三上監督は、米軍だけでなく自衛隊も
美しい島々を蹂躙していく
米軍だと反対の声を上げるが
自衛隊では逡巡してしまう国民感情に
付け込んだ政策へ警鐘を鳴らしています
話の軸足が自衛隊に移ってくると
問題を矮小化せずに、本気で「国防」を
議論する必要が出てきます
・米軍を撤退させるなら、本当に自衛隊だけに
国防を担わせるのか
・「専守防衛」は、相手に攻撃され、
ダメージを受けてからしか反撃ができない
この時点で、基幹部隊が破壊されていれば
敗北が決定してしまう
・PAC3ではすべての砲撃を迎撃できない
・敵基地攻撃能力を国民は容認できるのか
・人口減の中、国防に必要な自衛隊員を
どう確保するのか
三上監督の新たな問いかけは
沖縄の尺度だけでは答えが出せない
本質的な議論が必要になる
「きれいな海を埋め立てるなんて
許せない」的な煽情的な話ではなくなる
今回の映画にも出てくる与勝半島にある
「勝連城」に上ってみれば、沖縄の海岸が
原型をとどめていないことは一目瞭然で
わかります
沖縄の人たちも、キレイな海を
埋め立ててきた歴史が見られます
サンゴが死滅に瀕しているのも
基地建設だけが理由じゃない
これまで先島諸島では、本島ほどの米軍被害が
なかったので、同じ沖縄県でも、基地問題への
意識は低い地域もあった
温暖化でホッキョクグマの生息環境が
脅かされている、、、
このことに沖縄の人はどう行動してきたか?
そして、基地反対でも賛成でも
お金が入ってくる構造が沖縄には確かにある
様々な視点・視座で国防を考えていく必要が
出てくる
映画の中で若者が呼びかけます
「この島(石垣島)を1つのお弁当箱だとして、
蓋を開けたらご飯だけ、唐揚げだけでは
つまらない。色々な具材(意見)が、
それぞれに魅力的に並んで、子どもたちが
ワクワクしながらお弁当を開けるような島に
したい。だから色んな意見を出し合って
どんな島にするか話し合おう」
この住民自治の基本ですら、
当の石垣市は潰してしまうわけですから
石垣市、沖縄県、日本国が
どんなお弁当を作っていくのか
我々みんなが当事者として考え
行動していかなくはいけません
軍隊は住民を守らない
政治家は住民を考えない
古今東西、このことだけは変わりません
三上監督には、次回作でその辺りに
踏み込んで欲しいと思います
そんなことを考えて、
モヤモヤが晴れない帰路でした
しもきた三線倶楽部