今回は 「③断熱材の施工方法」 についてのお話です。
前回の 効果的な施工 部分の話になります。
断熱材の種類はいくつかありますが、木造住宅に一番使われるのが 「グラスウール断熱材」 です。
その理由は 「低価格」 「高性能」 「施工が早くて容易」 だからです。
しかし、このグラスウール断熱材は正しい施工で仕上げなければいくら高性能の断熱材を使用していても断熱効果が十分に発揮されないという欠点があります。
つまりは現場の大工さんの施工次第では意味が無いということにもなります。
「改正省エネ基準」 が制定される以前は特別施工方法に関する技術指導とか施工説明書みたいなテキストなどはありませんでした。
なので工務店や大工さんの技術によって仕上がりがバラバラで、実際には断熱効果が発揮されていない住宅もかなりあったと思います。
そこで、改正省エネ基準が制定された2012年頃からグラスウール断熱材の効果的な施工方法の指導が入るようになり全国での講習会が開催されはじめました。
私も2014年に受講しましたが、従来の施工方法よりもかなり細かいところまで
注意が必要なんだと改めて基準の高さを思い知らされ、以後の仕事では改正
省エネ基準の施工方法を取り入れるように改善しました。
ちなみに、その講習会で頂いた資料の中に 「講習受講者の回答」 というアン
ケートがあって、それには 「適切な断熱施工では手間がどれくらい増える
か?」 との質問に対して回答は 「平均1.4人工増」 と書かれていましたが実
際にはもっと増えると思います。
この講習会ですがまだまだ受講していない大工さん達がたくさんいます。特に
ご年配の大工さん達は講習の受講も施工の改善もしたがらない傾向が強いの
で外注や手間受け大工を雇って建てているようなところは不安です。
以上が 「③断熱材の施工方法」 における対応問題です。
これで 『建物の断熱性能』 に関するお話は終わりです。
次回からは新たに追加された 『設備の省エネ性能』 のお話をします。