ジム・ジャームッシュ監督の新作、

Paterson 観てきました。

もしかしたら、今までのジム・ジャームッシュ作品でいちばん好き?

 

バスの運転手をしながら、詩を書く、主人公パターソン。

ニュージャージーのパターソンで生まれ育って、

ずっとこの町から出ずに、

家と会社(バス会社)を往復する毎日。

毎朝、6時10分ごろに起きて、

陽があるうちに帰宅し、

妻と夕飯を食べ、

夜は犬の散歩をしつつ、いつものバーに寄り、

1杯だけ飲む。

その毎日が、淡々と描かれる・・・と言っちゃうとつまらなく感じるかなあ。

 

確かに、何も起こらない映画。

でも、かなーり、いろいろなことをそこに見つけました、考えました。

 

終わってから

自分にたくさんの質問をしました。

いくつかについて、まだ、答えを探しています。

 

人と違うことを認めているか?

隣人が私の違うことを、芯から尊重しているか?

 

優しさを、ともすれば、愚鈍?と思ってしまうんじゃないか?

思ってしまっていたんじゃないか?

変わらないことを、停滞と思っていたんじゃないか?

 

どう生きたいか?という自分の気持ちに正直か?

正直であり続けられているか?

大切なものが何か?

ときどきそれを勘違いしていないか?

愛することは全部知ることだと思っていないか?

 

そう、そして、映像が美しい。

なんでもない、アメリカの小さな町が、ちょっといとおしくなります。

そして、これが、マジョリティーなんだよなー、と改めて。

今、アメリカで起きている分断についても考えました。

 

また全編を通して重要な役割を果たしている 詩 のこと。

スナップチャットやインスタグラムに代表されるSNSで、

写真だけでキャッチボールする時代、

映像が瞬時に全世界をかける時代、

言葉はどうなるのか?

彼が、手で、ボウルペンをカチッと言わせて書きはじめ、つづる詩に、

言葉で表現する、言葉を書き残すことの、脆さ、危うさ、儚さを見つつ、、、

まどろっこしいし、できる人が限られているし、

言葉好きは減っていく一方だけど、

いや、でもだからこそ最強なのではないか?と。

 

映画の中で唯一おきる事件?にも、

その儚さと、強さを両方見る気がしました。

 

それにしても、この映画は、アダム・ドライバー!です。

スターウォーズでのハン・ソロの息子、カイロ・レンで知ったのだけど、

いやはや、いいわあー。

『沈黙』でもとってもいいな、と思ったのですが。

 

もともとは舞台からスタートの人なんだそう。

9.11のあとに、志願して海兵隊に入隊したとか。

気骨、こだわり、情熱、

人気俳優になってからの作品の選び方にも、なにか感じるものがあります。

スコセッシ→ジム・ジャームッシュだし。

(サタデーナイトライブのボスのパロディも最高だった!)

 

これまでの出演映画と、彼を一躍有名にしたHBOのドラマ、ガールズ?、

観てみたいと思っています。たのしみ。

 

※公式サイトはこちら。↓

http://paterson-movie.com/

 

 

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