今年たまたまiTunesで出逢ったAlexGootというアーティストがいるのですが、一度聴いて、まあ何というかもう自分のツボにドンピシャでして、以来車で移動中、電車に揺られながら良く聴いています。

彼自身もボーカルとして唄っているけれどゲストボーカリストを迎えてコラボした楽曲や、カヴァー曲をリリースしていて、youtubeやデジタル配信の場を主な活動拠点にしているようで、ここ数年の自分の音楽制作のスタイルに通ずるところがあり、興味を持ちました。

彼等が売れてるか否かなんてのは正直どうでも良いのですが、自分みたく、働きながらピンで活動しているが故に、お金もないし、LIVEも頻繁に出来ない、加えて沢山楽曲を世に出して売れることより、自分の音楽で1曲でも世にガツンとしたものを突き立てることを目標にしている、下手くそだし、知識もあんまり無いけど音で作った世界に感動し、どうやってもその世界を捨てられない、音に魅力された人間にとって、彼等の活動には何処か光を見たような気がしました。実際、彼等の音楽は素晴らしい。別に同じ境遇ではないし、はたから見たらただデジタル配信をメインに活動しているという共通点だけなんだけれど、自分にとっては凄く衝撃だったというかね。嬉しかった。

CDは憧れるというか、やはり自分も盤世代なので、自分のCDを世に出せるのは嬉しいし、それを作る過程も、手に取って頂ける瞬間も震えます。でも、売れないと在庫だけが残るので、せっかく作ったのにそれも悲しいですよね。ジャケ写の撮影、ブックレットの制作、プレス、肝心の中身の音以外に資金がえらいかかる訳で、自分にはとても両方を完璧に作る何てのは難しいこと。…なもんで、自分は1曲に時間とお金をかける方法で音楽を続けていくことを選びました。

華やかな世界は要らないから、ジタバタして描いた、華やかなんて程遠い自分の音の世界を、1頁ずつ、アホみたいに時間をかけて作って、自分がAlex Gootの音楽に出逢ったように、リリースしてから1年、下手したら10年経ってようやく自分の音に出逢ってもらえるかも知れない誰かの為に、今出来る全部を込めようと思います。