修二会 下七日 牛玉刷りかけ・牛玉日 | ドット模様のくつ底

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奈良が好きなライターの瞬間ブッダな日々の記録。
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(過去記事です)


3月8日から下七日です。


初夜と日没の勤行では、

上七日に比べて、略式になる

「引上げ」という勤行形式になります。

このほか、神名帳奉読の節も略ブシで「引上げ」といいます。

(ただし5日の実忠忌があり、初夜の勤行だけは略式になる)


【牛玉刷りかけ・牛玉日】

八日と九日は「牛玉日」(ごおうび)と称し、
初夜と後夜の「大導師作法」や「咒師作法」の間に、
牛玉・陀羅尼札(だらにふだ)を刷ります。


その手始めに
日中・日没・例時作法・・・

壇供積みがおわると、

それぞれが内陣の自席に牛玉の板木を持ち出し、
壁にかけてある牛玉箱から牛玉札を取り出して、
二、三枚だけを刷ります。



その後、先述のように初夜と後夜で
牛玉・陀羅尼札を刷ります。


【牛玉札・陀羅尼札とは?】


牛玉札は修正会・修二会の結願の日に頒布する
護符の一種。

二月堂のほか、法隆寺、高野山、熊野などの寺社からだされています。

とくに熊野の牛玉は有名で、
近世、この札を修験者が売り歩いていたそうです。

「牛玉」は仏の異称など諸説あり、
表記は「牛黄」「牛王」「牛玉」など。

東大寺では「牛玉」を用いています。

このほか、
尊勝陀羅尼を梵字で刷り込んだ「陀羅尼札」も用います。




(参考:『東大寺お水取り 修二会の記録と研究』小学館)