筑後の畳屋四代目、波動畳職人、

近本秀明です。



先週は畳のソフトな弾力性をお話し


しました。



今日は、畳の「吸放湿性」について、


お話しします。


イグサは細長い円柱形をしており、


高さは70~160cmくらいまで


成長します。


イグサの断面図を電子顕微鏡で見ると


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左 イグサの断面図と


右 ワラの断面図です。



イグサの断面図では表皮のすぐ内側



に スポンジ 状の物がつまって



います。



ワラの断面図では、イグサと比べ


空気穴が大きいことが



わかります。


イグサはスポンジとよく似た構造を


しています。


このような構造が畳の弾力性、


湿気の吸湿、放湿をしてくれます。




イグサの吸湿率は


綿と比べても2倍~3倍はあります。


人が畳の部屋に寝た場合、


一晩でかいた汗の3分んの1は、畳が


吸収してくれると


言われています。


吸収するだけでなく、室内が乾燥する


と、畳は


室内を快適な条件に整えるために


適度の水分を


放出すると言う機能もあるのです。


畳の部屋が


心地よいのは、畳のこんな優しい働き


のためなのです。


日本人はこんな素晴らしい自然の力を


住まいに


取り入れてきたんですね。

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