2泊3日の静岡・大井川遠征の2日目。島田から大井川沿いを遡上して60キロ。目的だった奧大井湖上駅の絶景を堪能したことで、もう引き返そうかなと思い始めた矢先、「自転車ですか。凄いですねぇ」なんて声を、「南アルプスあぷとライン」で来たという、たぶん同世代のご夫婦にかけられた。
「いやぁ、そうでもないですよ」なんて言いながら、内心は…へへへ(^_^;
列車はどこまで行っているのかなんて話になり、「終点は井川ですね。もう少し先まで上りますよ」と答えた後、「あと10キロですね。行ってみようかな」なんて心にもないことを口走り…。
ということで、予定通り井川を目指すこととなった。
県道に合流した後は少し下り、すぐに現れるのが「南アルプス接岨大吊橋」。「橋の上から南アルプスを一望」「造りは頑丈」とそそられたが、高所恐怖症なのでここも見るだけにしておきましょう。
南アルプス接岨大吊橋
ふと河川敷の方に目をやるとトラックが大集結していた。多くのトラックの荷台に「長島ダム」と書いた紙が貼られていたが、なるほど、ここから砂利を運んでいたのかな。ということは、この先にトラックはいないはず。80キロ以上走ってやっとストレスから解放されたか。
接岨峡温泉駅への分岐を過ぎると、接岨峡大橋を渡った先で道が分かれ、左手が接岨峡、道なりが井川ダム方面となる。そしてここから長い上りが始まるのだが、そこにまたしても例の時間帯通行止めの看板。どうやら現場はこの先にあるらしいのだが、それがダムの手前か先かは不明。この時の時刻は午前11時58分で通行可能時間帯となっている。井川ダムまでは約6キロ。通行止めとなる13時まで1時間ほどあるので、大丈夫かな。行ってみよう。
接岨峡大橋
時間帯通行止めの看板
そんなにきつくないけど延々と続く上り。工事現場はその途中に嘘偽りなく存在していた。井川ダムまでは4キロ弱の地点で、後で地図で確認するとちょうど「岩瀧不動の滝」の前後だった。どうりで滝に気が付かなかったのか。それはともかく、井川ダムへは行けるだろうけど、予定していたうち、ぜひものの井川駅の先にあるという廃線跡は1キロ歩く必要があるので無理っぽい。井川の夢吊橋は、高所恐怖症なのでまあいいとして、「アルプスの里」でのランチも諦めるしかないか。
南アルプスあぷとラインと大接近
そんなことを思いながら黙々と上っていく。終盤は結構緩やかになり、やがてピーク。そして井川ダムへの分岐を入ると、そこからは約1キロの爽快過ぎるダウンヒルとなる。あぁ、上り返しが…。果たして間に合うのか。
井川ダム到着は午後0時40分。なんだ、まだ50分もあるじゃん。もしかして廃線跡へ行けるかなと期待したが、そこへ至る道が上りの山道だったので、さすがに無理だろうと断念。へ〜、このあたりは「オクシズ」っていうのか。あれ、遊覧船もあるよ。ダム湖の色が〝大井ブルー〟より濃いなぁ、秘境に来た感があるねぇ。などとまったり時を過ごす。
井川駅
井川ダム
実はこの時点で通行止めとなるのが午後1時半からと、なぜか勘違いしていたのだ。大ボケですな。そのためのんびりとトイレを済ましたりして、ようやく折り返しをスタート。1キロを上り返し、ダウンヒルに入ったところで例の看板が目に飛び込んで、がく然。あれ、午後1時じゃないか。やば! あと10分ぐらいしかないじゃん。1本道だし、間に合わなかったらここで2時間足止めだ。急げ!
ここは「オクシズ」
井川湖
井川湖の遊覧船
井川ダム
パンクしないでね〜と祈りながら必死に回す。緩い下りがうらめしい。そして…。
工事現場到着は午後0時56分と、規制開始の4分前。車で待機していた作業員の方たちも作業開始へ向け準備を始めていた。まさにタッチの差の脱出劇だった。やったぜ、ベイビー♪
午後0時57分に脱出
今、改めて通行規制を見ると、通行可能時間は
午前8時30分以前
午前10時〜午前10時15分の15分間
午前11時30分〜午後1時の1時間半
(この11時30分を1時30分と間違えたかも)
午後3時〜午後3時15分の15分間
午後5時以降
となっており、昼間はたった2時間しか通れないのだ。これを最初から知っていれば、井川へは行かず、寸又峡へ行ったかもね。通行できたのは奇跡としか思えない。なお、工事は今年12月24日まで行われるので、行かれる方はご注意を。土日は終日通行可能。
スリリングな一人芝居を終え、再び奧大井湖上駅展望所へ。こちらからだと、結構な急坂を上っていく。到着したのが午後1時25分。時刻表を確認すると、おぉ! 午後1時29分発の下り列車が来るじゃないか。たった4分後。いろんな偶然が重なり、これも奇跡としか思えない。絶景の中をコトコト走るトロッコ列車を存分に楽しむことができた。
再び奧大井湖上駅展望所へ
トロッコ列車がやってきた
奧大井湖上駅にトロッコ列車が到着
奧大井湖上駅を出発したトロッコ列車
その後は、長島ダムの上を横切る平たんコースを走り、奧泉の先は県道を外れ、大沢橋、白沢橋と歴史を感じさせる橋を渡って集落を1周。その後も両国橋の手前でも県道を外れ、往路とは違うコースで千頭へ向かう。「急須の展望台」は目にとまったがスルー、智者の石には気が付かなかった。
接岨湖
接岨湖
長島ダム
大沢橋
〝大井ブルー〟の大井川
午後2時20分ごろに千頭に戻ってきて、ようやくランチタイム。やはりここは「cafeうえまる」で、看板メニューの「長島ダムカレー」(1650円)だねぇ。ゆで卵は奧大井湖上駅、ベーコンはアプト式鉄道、揚げたてでサクサクのエビフライはしぶき橋(長島ダムの吊り橋=見てない(T_T))、重力式ライスコンクリートにはしぶきの福神漬けを盛りつけたという、ボリュームたっぷりの逸品。満足満足♪
cafeうえまる
長島ダムカレー(1650円)
ちなみにここではほかに「千頭ダムカレー」(1620円)、「大井川ダムカレー」(1960円)、「塩郷ダムカレー」(1730円)も提供している。前述した井川の「アルプスの里」には「井川ダムカレー」(1150円)があり、ここはダムカレーファンとしては垂涎の地ですな。
満腹になったお腹を抱え、千頭を出発。いったん国道362号を進んだ後、青崎橋の先から県道77号に入る。往路では走らなかったコースで、大井川左岸を大井川鐵道に沿うように進む。これが凄まじい道だった。駿河徳山駅を過ぎると、ほぼ山道となり、アップダウンの連続。これが7キロ強続いていく。この区間が今回のルートで一番きつかった。一番暑い時間帯でもあり、も〜ヘロヘロ。車がほとんど通らなかったことだけが救いだった。で、最後に下泉駅方面へ向かって下っていくのだが、これが20%はあろうかというチョー激坂。往路をこのコースにしなくて良かったと心底思った。だって絶対上れないもん。
青崎橋
駿河徳山駅
この上は20%前後の激坂
下泉駅
塩郷ダムを通り過ぎ、そのまま県道77号を進むと、吊り橋が見えてきた。「塩郷の吊り橋」で寄ってみると、橋のたもとに「奧大井サスペンスブリッジ恋愛事件」という碑があった。もしかして「火曜サスペンス劇場」の舞台にでもなりここに片平なぎさか名取裕子が追い詰められたのかと期待したが、そうではなく川根本町商工会青年部が過去に企画したイベントだったようだ。
塩郷の吊り橋登り口
「奧大井サスペンスブリッジ恋愛事件」の碑
塩郷の吊り橋
この先にあるはずの「日本一短いトンネル」は見つけられず、最後に「川根温泉 ふれあいの泉」に寄って島田へ帰還した。実はホテル隣にある老舗のパン屋さん「シルベスター」がかき氷(350〜400円)をやっているのを発見していたので、それを楽しみに暑さに耐えて戻ってきたのだけど、かき氷ののれんは仕舞われており、店内もロールスクリーンが引かれてすでに閉店の雰囲気。あ〜、間に合わなかったか。貧脚をうらむぜよ。
このかき氷を食べたかったが、間に合わず(前日撮影)
この日の走行距離は141キロで獲得標高は1948メートル。グロス時速は12.8キロ。これじゃ遅すぎるね(^_^; まあ、仕上げのかき氷は逃したけど、オクシズの絶景をたっぷりと堪能でき、大満足の秘境ライドだった。
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