母は結婚式場の衣装室で働いていました。

 

きっかけは、面接官に 割合に時間の融通がきく仕事だと

言われたことのようです。

 

私が小学生、姉が中学生くらいだったから

そういうことが大事だったのでしょう。

仕事の内容より、そういうことが大事だったと

本人も言ってました。

 

しかし、いざ入ってみたら結婚式場なので

日曜日は朝から夜まで出勤だし、思っていたより大変だったよう。

私も寂しい思いをしました。

 

まあ、面接で言われたこと、入ってみたら違うって事よくありますよね。

 

姉と私に、今後学費もかかってくるからと

おそらく経済的なことがメインの 働く理由でしたが

 

近所に親戚がいる環境から、一時でも離れる時間を持ちたいという、想いもあったようでした。

 

大変だったけれど、働くこと

楽しくもあったようです。

時代も良かったしね。

 

昔の女性に多いですが、例にたがわず母も洋裁学校で学んでいます。

姉と私、幼き頃は 姉妹お揃いのてづくりワンピースなど

着せられました。

自分のおしゃれも好きな方だったと思います。

 

専業主婦より、おしゃれする機会が増える働く主婦

そういう意味でも楽しかったようですね。

みんなとワイワイする人間関係だけでなくね。

 

正直、私に寂しい思いをさせて楽しそうに働く母を

恨むような気持ちをもっていたこと、事実なのですが

 

ハタチの頃、自分の成人式の着物を、母の衣装室で借りた関係から

仕事をする母を見ることができまして。

 

会社の制服を着て、その日の新郎さんの

燕尾服にアイロンを当てている姿を見ました。

 

衣装室の部屋で一人、黙々と。

 

初めてみた、母の働く姿。

 

なぜだか、すぐに声をかけられませんでした。

 

そして、あの姿 今でもしっかり焼きついています。

 

親の働く姿って、なかなか心に響くもんなのですね。

 

そんなん見た割には、人並みに迷惑かけたり 反抗したりしてきましたが。

 

次の日曜日は、どうやら母の日赤薔薇

 

でも、何をあげても もうわからなくなってきているような

状態の 最近の母です。