マンハッタンでテロ?あくまで個人の犯行?

ハドソンリバー沿いの事件のニュースに、

あそこで?と本当に背筋が寒くなりました。

 

今年も、期せずして、去年と同じ時期に、NYへ旅して、つい先日、帰国したばかり。

世界中どこにいても、何があるかわからない・・とはいうものの暗い気持ちになります。。

 

1年ちょっとのNY生活から帰国して10年目を迎えた去年、

ひさしぶりに訪ねたNY。

 

実は私たち夫婦は、あまりにもNYでの生活が楽しすぎて、

帰国するときに願かけしたのです。

次に、住むために来ることになるまで、遊びには来ないぞ!と。

 

しかーし、転勤の兆しもないし、

退職しての移住もムリ?ということで、去年ついに解禁しました。

 

そして去年の旅もあまりにも楽しくて、なんというか勝手知ったるも多少あって、

ラクチンだったので、今年も、行こうと、安直に決めたのでした。

 

今年も私が一足先に。

でも、1年でまたずいぶんと様子が変わっていました。

 

個人的には、21歳ではじめてNYに行き、

その後、5,6回は旅として訪ね、

さらには1年くらしたけど、

今までで初めて、

もうあまり好きになれないかも・・・?とおもったのです。

 

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※ナッツ好き、という共通点のこの子たちも、しきりに冬支度中でした。

 

マンハッタンは、アベニューという縦の通りも、

ストリートという横の通りも、

交互に一通。

アベニューは奇数は上から下へ(北から南)。 

偶数は下から上へ(南から北)

ストリートは、偶数は西から東へ。奇数は東から西。

途中に、50thとか、34thとか、両方向の道があります。

これを斜めにぶった切っている、ブロードウェイは、北から南へ。

 

私たちはここを走るバスに乗って、街を眺めるのが大好きでした。

 

例えば、M6というバスは、6アベニューを北はハーレムの方から降りてきて、

帰りは、7アベニューを、サウスフェリーかイーストヴィレッジあたりから、

北へのぼっていきます。

 

つまり、これにひまなら1時間半くらい乗っていれば

(それぞれのどんつきで降りることになるけど)

6と7の街並みは制覇できます。

同様に、M5とか、M2なんていうバスがあって、おすすめ。

 

同じように、歩くときも、例えば、あるストリート(横)を、

イーストリバーの1avから、10avまで歩けば、

なるほど・・とわかることがある。

例えば、2と、パークアベニューの違いとか、

ざっくりとイーストサイドとウエストサイドの違いとか、

そんなことなのですが、

それを感じながら、あれこれ思いながら、歩くのが、ただたのしい。

 

上下ともに、端っこになってくると、

そう碁盤の目ではないけど、

上は上で、下は下で、ある意味規則的なので、迷うことはあまりないと思う。

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今回も、まずは一人で、そんなことを。

二人になってからも、結局、

街を見ていた時間がいちばん長いと思う。

しみじみ、

『NYって、ぎゅっとここに凝縮しているから飽きることなくおもしろいんだろうね』と。

 

私はいつも、

テーマパークみたいだと思いながら、

ただ、観客になってみています。

 

例えば、バスっていうのは、

どこまで乗っても、2ドル75セント(かな、くらい)。地下鉄と同じです。

でも、あきらかに地下鉄と違って、

お年寄りや、体の不自由な人、女性、貧乏な人(あくまで見た目)、が多い、と思う。

時間が読めなくていい人たちだから必然かな。

 

アップタウンに行くと、明らかに比較的豊かなおしゃれな白人のおばあちゃんが、

ちょこっと乗ってきたりする。

彼女たちは決して(ほぼ決して)黒人の隣に座ることはない。

その先はハーレムだから黒人もたくさんのっているわけだけど。

席が空いていても。

逆も私は見たことがない。

なにもルールはないけど、前のほうに優先席があることもあってか、

後部座席にヒスパニックや黒人が座っていることが多い。

運転手は、映画『パターソン』のような白人はほぼ見たことがなくて、

ほとんどが、黒人かヒスパニック系の人々。女性も珍しくない。

 

観光客が、地下鉄より少ないこともあって、バスはいろんなことが見えるな、といつも思う。

 

一般的に、あらゆる人種が共生しているというのだけど、

たしかに、あらゆる人種の人が住んでいるけど、

交わってはいない。

それぞれが、干渉せず、互いのテリトリーを守りながら、

領空侵犯することなく、うまく暮らしているという印象。

 

私の専門分野?と言われた、デパートも、

はっきりとクラスが分かれている。

バーグドーフグッドマン

サックス、

ブルーミングデイルズ、ロイドアンドテイラー

メイシーズ、

そしてターゲット、ウォルマート、

ここのお客さんが交わらないのがすごいなーといつも思う。

日本なら、

和光にもイトーヨーカドーにも行くって人、普通にいますよね。

 

さて、今年あらためて思ったのは、

バスに乗っている人が、ますます、貧しい様相の人たちになったな、ということ。

地下鉄も、そんな気がしました。

もはや、多様性はあまりなくて、

バスは特に、

真ん中から下のクラスの人たちが中心と。

お金持ちは、歩いてるか、車か、タクシーか?

 

いや、きっと、とびきりなお金持ちと、

真ん中から下の人の断絶が、すごくなっているんだと思う。

 

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例えば、ランチ。

マンハッタンのアッパーな会社員のランチ価格の平均が

12ドル~15ドルぐらいなのだそう。

(東京なら500円くらいのサラダだったりするんだけど。)

そう思ってみると、ある程度ちゃんとしたカフェの場合、

見事に12ドル!というのが多い。

 

一方で、前より増えた気がするダンキンドーナツや、

1ピース1ドルのピザは大混雑。

そういう店は、たいがい、33th~25thくらいの間にある。

このゾーンはマックも。

 

はたまた一方、

57thのバーグドーフグッドマンの最上階のパークが見えるカフェは、

1品、前菜が、20ドルくらい。コーヒーまで飲んでランチしたら、

最低で50ドルというところかな。

シャンパンを飲みながら、優雅に話す、スニーカー姿のおば様とか、

ママと来ている10代のブロンドのほっそいゴシップガールとかで、

満席。

 

旅人な私たちは、両方に出入りしながら、

思うところはいろいろある。

 

今回は、『それでもここに住みたい?』と問いかけたくなることが前より多かった。

ドリームはないんじゃないかな・・と。

そこまで頑張らなくても、もうすこしラクに暮らせるところあるんじゃないかな?と。

 

10年前は、ここまで思わなかったけど、

いや、去年でさえ、ここまで思わなかったけど、

今回は前にもまして、

マンハッタンのキングとクイーンに、

クイーンズやブロンクス、ブルックリンから

ぞろぞろとつかえる、家臣の群れ、

そのまた下にひかえる奴隷の群れ・・みたいな映像がたびたび浮かんできた。

しかも前と違って、

みんな暗い。そんな映像。

 

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30年近くNYで、第一線の弁護士として生きている友人は、

上から1%の高額所得者になっても、それで、やっとなんとかやっていける感じであって、

成功の実感はないんじゃないかな。

上から、0,001%くらいだけが、潤って、すべてハッピーなんであって・・。

そのいびつさって、前よりひどくなっている、ゆがんだバブルなんだよ、と。

 

よく言われていることだけど、

それが、ただバスに乗ってぼんやり街を見ていても、

恒例のスーパーマーケット巡りをしていても、

強く感じられました。

これまでで一番強く。

 

私たちが暮らしていたのは、リーマンショック直前まで。

すでに、いびつなバブルの匂いをさせていた去年は、トランプ前。

そして、今年。

 

ジョディ・フォスター監督で、ジョージ・クルーニー主演の

マネーモンスターっていう映画で、

自分をそそのかしたと怒ってテレビ番組をジャックする白人青年が、

『時給、14ドルで、週に5日働いて、どうやって家賃払うんだよ』

というセリフがある。

それは単純労働で、いわば、もう頑張りようがない仕事で・・と。

それでも、NYにいたい?

いるしかない?

 

稚拙な表現で、自分にうんざりしながら書くと、

格差が、もう、手の施しようがなく、システムとして広がっていて、

いわゆるクラスだけではない、

もっと細分化された分断の、くっきりとした線が、

これまで以上に見えていて、

普通の人には、くらしにくいだろうなーと、しみじみ。

 

這い上がるか、転落するか、真ん中が宙ぶらりんになる感じ。

 

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そんなふうに、よそ者観光客として、

ぼんやり、観察しながら私は・・・ふと。

 

もしかしたら、東京も同じなのかな?と。

 

毎日会ってるから、妻がやせても全く気がつかない夫と同じで、

気づいていないだけ?

 

SNSのおかげ?もあって、

前にもまして、世界は急激に狭くなっていて、

同じクラスター(死語だそうです・・)の人しか見えていないから、

気づかない?

こうして、はじからはじまでバスに乗って、街を観察したりしないし。

思えば、渋谷より先に行くことも月に1回もないかも・・。

 

そんなことをおもいながら、

相方を待っていました。

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いや・・・この人はハッピーそうで、、よかった。

 

そんな今回のNYのこと。

何回か、書きます!!

 

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