残されてきたもの②「木の文化について」
①のつづきです。
現代でお寺の建築物を復興・再建させようとなると、
現実は日本の材木だけで
復興・再建することは困難です。
今、再建中の興福寺中金堂の中核を担う柱36本は、
アフリカのカメルーンから輸入したケヤキが使用されています。
1999年より同国の原木輸出は禁止されているそうですが、
こちらのケヤキは20年前に伐採されたものでした。
またカナダ産ヒノキが柱の横に渡す木材などに使用されます。
森林資源保護や国内木材加工産業育成のため
原木の輸出を禁じた国が増え、
大木探しは困難を極めたようです。
薬師寺伽藍復興のときに使用された台湾産ヒノキもまた
現在輸出禁止になっています。
世界の木材を探したところ、
カメルーンの熱帯で育ったケヤキは
価格が日本の5分の1で、
はっきりとした年輪がなく割れが生じにくいなどに理由から
柱には充分使えると判断されたそうです。
(日本経済新聞を参考)
財力の問題が都度生じることですし
建築に必要となる用材集めにもこれほどの
困難を抱える大事業であるにもかかわらず、
なぜ、そこまでして
文化を残そうとするんでしょうか。
と自分の心の中に問い掛けてみて、
その文化を知るにつれて
何となくわかってきたことがありました。
それは今、心の中に
残したい文化がある人にはきっとわかることだと思います。