ・オブ・カリビアンのイカです。
愛すべきバカ2人組。
左のエド、脇役と思いきや主人公級。
この人、「キンキー・ブーツ」にも出てたよね。
<超主観的評価>
ストーリー★★★★★ スリル★★★ テンポ★★★★★ バカ★★★★★
グロ★★★
総合★★★★★
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