大体、私に書けることは書き尽くしたような気がします。
以下は、役に立ちそうなリンク集です。
もちろんリンクフリーです。

~~~

緊急被曝医療研修のホームページ
http://www.remnet.jp/index.html
(ただしアクセス集中を防ぐため西日本の方など急を要しない方は
ミラー http://remnet.webcdn.stream.ne.jp/www09/remnet/index.htmlを使って下さい。以下のリンクは全てミラー)

この中でも特に
緊急被ばく医療「地域フォーラム」テキスト(平成20年度版)
http://remnet.webcdn.stream.ne.jp/www09/remnet/lecture/forum/index.html
が参考になります。特に、6. 体内汚染の治療は
http://remnet.webcdn.stream.ne.jp/www09/remnet/lecture/forum/10_06.html
が参考になるはずです。

私が色々調べて書いた内容、全部ここに書いてあった・・・

~~~

日本医学放射線学会
放射線被ばくなどに関するQ&A
http://www.radiology.jp/modules/news/article.php?storyid=911

今まで書いたことに足りない、欲しいと思っていた情報、
妊婦、子供への影響がまとめられています。

~~~

放射線と健康を考える会
http://www.iips.co.jp/rah/

絵を多用していて、一般の方でも取っつきやすいのではないかと思います。
特に、
少しの放射線はこわくない
http://www.iips.co.jp/rah/kangae/lowdose/kowaku_m.htm
「約500ミリシーベルトまでは放射線の遺伝的リスクは心配ないといえます。」など、今回の件で心配な方は読んでみてはいかがでしょうか。
別のページでは論文紹介など、根拠についても書かれています。

~~~

日記中でも書いた、財団法人日本分析センターが運営する「日本の環境放射能と放射線」
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/kl_db/servlet/com_s_index

過去の大気中のチリに含まれる放射能の経年変化や、色々な食品中の放射能などのデータが膨大に収められています。用語説明などもあります。
ライブラリには放射線測定法のテキストなどもあります。
核実験やチェルノブイリの際には今回の事故が起こる前の1000倍近い放射能が飛んできていたことが分かります。

横須賀のモニタリングポストの現在のデータが見られます。
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/real-data/servlet/area_in?areacode=1

~~~

原子力・エネルギー教育支援情報提供サイト あとみん
http://www.atomin.go.jp/

小、中、高校で取り上げる原子力関連のテキストなどの膨大な情報があります。
高校での解説書あたりが分かりやすいのではないでしょうか。
http://www.atomin.go.jp/atomin/high_sch/reference/index.html

~~~

私と同じ専攻の神野先生がお書きになった放射線に対する説明文です。
応用物理学会放射線分科会のサイトに置いてあります。
http://annex.jsap.or.jp/radiation/20110316.html

実は私とこの先生、前の日記でコメントを頂いた宇根崎先生はじめ関西の多くの原子核・放射線関係の人間が関わっている「アトムサイエンス倶楽部」と言うところで、一般に対するセミナーや工作教室などをやっています。
今回もお互いにデータ共有をして色々な意見を頂いています。

~~~

放射線影響研究所
「わかりやすい放射線と健康の科学」 [PDF:6.6MB]
http://www.rerf.or.jp/shared/basicg/basicg_j.pdf

広島・長崎の原爆被爆者に対する放射線の影響を調査しているところだそうです。そこのパンフレットの PDF です。

~~~

放射線医学総合研究所
東北地方太平洋沖地震に伴い発生した原子力発電所被害に関する放射能分野の基礎知識
http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i3

生物に対する影響の本家本元、放医研です。
私が使っている 10mSv で 0.01% と言う値よりやや大きめに発がんリスクを見積っています。

~~~

日本原子力研究開発機構

私の古巣の大洗は 4m超の津波に見舞われていたのでとても心配していましたが、ウェブサイトのアナウンスによれば重篤な損害はないとのこと。

○原子力機構各拠点のモニタリングポスト(代表点)における線量率の推移
http://www.jaea.go.jp/jishin/110316moniter.pdf

ようやく経時変化のグラフを見つけました。
やはり、非常にピークが狭く、大きな値は一時的な物のようです。

~~~

東京電力
http://www.tepco.co.jp/index-j.html

言うまでもありませんね。
とりあえず福島第1のモニタリングカーによる計測結果
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110316e.pdf
グラフでないと分かりにくいですね・・・

~~~

朝日新聞
東日本大震災 原発関連記事一覧
http://www.iips.co.jp/rah/kangae/lowdose/iden_m.htm

政治に関してはサヨク売国新聞ですが、科学面では比較的マシです。

~~~

簡単!栄養andカロリー計算 の栄養素別食品一覧
http://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/index_nut.html

食品中の色々な成分含有量が分かるので、カリウム、ビタミンD、カルシウムの豊富な食品が分かります。

~~~

私の書いたまとめです。
http://218.224.231.254/~akiyoshi/NuclEng-Close/summary.htm

このリンク集のhtml版です。
http://218.224.231.254/~akiyoshi/NuclEng-Close/Links.htm

ID: GuestB
Pass: SamPaso
で制限しています。

注意事項として、

・京都大学原子核工学専攻の公式見解ではなく、あくまで個人「秋吉優史」での発信である
・かなりはしょった部分があるので、厳密さに欠けている部分があります。専門家の間でも統一的見解とはなっていない部分もあります。数字、結果の独り歩きには極力注意して下さい。
・より詳しくは、リンク先の専門機関のサイトを見てみて下さい
・違うことが書かれている、と言う部分がありましたら秋吉までご連絡下さい
・心配しすぎるのもダメですが安心しきって舐めるのもダメです。自分の頭で判断した上で行動して下さい。私は全ての安全を保証する立場ではありません。
・安全に避難できるのであればそれは一つの効果的な対処法です。パニックにならず冷静に対処して下さい。

を示した上でリンクするようにして下さい。
Q: 福島第1の三号機はMOX 燃料を使っていてプルトニウムが入っているんじゃないの?
A: 仰るとおり、福島第一三号炉はMOXを使い始めたばかりです。
この燃料にはプルトニウムが含まれています。
が、普通のウラン燃料でも、使ううちにプルトニウムが生成しますので、
量の差が多少有りますがそれほど大きな違いはありません。


Q: 核爆発は起きないの?
A: 報道でも繰り返し有ったように、原子炉の「核分裂反応」自体は地震直後に自動的に止まっています。
原爆などはこの核分裂反応がねずみ算式に増えて、大爆発しますが、原子炉は元々反応がそんなに進まないようになっている上に、反応を止めてしまう制御棒がしっかり差し込まれています。

ただし止めた後も、じわじわと熱が出てきます。運転時の0.2%程度なのですが、元の出力がでかいので 5000kW 以上になります。ドライヤー5000本ぐらいでせっせと暖めている状態です。これを冷やすための水が無くなってしまったのが今の状態です。核反応的には急激な反応はないですが、水と接触したりすると水素爆発や水蒸気爆発の可能性があります。

これらの爆発は、規模はとても小さいですが、これによって放射能がまき散らされるととんでもないことになります。
が、核爆弾のような大爆発は絶対に起こりません。
溶けてしまって配置が変わった炉心でも核反応が起こらないようにホウ酸水も注入してます。ホウ素は、核分裂反応をストップさせる働きがあります。

現状では、原子炉の「外」で水素爆発が起こっていて、滅茶苦茶頑丈な格納容器内部には影響がないのですが・・・(一部配管に破損があったようですが)
とにかく事態の推移を見守るしか有りません。
今はとりあえず落ち着いた状態にあるようです。
初めて私の文章を読む方は前三つを読んでからコメントして頂ければと。
とりあえず、この記事は半分本当で半分ウソです。

400mSv/h の環境に留まれば身体に影響があることは間違い有りません。
37分程度で 250mSv に達し、リンパ球の減少が見られるなどの確定的影響が出ます。
このレベルが1時間継続されてなおかつそこに1時間居続けても、発がんリスクは1000人いて4人増加する程度です。

問題はこの数値は3号炉の周辺のピーク値であって、すぐ近くの2号炉と3号炉のでは 30mSv/h とかなりばらつきがあります。非常に濃い放射能の気体やミストの直撃を受けたと思われます。おそらく過去の報道を見て時間的にも非常に短い時間であると思います。
トータルでどのような核種が、何Bq 放出されたのか、非常に難しいとは思いますが評価しないと人体への影響がどの程度かは評価できません。

なお、発がんは何Sv 以上被曝したら起こるとか言う物ではありません。
少しずつ被曝量が増えるほど確率が上がっていく、確率的影響なのです。
10mSv で1万人に1人が何らかの癌を発症すると言われています。
元々の日本人の発がん率を考えて、これをえらいこっちゃと取るか、無視できると取るか、判断はお任せ致します。

この記事を書いた人は、線量率の Sv/h とそれを時間で積分した線量の区別が付いていないことや、確率的影響と確定的影響の区別が付いていないなど、極めて不勉強であり、責任有る報道を行う資格はないと思います。


さて、距離を置くとどの程度希釈されるかは、風向きや気象条件によっても異なりますが、今回は以下の記事が参考になります。

新宿で通常の最大21倍放射線量 都「人体に影響ない」
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103150269.html

「東京都は15日、新宿区内で同日午前に実施した放射線量調査で、通常の最大21倍の放射線を検出したと発表した。最大値は0.809マイクロシーベルトだった。都は「ごく微量で、人体に影響を及ぼすレベルではない」としている。」

ということで、都内でも有意に測定できるだけの放射線が検出されています。もちろん、福島で放出された「放射線」が直接検出されたわけではなくて、放射性物質が飛んできてそれが出した放射線が検出されています。
この記事の範囲ではピーク値は午前10時と言うことで、上記の400mSv/h が観測された時間より前であり、直接比較できないとは思いますが・・・

どのぐらい影響があるかとても不安でしたが、この程度の量と持続時間であれば全く問題有りません。

少しでも影響を減らしたいという神経質な方は、自宅のドアの外で衣類をはたいてから部屋に入り、うがい、手洗いなどをすることお薦めします。
何のことはない、杉花粉やインフルエンザ対策程度のことです。

ただ、福島の周辺でのモニタリング結果が・・・気になります。
さしあたって政府対策に従って下さい。

発がんの確立がどの程度かというのは上に書きましたが、即死するような数Svを浴びたとしても、(そのまま何十年も生き続けたとして)数パーセントの発症率でしか有りません。
不便な避難所に移動して風邪をこじらせて肺炎で死んでしまう確率の方がずっと高いのです。特に高齢者では被曝から発がんまでの潜伏期間を考えると、発がんリスクはもっと小さいと考えられます。

とにかく、「リスク」とは何か、常に他のことと天秤にかけて考えてみて下さい。人間に降りかかるリスクは放射線だけではないのですから。

~~~~~~

■福島第一放射線濃度は「身体に影響」…官房長官
(読売新聞 - 03月15日 11:27)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1535743&media_id=20

 枝野官房長官は15日午前記者会見し、東京電力福島第一原発4号機で発生した火災で、同10時22分に、同原発3号機付近で毎時400ミリ・シーベルト(40万マイクロ・シーベルト)、隣接の4号機周辺で同100ミリ・シーベルト、2号機と3号機の間で、同30ミリ・シーベルトの極めて高い放射線を観測した、と発表した。

 100ミリ・シーベルトの放射線を浴びると、がんになる人が増加するといわれる。
 枝野官房長官は、3号機付近の放射線レベルについて、「身体に影響を及ぼす可能性があることは間違いない」と述べた。
<<シーベルトって何の単位?>>

で、ここからがやっかいなのですが、核種によって、放出する放射線の種類も違えば、エネルギーも違います。
ベクレルという単位では、何発出たか、しか分かりませんが、同じ一発でも、子供のしっぺ一発と、ヘビー級ボクサーのパンチ一発とではえらい違いです。
結局どれぐらい痛かったか、が、シーベルト(Sv) という単位です。
難しい言葉では、線量当量と呼びます。
一発あたりのエネルギーと、それを何発食らったか、で決まります。

で、元々の放射能から出るビームの数は同じでも、放射状に出ていますから、遠くに行くとだんだんビームとビームの間隔が開いていくのがイメージできますでしょうか? 的が遠くに行けば行くほど当たるビームが少なくなります。このため、放射線を出す線源からの距離の2乗でどんどん受けるダメージは少なくなっていきます。

放射線の種類(原子力・エネルギー図面集_放射線_2011版.pdf 4ページ目参照)によって人体に与えるダメージが違うので、それも補正しています。(狭い範囲に集中してエネルギーを与えられた方がDNAに与えるダメージが大きいのです)

シーベルトは、「『結局』どれぐらい痛かったか」と書きましたが、受けたダメージを積算した量と言うことも出来ます。ある一定時間にどれぐらいダメージを受けたかは、例えば一時間あたり○シーベルト、とか、シーベルト/時 (Sv/h) と書いたりします。線量等量率、と呼びます。

今回の件で敷地境界で 1mSv/h と出ていたのが、この線量等量率です。
一時間そこにいると、1mSv 被曝しますよ、と言う値です。
( m はメートルではなく、ミリです。1/1000 を意味します。μは同様にマイクロ、1/1000000 を意味します)


<< 1mSv ってどれぐらいの量なの? >>

一般の人でも日常生活で色々な放射線を浴びています。
宇宙からやってくる宇宙線(0.39mSv/年)、地面に含まれる放射性同位元素から出てくる放射線(0.48mSv/年)による外部被曝、食べ物に含まれる放射性同位元素(0.29mSv/年)や空気中に含まれるラドンなどによる内部被曝(1.26mSv/年)が主です。なお、括弧内は世界平均の値で、合計すると 2.4mSv/年になります。
(原子力・エネルギー図面集_放射線_2011版.pdf 7ページ目参照)
上で書いたカリウム40 による内部被曝は、一年間でおよそ 0.18mSv です。

前にも書きましたが、ラドンによる被曝は建物の造りでだいぶ違いますし、地面からの放射線は地域によって異なります。一年間に、神奈川で 0.81mSv に対して岐阜では 1.19mSv と 0.38mSv も違います。
(原子力・エネルギー図面集_放射線_2011版.pdf 8ページ目参照)
日本では木造建築が多く、ラドンによる被曝が少ないため、自然界から受ける放射線全部合わせて約 1mSv/年 です。

それに加えて、飛行機に乗ると、空の高いところは宇宙線を遮る空気の層が薄いため、宇宙線を多く浴びます。欧米への国際線に1回乗ると 0.1mSv 程度被曝します。宇宙飛行士などは、もっとずっとたくさん被曝していることになります。

またレントゲン撮影などの医療によっても被曝します。
肺の単純レントゲン撮影で、50μSv、バリウムを飲んで行う胃のレントゲン撮影で 0.6mSv、全身 CTスキャンでは 6.9mSv も被曝しています。被曝によるダメージよりも、検査して病気を発見し治療を行う事が出来るメリットが大きいために、これらの被曝を恐れる必要はありません。もちろん、不必要に被曝すればリスクだけ高まります。

<< 確定的影響と確率的影響 >>

では、どれぐらい放射線を浴びると影響が出るのでしょうか?

数日程度の短い時間に、0.15 Sv の被曝で男性の一時的不妊、0.25 Sv でリンパ球の減少などの症状が現れ、3~5 Sv で半数の、7~10 Sv 被曝すると、ほとんどの人間が死んでしまいます。

これらの非常に高い線量で起こる、個人差があまりなく、あるしきい値を超えると起こる影響のことを、確定的影響と言います。症状の重さが線量に比例することも特徴です。

それに対して、放射線を浴びたことによる発がんは、同じ線量を浴びても人によって発症したりしなかったりします。個人差もありますが、確率の問題であることが統計的なデータから明らかになっています。
つまりがんの発症する確率は、放射線の量と比例関係にあり、線量が増えるほど発症率が高くなります。
例えば、10mSv 被曝すると、100万人のうち 20人が一生のうちいずれかの時点で白血病を発症し、他のガンの発症の確率も全部合わせると、1万人に一人が発症すると言われています。(ブルーバックス B-634 人は放射線になぜ弱いか 弱くて強い生命の秘密, 近藤宗平著 ← とても良い本です。興味がある方は一度読んでみることをおすすめします)
発症後の症状の重さは、線量に関係なく一定です。このような影響を、確率的影響と呼びます。

ただし、前回も書きましたが、自然界のレベルに近い領域では、確率が低すぎて他の要因による誤差に埋もれてしまい果たして本当に線量が低ければ低いほどリスクが低いのかは分かっていません。ただ、そう考えた方がより安全に評価できると言うことで、この考え方を元に様々な規制法などが作られています。

たとえば放射線業務従事者では1年間に 50mSv 以上、5年で 100mSv 以上被曝しないように管理する必要があります。これは、これ以上被曝したら健康上問題がある、と言う量ではなく、他の業種の様々なリスクと同程度とする、と言う数値です。

例えば、1日20本のタバコを1年間吸い続けた人の発ガンの確率は、70~280 mSv の放射線被ばくに相当するそうです。1日1本を1年間吸っているだけで、10 mSv 以上の被曝に相当すると言えば、今回の事故での被曝量がどの程度体に悪いか、想像が付くのではないでしょうか。
Q: 放射能と放射線の違いって何?

A:
非常に多くの方が疑問に思っておられるかと思います。
「放射線」を出す「能力」 のことを「放射能」と呼びます。
良く、懐中電灯と光を使って説明されていたりします
(http://218.224.231.254/~akiyoshi/NuclEng/ に置いてある
原子力・エネルギー図面集_放射線_2011版.pdf の1ページ目)。

放射線には何種類か有って、レントゲン撮影の際に用いるエックス線のように物を突き抜ける能力の強い、非常に波長の短い電磁波と、あまり突き抜ける能力は強くないけど狭い範囲に一気にエネルギーを与える電子や原子核が飛んでくる粒子線が有ります(原子力・エネルギー図面集_放射線_2011版.pdf 4ページ目)。

まあ、いずれにしても、これらの放射線を出す能力のある物質から、四方八方にビームのように飛んでいきます。(放射状に飛んでいくから放射線と呼ばれます)

で、一秒間に何発このビームを打つ能力があるか、が、放射能です。
単位は、発、ではかっこ悪いので、ベクレル(Bq) と言う単位が使われます。

ただ、日本語では、この放射線を出す能力がある「物質」も、「放射能」と呼んでいます。
これが混乱の元なのですが・・・
放射性物質、とか、放射性同位元素、と書けば誤解は少ないのですが、慣例的に放射能と言ってしまうことが多々あります。
英語では、前者の放射能は radioactivity, 放射性物質は radioactive material と明確に区別されています。


<<放射性同位元素って何?>>

同位元素、と言う単語が出てきましたが、原子は周期表で92番のウランまであって・・・というのを習ったかと思います。・・・習ったはずです、思い出して下さい!
で、原子核というのは92種類しかないかというと・・・そんなことはなくて、ずっとたくさんの種類があります。実は、原子核というのは陽子と中性子という二つの粒子から出来ています。

はい、もうしばらく逃げないで読んでみて下さい m_O_m

陽子の数が違うと、化学的に全然違う性質を示します。ので、周期表では陽子の数の違いだけでまとめています。ですが、陽子の数は同じでも中性子の数が違う、兄弟のような原子核が存在します。
この兄弟達を、「同位体」もしくは「同位元素」と呼びます。
化学的にはほとんど同じ性質なのですが、原子核レベルの現象では、兄弟といえども性格が違う場合があります。やんちゃで、放射線を放出する同位体のことを、「放射性同位体」もしくは「放射性同位元素」と呼びます。(逆におとなしい子は「安定同位体」等と呼ばれます)
陽子と中性子の数、両方の組み合わせで全ての種類の原子核を表現できますので、これを「核種」と呼びます。「元素」よりももう少し細かく指定できることになります。
例えば、セシウム137 は、セシウムという元素の、陽子と中性子の数の合計が137個(セシウムは原子番号 = 陽子の数 55個なので、中性子は82個)の核種と言う意味です。

<<半減期について>>

放射性同位元素は、ある核種から、別の核種に変わる際に放射線を放出します。
逆に言うと、放射線を出すと別の核種に変わります。やんちゃすると元の家には居られなくなってしまうわけです。
放射線を放出する度に、元あった放射性同位元素は減っていきます。放射線を放出する確率は核種により一定で、どんどん放射線を出して減っていく核種も居れば、長いこと黙っていてたまにぽろっと放射線を出す核種も居ます。元あった放射性同位元素の数が半分になるのにかかる時間を、「半減期」と呼びます。
半減期が1分の核種があったとすると、1分後には最初の半分しか放射性同位元素が無くなってしまうので、出てくる放射線の本数も半分になります。2分後にはさらに半分の1/4、3分後にはさらに半分の1/8・・・と倍々ゲームの逆でどんどん減っていきます。10分後には 1/1024 になります。
半減期が長いと長いこと放射線を出し続けますが、逆に言うとたまにしか放射線を出さないため、同じ数の核種があった場合、半減期が長い方が放射線の量は少なくなります。安定同位体は、半減期無限大と言うことも出来ます。

今回話題になった核種の半減期がどのぐらいかというと、ヨウ素131 が 8分、セシウム137 が 30年、キセノン131m が 11.8日です。そして、核燃料であるウラン-238 は何と45億年です。
(原子力・エネルギー図面集_放射線_2011版.pdf 5ページ目)。

ちなみに・・・ある核種から別の核種に変わることを「崩壊」と呼びますが、崩壊する時に絶対に放射線を出すかというとそうでもなくて、気まぐれで出さない時もあります。(出す確率を放出確率と呼びます)ベクレルという単位は、正確にはこの崩壊が一秒間に何回起こるかで、放射線が何発出たかではないのですが・・・まあ、イメージとして分かりやすいので上のように書いています。
原発爆発で迷惑メール=「惑わされないで」と呼び掛け―茨城
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1535274&media_id=4

京都大学原子核工学専攻の秋吉です。
専門は材料屋で、セラミックスの照射損傷とかなので、直接生体と放射線について専門なわけではないのですが、分かる範囲で書いていきます。

とりあえずこの記事にある雨に放射能が・・・ですが、実は、今回の事故と関係なく、雨の「降り始め」には、わずかに自然界の放射線量が増加することが知られています。大気中に含まれる放射性物質を雨が抱えて落ちてくるためです。
今回の件でも、同じ事が起こるためごく僅かに雨に放射能は含まれているとは思いますが、原爆が落ちた後の黒い雨などとは全く異なります。そもそも放出された量が全く異なります。
大体にして、下に書くように人間自身の中に放射能が元々含まれていて、全員が常に被曝しつづけているわけです。量の多い少ないは有りますが全員が被曝者です。このあたり、様々な報道で「被曝した」と言う表現が使われていますが、極めて不正確な表現なのがおわかりいただけるかと思います。
さらに、元記事中では「被爆者」と言う表現が使われていますが、「爆」の字を使うのは原爆で被曝した場合です。あ、被曝とは、放射線にさらされる、と言う意味です。

放射線にはレントゲン撮影の際に使うエックス線のように、体を突き抜けて行く物があり、体の外に放射線を出す物質があっても影響を受けます。これを「外部被曝」と言います。
これに対して体の中に放射性物質を取込んでしまった場合、突き抜ける力が弱い放射線でも影響を受けてしまいます。これを「内部被曝」と呼んで区別しています。
で、ただ単に体の表面に付いた場合は「汚染」と呼びます。汚れただけなので洗えば取れます。これを「除染」と呼んでいます。取るのが遅くなるとその間に被曝もしますが、報道では汚染と被曝がごちゃごちゃになっていて分かりづらいと思います。
まあ、被曝、特に内部被曝の評価はとても難しいので、簡単に数字は出せないとは思いますが・・・

色々なところからの質問で、多かった物から書いていきたいと思います。

Q: 放射能が風にのり、作物についたり海に落ちてその魚やら食べたら大変よね?

A:

そもそも農作物には微量ながら 放射性同位元素 = 放射能 が含まれていて、元々含まれている量がきちんと測定できています。もしそれ以上の放射能が入っていたら当然測定することが出来ます。
検出できないと言うことは、元々普段食べているものに含まれる量より少ないと言うことなので、もしかしたらちょっとぐらい・・・などと心配する必要は全くありません。

原子力・エネルギー図面集 (2011年版) の127ページなどが参考です。
元ネタの
http://www.fepc.or.jp/library/publication/pamphlet/nuclear/zumenshu/index.html
が繋がりにくくなっているため、
http://218.224.231.254/~akiyoshi/NuclEng/
にミラーを 原子力・エネルギー図面集_2011版.pdf として置きました。

全体は 88 Mbyte もあって重いですし、必要なページにたどり着くまで大変ですから、放射線に関係する部分だけを
原子力・エネルギー図面集_放射線_2011版.pdf
として上記アドレスに置いてあります。ファイル名をクリックするか、右クリックメニューで「対象をファイルに保存」等として保存してみて下さい。
このバージョンでは6ページ目になります。

例えば乾燥昆布には 1kg あたり 2000Bq もの カリウム40 と言う放射性同位元素が含まれています。
また、そもそも人間自体に体重 60kgの日本人の場合 4000Bq も カリウム40 が含まれています。
この放射性同位元素から常に人間は放射線を浴び続けています。
でも、全く問題になりません。
生物は、太古の昔から放射線にさらされ続けてきたのですから。
放射線を受けて、DNA が損傷してもそれを回復する仕組みが生物には備わっています。
回復できない場合は細胞が自ら命を絶って、後に影響が出ないようにします。
これにより微量の放射線が代謝を高めて健康になると言う説を唱える人も居ます。放射線ホルミシスと呼ばれますが、この単語で検索すると怪しいサイトがたくさん出てきますので、鵜呑みにはしないで下さい。でも昔からラドン温泉、ラジウム温泉が有り難がられているというのは、何か理由があると思われます。ヨーロッパでも、ラドンサウナのような物があるそうです。

現在の基本的な考え方は、人間が浴びる放射線の量が増えれば増えるほど発がんのリスクが上昇するという考え方です。これは、非常に線量が高い場合の統計的なデーターから得られた結論ですが、自然界のレベルに近い領域では、確率が低すぎて他の要因による誤差に埋もれてしまい果たして本当に線量が低ければ低いほどリスクが低いのかは分かっていません。ただ、そう考えた方がより安全に評価できると言うことで、この考え方を元に様々な規制法などが作られています。

Bq (ベクレル)って何、同位元素? カリウム40 ってどういう意味?! などは、後でまた詳しく書きます。

とにかく、現状で報道されている範囲では 20km 以上離れた範囲で降り注ぐ放射性物質の量は、心配する必要はないと考えられます。
20km と言う数字は、スリーマイル島での事故で 16km より遠いところには影響が及ばなかった、というのが一つの根拠になるかと思います。(前の日記の、サイエンス・メディア・センターでまとめられた記事を参照)
もちろん、風向きなどで変わってくる可能性はありますが。

なお、チェルノブイリの事故の際に、特定の農産物に特定の放射性元素が濃縮されることが分かっています。
たとえばセシウム137 はキノコ類に濃縮されやすいです。
(cf. 放射線と人体 暮らしの中の放射線, 研成社, p53 → 以降、この本の内容をたくさん引用しています)
これらについてまず評価することで他の食品はそれらより安全であると言うことが出来ると思います。

また、人体に取込まれた放射能は、ずっと体の中にいるかというと、そんなことはなくてだんだん体外に排出されます。主に尿、後は便や汗としてです。
報道でも出てきたセシウム137 は最も代表的な放射性同位元素の一つで、核分裂して出来た生成物の中に含まれます。性質はカリウムとよく似ているため、主に筋肉に蓄積されます。セシウム137 の半減期は 30年程度ですが、次第に排泄されて日本人の場合 85日で半分になるそうです(難しい言葉で生物的半減期と言います)。また、代謝の活発な子供の方がこの生物的半減期は短くて、9-15歳で40-60日、赤ちゃんでは10-25日で半分に減ります。

また、ストロンチウム90 と言う核種も、今回報道には出てきませんでしたが、同じく代表的な核分裂で出来る放射性同位元素です。これはカルシウムと性質が似ているため、骨に蓄積されます。
ですが、本来の構成元素であるカルシウムが十分摂取できていればこの沈着量は少なくなります。また、ビタミンDの摂取により骨の代謝が活発になり、ストロンチウムは排出されやすくなります。

特に注意が必要なのはヨウ素の同位体で、前の日記にも書いたとおり、特異的に甲状腺に蓄積されることが広く知られています。摂取後24時間以内に30%程度が甲状腺に蓄積されるそうです。
このため、体内にこのヨウ素の放射性同位体(ヨウ素131 が代表的核種)が取込まれると、化学的性質は普通のヨウ素と同じですから、甲状腺に取込まれてしまいます。ただし、事前にしっかりとヨウ素を摂取していて、「満タン」の状態にしておくと、それ以上ヨウ素を摂取してもそのまま体外に排出されます。事後であっても徐々に同位体置換されますから全く無意味でもありません。ヨウ素131 自体の半減期は8日と短いですが、出来る限り早く排出する必要があります。
このため、原子力災害があると、ヨウ素剤が配られることがあります。(安定ヨウ素剤などとも言われますが、放射性でない、安定同位体のヨウ素、と言う意味だと思います(未確認))ヨウ化カリウムという化合物で、吸収しやすくなっており、急を要する場合に用いられます。ヨウ素は大量に摂取しすぎると、過剰摂取による害が知られています。

コンブの大量摂取やめて
甲状腺機能低下招く -健康食に落とし穴-
http://www.medical-tribune.co.jp/kenkou/199401041.html


きちんと指示に従って服用するようにして下さい。また、うがい薬のポピドンヨードなどは飲むために作られていません。同じヨウ素と言っても化学的に価数が違うなどすると、吸収率が全く違いますし、消化器に害を与える恐れもあります。

なお、日本人は幸いにも世界的に見ても極めてヨウ素を普段からたくさん摂取する民族であると言えます。昆布などの海草類にヨウ素が豊富に含まれているからです。 このため、比較的放射性ヨウ素の沈着は起こりにくいと言えます。予防的にヨウ素を多く含む食品を摂取しておくと安心だと言えます。ただしあくまでも過剰摂取にならない範囲で・・・

動物実験レベルではカニの殻などに含まれるキチン・キトサンがキレート剤(水の中に溶けている金属をしっかり捕まえる性質がある)として働き、放射能の排出に効果があるという報告もありますし、アルギン酸ナトリウム(昆布などの褐藻類に含まれる)がストロンチウムの排出に効果的であるという報告もあります。
それ以外にもウォッカが良いとか色々な俗説が飛び交っていますが、要は代謝を高め、利尿促進すれば基本的に体内に取込まれた物質は排出されやすくなります。ので、全く無意味かというとそうでなかったりしますが・・・あまりこれらに振り回されず、そもそも食品中に気にするほど放射能が含まれているかどうかを意識するようにして下さい。これらの情報は今後様々な機関から公表されると思います。
■被曝から身を守るには…
(読売新聞 - 03月13日 00:18)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1533263&media_id=20

京都大学原子核工学専攻助教の秋吉です。
出先のためレスポンスが遅れました。
立場上軽率に物をいうべきでないと自重していた部分もあります。
が、やはり非常に社会的に関心が高いと思いますのであくまでも私個人が分かる範囲で書きます。

とりあえずこの記事はあまり参考になりません。
外部からの放射線防護の三原則を書かれても。

まず、発電所至近距離でない限り外部被曝は無視できます。
瞬間的な敷地境界での最大値(1.5mSv/h)でも、私が実験でしょっちゅう浴びたことがあるレベルです。まあ、トータルそこにいる時間が効いてくるんですが、速やかにレベルが下がったことから、短半減期の核種の放出による物だと思われます。

強烈な放射線が飛び交っている環境では、空気も放射化します。
ただし、半減期(強さが半分に減る時間)がせいぜい数分程度で短いため、ほぼ無視できます。

そのほかに気体として放出される核種として、核分裂によって発生する希ガスが考えられます。
最も半減期が長いキセノン-131m でも 11.8日程度で半減します。

http://www.inss.co.jp/seika/pdf/11/214.pdf
「一般的に原子力防災において評価対象となる核分裂生成物は希ガスとヨウ素であるが,希ガスの放射能量は24時間で約5分の1(0.5MeV 等価
換算値では約40分の1)程度まで低下することが知られている.」

そして、希ガスはほとんど化学的に反応しない原子であるため、体内に取り入れられることもほぼありません。

結局、問題となるのはヨウ素の放射性同位体 I-131 と言うことになります。ヨウ素は化学的に極めて活性で、特異的に甲状腺に蓄積されることが広く知られています。
このため、体内にこのヨウ素の放射性同位体が取込まれると、化学的性質は普通のヨウ素と同じですから、甲状腺に取込まれてしまいます。
ただし、事前にしっかりとヨウ素を摂取していて、「満タン」の状態にしておくと、それ以上ヨウ素を摂取してもそのまま体外に排出されます。事後であっても徐々に同位体置換されますから全く無意味でもありません。I-131 自体の半減期は8日ですが、出来る限り早く排出する必要があります。

日本人は幸いにも世界的に見ても極めてヨウ素をたくさん摂取する民族であると言えます。昆布などの海草類にヨウ素が豊富に含まれているからです。

福島から東京まで飛散してくることは現状ではまず考えられませんが、基本的な知識として、万一の時には知っていて損はないと思います。
まあ、昆布には 1kg あたり 2000Bq の放射性元素 K-40 が含まれていたりしますが・・・この程度の量は、まず無視して構いません。

それから上の資料では挙げていませんが、水素の同位体のトリチウム(H-3)も気体として放出され得ます。半減期は12.3年で、比較的長いと言えます。非常にエネルギーの低いβ線を放出するだけのため、体外からの被曝は完全に無視できますが、水や有機物として体内に取り入れやすい核種です。これも、普通の水を摂取し続けていれば、次第に同位体置換されて体外に排出されます。また、絶対量として上の二つよりも少ないと思われます。

汚染された衣類の処理を気にしている方がおられますが、上を読めば分かるとおり、しばらく置いておけば無くなります。水洗いできればそれでも構いませんが、現地では水が無くそれは不可能だと思いますので、隔離して置いておくというのがベストかと思います。

それから、これだけは覚えておいて下さい。
今回の件が無くても、人類は自然界である程度の量を被曝しています。

日常生活でどの程度被曝しているかは、
http://218.224.231.254/~akiyoshi/Temp/
に置いた、原子力・エネルギー図面集_2010.pdf の120ページを参照して下さい。

元ネタは
http://www.fepc.or.jp/library/publication/pamphlet/nuclear/zumenshu/index.html

胸部レントゲン一回で 50μSv, 国際線片道で 100μSv と言うのを覚えておくと、大体比較が可能かと思います。世界平均では年間平均 2.4mSv となっています。ただし、その数倍の放射線をずっと浴びている地域もありますが、特に発がん率が上昇すると言うことは確認されていません。
身近なところで一番大きいのはCTスキャンで、胸部断層撮影で 6.9mSv、つまり 6900μSv 被曝します。さすがにこれはやたら浴びるとまずいと言うことで一度受けると一定期間受診できません。ただ、リスクはあるがそれで病気が発見できるなら、と言うことで必要であれば使うことをためらう必要はありません。すぐ影響が出るレベルよりも二桁程度小さいからです。

もちろんこれは外部被曝の量で、放射性物質自体を体内に取込む内部被曝とは比較できませんが・・・世界平均の2.4mSv/年 の半分程度は、空気中に含まれるラドンから受ける内部被曝です。ラドンとその娘核種は、α線、β線、γ線を体内(肺)で放出します。この程度の量は人類みんなが浴びている量だと思って下さい。石造りの建物が多いヨーロッパではずっとこの量は多くなります。ラドンガスは岩石に含まれるウランやトリウムから放出されるからです。コンクリートでも同じで、木造の通気性が良い日本家屋ではずっと少なくなります。

他の方の書いた資料として、参考となる資料として、
http://smc-japan.sakura.ne.jp/?p=752
を挙げておきます。私から見てほとんど異論がありません。

とにかく今回の事象は、現在のところ固体も含めた核分裂生成物を広範囲にまき散らしたチェルノブイリとは全く異なります。今後状況がどうなるか分かりませんが、分かる範囲で書いてみました。

各種のサーベイメーターやGe半導体γ線検出器を持つ我々に、何か出来ることがあったら是非教えて下さい。現地に行きたいのは山々ですが、現状でそれは非常に難しいと思います。が、行ける物であれば私は行くつもりです。郵送可能なら受入窓口があれば何かしたいとも考えていますが・・・

なお、この拙文で構わなければ、リンク・転載フリーです。
文責は、負います。

2010/03/14 追記

今回の事故では炉心温度が上昇し、一時期核分裂生成物(FPと呼ばれる、いわゆる核のゴミ)が放出されていたようです。炉の近くでセシウム-137 が検出されていたようですから。これらは本来固体なのですが高温で蒸発したようです。大気放出後、冷えて微粒子の固体になっていると思います。
これらの核種は寿命も長いため、取扱がやっかいです。
ただ放出されている時間は限られていますし、量も報道されている範囲では大したことはありません。
また、放射能と言っても化学的には普通の物質と何ら変わりません。
どんどん伝染して増えていくようなこともありません。
インフルエンザ対策でやっているような、手洗いが一番有効です。
また、野菜などは洗ってから食べるなど、ごく普通の対応でほとんどが防げます。

それから、コメント欄でも書きましたが、家庭用のエアコンは外気を取り入れません。中の空気をグルグルかき混ぜるだけです。

とにかく、「現状では」過度に不安になる必要はありません。
正確な情報を今後も分かり次第お伝えしていきたいと思います。
とりあえず帰学し次第もう少し資料を調べて書き込みます。