地域福祉とお寺の役割 ②「個に働きかける時代」 | ドット模様のくつ底

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奈良が好きなライターの瞬間ブッダな日々の記録。
福祉的な目線から心の問題を考えています。

今回取り上げたテーマは

地域福祉 です。

広義な意味では、

「地域社会における福祉問題に対し、その地域の住民や

福祉関係者などが協力して取り組んでいこうという考え方」となります。

「自分の住むコミュニティに関係する福祉の在り方」です。

ここではお寺の役割をクローズアップしているので、
その為せる可能性というのは、

「地域福祉」という一つの括りのごく一部に過ぎないことを
あらかじめお伝えしておきます。

また、私が
「地域福祉」関連のことを調べて書くもの違うように思いますので、

「お寺を地域の社会資源としてもっと活用していけたら」

「行政に頼らなくても自分たちでつくったコミュニティを
もっと活用していきたい」

といった目線で書くことになります。

もうすでにお寺を拠点としたコミュニティが
形成されているところもあります。

しかし、
都市か田舎かによって状況が違いますし、
全国で7万以上あると言われている通り、
お寺は点在しているとはいえ、

檀家のいるお寺かそうでないかということも
あるので、すべてのお寺が活用できるかというと、
そうでもないんですよね。


「地域社会などめんどくさい!」
「ある程度の無縁社会を希望」

なんていう方も多数おられることでしょう。

だから都会生活を選ぶのだという方もおられると思います。
転勤の多い仕事であれば、
ずっとそこで暮らすわけではないので、
深い付き合いを望まないかもしれません。

自分の住むところで
地域社会の人同士が濃密に関わり合っていて、
そうでなければ住めないなどの状況にある人は、

「うちは家族や親せきで助け合うから必要がないのに」
と、本来は望んでいないのそうせざるを得ない場合もあるかと思います。

自分が住む場所を選べる自由もありますし、
地域との確執や強い反発が起これば、
引っ越すこともできますね。


お住まいのところに地域社会がすでにあるような人は、
それだけでいいかもしれませんし、

それ以外にも多くのコミュニティーに
参加することもできます。

では、地域社会がなく、
孤立した状態の方がコミュニティー形成を考えた場合、
どのような形があるか。

一つはインターネット上も数えられますね。
ここである種のコミュニティーが形成されていたりします。

お寺とインターネットも皆さまのように
インターネットを活用されている方はご存じの通り、

今では、お寺の僧侶さんがコミュニティ形成に
インターネットを活用している時代です。

ただ、インターネットは一つの手段に過ぎず、
目的としてはお寺に足を運んで頂くことがあると思います。

檀家のいないお寺には講社の方がおられます。
神社にも講社の方がおられます。

同一の信仰をもった人々による結社として、
あるいは地域ごとに、〇〇という集合体として
寺社の行事を支えるんです。

東大寺の修二会の行法を支える講の方もおられます。
法隆寺は今二つの講があると記憶しています。

ところが、ここ20年で大きく変化が起こり、
講の数が激減しているそうなんです。

これは地域が一括りの「集合」として存在せず、
「個」の時代になったからということなんですよね。

かつてはその講の方々がお寺の行事の、
この部分は〇〇の担当、ここは〇〇・・・といった具合で、
支えてきました。

その講が激減していることにより、

「個に働きかける時代」になっているという話を、
金峯山寺の田中利典師に伺いました。

行事を支える地域の人々もおられる中で、
信仰が自由で、住居の移動も自由な時代ですので、
それも現状としては受け止めざるを得ないということです。

この方はTwitter、mixiなどSNSをフル活用して
お寺の宣伝部長をされています。

本来は地域で支えていたことを
「個」に働きかけてお寺に足を運ぶ方を増やすとのこと。

今、金峯山寺では、国宝仁王門大修理勧進の目的で、
「金剛蔵王権現」様がご開帳をされていますね。
メディアでの宣伝も多くされています。

こういった活動の背景には、現状ではどうすることもできない、
このような事情もあることをお伝えしておこうと思います。



長くなりました。
ここまで読んで頂きましてありがとうございました。

今日も一日、皆さまが幸せでありますように。