きのうのつづき


    

不器用で生きづらい私たち #2 振戦せん妄


うっ。ふと、目が覚めた。


まだ、いきていたんだ。死んだと思ったのに。


自分の周囲を見ると、病院服を着ている。そして、テレビで聞いたことあるナースコールの音(あとで調べたらノクターンという曲らしい)。忙しそうに動いている看護師さんや医療技師さんなど医療スタッフの方々。


どうやら場所は病院のようです。でも、周りの様子を伺って身体を動かしても、手足を固定されていて思うように動かすことができないのでした。トイレに行こうとしてもいけません。拘束専用の道具で身体を拘束されているのでした。そのため、オムツをつけていました。


余談ですが、私はオムツを使うことはありませんでした。アルコールによる脱水作用で極度の脱水であり、食事もほとんどとっていませんでした。尿があまりにも水分が少なすぎて、尿の中の塩分が結晶化して、排尿しようと思っても激痛が走り、看護師さんに管をいれてもらい、尿を出してもらいました。



こんな場所で、こんな格好で。死にたい。


せっかく場所を決めて、処方薬かないので市販の睡眠薬(アレルギーの薬で眠気がでるやつ、なんだっけかな?)を70錠大量服薬して身を投げたのに。

知らず知らずのうちに涙が出てきました。いまとなると、こんな涙流したくなかった。恥ずかしさも混じっているからです。

助けられたのか。自分の命は自分で決められると思ったのに。悔しさ、切なさだけでなく、恥ずかしさもあっての涙。情けない。



「身体が何か変だ。広島時代のマエケン体操が勝手に始まった感じ」

強制的に現在MLBの前田健太選手の体操始め!

目が覚めたと思ったら、自然に手足が勝手に動くのです。止めようと思っても止められない。どうしよう。両足も動いてきた。

バタバタ、ギシギシ、バタンバタンと鳴るベッドの音。明らかにうるさくて迷惑でした。止めたくても止められないのでした。他の患者さんと思われる方から「うるさいよ。静かにしてくれ」「看護師さんあの患者どうにかして」と声が聞こえます。わかっているんですけれどもとめられません。

身体全身の振戦といわれるもので、アルコールや薬物(処方薬も含む)が身体からなくなってくると、イライラしたり、突然手足が動いてくるのです。軽いものでは、手指のふるえですが、私はそれだけではなく、全身にまで及んでしまったのです。

本当にきついです。勝手に動くし、汗はだくだくでてくるは、とにかく身体が忙しい。

身体が動き出してバタバタしていると、意識がまた遠のいていく。

看護師さんの声で、「どうしました?大丈夫ですか?」と尋ねられても、再び眠ってしまいました。





つづく